10日の香港市場概況:ハンセン0.6%安で続落、申洲国際4.2%下落

配信元:フィスコ
投稿:2020/02/10 18:00
週明け10日の香港市場は値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比162.93ポイント(0.59%)安の27241.34ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が50.74ポイント(0.47%)安の10654.43ポイントとそろって続落した。売買代金は1077億5500万香港ドルとなっている(7日は994億800万香港ドル)。

景気減速の警戒感がくすぶる流れ。本土では湖北省などを除き、10日に春節(旧正月)休暇明けで企業活動が基本的に再開されたものの、新型肺炎の拡大を背景に一部の工場で生産停止が延長されている状況だ。「操業を再開しても、帰省した労働者は工場に戻れない」との声もあり、正常化には時間がかかるとみられている。国家衛生健康委員会は10日、新型コロナウイルスの感染者数は9日時点で前日比3062人増の4万171人に達したと発表した。1日の増加ペースが3000人を再び超えたことを明らかにしている。ただ、大きく売り込む動きはみられない。本土株高をにらみながら、香港の各指数は中盤から下げ幅をやや縮小させた。

ハンセン指数の構成銘柄では、中国ニット衣料最大手の申洲国際集団HD(2313/HK)が4.2%安、マカオ・カジノの銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント:27/HK)が2.7%安、乳製品メーカー中国大手の中国蒙牛乳業(2319/HK)が2.6%安と下げが目立った。

セクター別では、小売やスポーツ用品などの消費関連が安い。百盛商業集団(パークソン・リテール:3368/HK)が5.5%、国美零售HD(493/HK)が2.5%、李寧(2331/HK)が3.4%、361度国際(1361/HK)が3.2%ずつ下落した。そのほか、火鍋チェーン最大手の海底撈国際HD(ハイディラオ・インターナショナル・ホールディング:6862/HK)が4.8%安。江蘇省常州市当局の発表で、新型コロナウイルス感染者が海底撈レストランを利用していたことが判明した。同席者にも感染が広がっているという。

半面、ゼネコンやセメントのインフラ建設セクターはしっかり。中国鉄建(1186/HK)が1.8%高、中国中鉄(390/HK)が1.1%高、中国建材(3323/HK)が6.1%高、安徽海螺水泥(安徽コンチセメント:914/HK)が3.8%高、華潤水泥HD(1313/HK)が2.5%高で引けた。

他の個別株動向では、電子商取引(Eコマース)大手の香港電視網絡(ホンコン・テレビジョン・ネットワーク:1137/HK)が26.2%高と急伸。自社オンライン通販サイト「HKTVmall」の総取引高(GMV)が今年1月、前年同月比で49.6%増加したことが材料視されている。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、オンライン通販を利用する人が増加した。2月も一段の好調が見込まれている。

このほか、オンライン健康相談サービスや医薬品Eコマースなどの阿里健康信息技術(アリババ・ヘルス・インフォメーション・テクノロジー:241/HK)が13.1%高、医療サービスアプリ「平安好医生」運営の平安健康医療科技(1833/HK)が8.1%高とそろって続伸。平安健康医療科技株は上場来高値を更新した。同社はあす11日、通期決算を報告する予定となっている。

一方、本土市場は5日続伸。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.51%高の2890.49ポイントで取引を終えた。建材やゼネコンなどインフラ関連株が高い。自動車株や不動産株、メディア関連株、消費関連株の一角も買われた。半面、ハイテク株は安い。医薬品株、銀行・保険株の一角も売られた。

【亜州IR】

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配信元: フィスコ