NYコラム(29日)ダウ平均はボトム・アウトを確認できるか⁈ーアップル最高益更新

著者:加藤裕一
投稿:2020/01/29 21:42

NY株式市場(29日)ダウ平均はアップル最高益更新でリバウンド期待が根強い

▶︎29日のアメリカ株式市場でダウ平均は連日でリバウンドを試す展開へ

前日の夕方に発表されたアップルの2019年10−12月期決算は、EPS・売上高ともに市場予想を上回った。新型iPhoneの販売好調が確認され、2020年1−3月期以降の見通しもアナリスト予想を上回る内容となった。

今晩のアメリカ市場は、時間外取引で一時3%を超える上昇を見せたアップル株の瞬発力を寄り付きで確認することになる。

寄り付きの売買をこなした後は、早い段階で午後に公表されるFOMCの結果とパウエル議長の記者会見を待つ様子見ムードになりやすく、相場全体はもたつきながらFEDタイムを迎えることにだろう。

取引開始前にはアメリカ・ホワイトハウスが中国と米国を結ぶ航空便の運航停止を見送ることを決めたと報じられた。

トランプ大統領は、中国政府と緊密に連絡を取りながら毎日新型ウイルスに関する対策会議を開いているという。

今回の新型ウイルスに関してアメリカは「空港での水際対策」と「発症者の隔離・監督」で乗り切れるとのシグナルとして受け止めたい。

▶︎ダウ平均は再び2万8800ドルをトライへ−リバウンド相場の持続性に注目

ダウ平均は、前日の取引で25日移動平均線にワンタッチ後上値を抑えられ、日足の上ヒゲを付ける格好となった。

短期的な急落後のリバウンド局面を迎えているダウ平均の目先的なターゲット・プライスとして挙げられるのは、17日に付けた過去最高値(2万9373ドル)と27日に付けた日中安値(2万8440ドル)の半値戻し水準=2万8906ドルであろう。

29日のダウ平均は、28日に続いて25日移動平均線(2万8816ドル)が走っている2万8800ドル付近から伸び切れるかにリバウンド相場の持続性が掛かってくる。

ダウ平均が、短期的な急落からリバウンドを経て半値戻し水準まで持ち上げられるかを見極める上でも、今晩のところは時価総額上位で好決算のアップル株が史上最高値(323ドル)を捉えきれるどうかに注目したい。
加藤裕一
米国株ストラテジスト
配信元: 達人の予想