NYコラム(10日):市場予想を下回る雇用統計を織り込む展開へ

著者:加藤裕一
投稿:2020/01/10 23:24

▶NY株式市場(10日)市場予想を下回る雇用統計を織り込む展開へ

10日のアメリカ株式市場では、12月の非農業部門雇用者数が市場予想を下回ったアメリカ雇用統計の内容を織り込む展開となる。注目されていた非農業部門の雇用者数は、前月の大幅増の反動もあって14万5000人増(予想:16万人増)にとどまった。このほか、11月分と10月分は、それぞれ下方修正された。失業率は3.5%と、市場予想通りで、引き続き50年ぶりの低水準を維持した。項目別では、平均時給が、前年比+2.9%と、こちらも市場予想(前年比+3.1%)を下回る内容だ。今週発表されたADP雇用統計が、市場予想を上回る内容となっていたこともあって、今回の雇用統計は、期待値が高かったものの、内容的にはネガティブな印象となった。

▶10日のアメリカ株式市場は、売り圧力を意識しながらの相場展開へ

10日のアメリカ株式市場では、市場予想を下回る雇用統計の内容を織り込む形で、買い上がる動きは限られそうだ。非農業部門雇用者数が市場予想を下回る雇用統計の発表を受けた時間外の動きでは、ダウ平均先物が伸び悩む一方で、アメリカ10年債利回りが、一時1.83%台へ低下する動きがみられている。今晩のアメリカ株式市場では、中東情勢を受けた地政学的リスクの後退で、前日にダウ平均が過去最高値を更新していたほか、週末とあって、上値追いには慎重なムードも高まりやすいとみる。
加藤裕一
米国株ストラテジスト
配信元: 達人の予想