12日の香港市場概況:ハンセン1.3%高で続伸、カジノ銘柄急伸

配信元:フィスコ
投稿:2019/12/12 18:00
12日の香港市場は値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比348.71ポイント(1.31%)高の26994.14ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が112.23ポイント(1.07%)高の10614.76ポイントとそろって続伸した。売買代金は908億5700万香港ドルに拡大している(11日は743億3800万香港ドル)。

資金流入の期待感が持続する流れ。中国・香港間の相互取引スキームを通じた売買では、香港株が連日で買い越しとなっている。対米ドルの香港ドルレートは今年7月以来の香港ドル高水準に上昇し、許容変動幅(7.75~7.85香港ドル)の中間値を突破。資金の香港回帰が意識された。米国の低金利政策継続もプラス。米連邦公開市場委員会(FOMC)は昨晩、「現在の金融政策は適切」と指摘した。市場関係者の間では、「米連邦準備理事会(FRB)は利上げを急がない」との見方が広がっている。

ハンセン指数の構成銘柄はほぼ全面高(50のうち48が上昇)。マカオ・カジノの銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント:27/HK)が4.5%高、医薬品メーカーの石薬集団(1093/HK)が2.9%高、中国インターネットサービス最大手の騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が2.7%高と値上がり率上位に並んだ。

業種別では、カジノ関連が高い。上記した銀河娯楽集団のほか、永利澳門(ウィン・マカオ:1128/HK)が4.7%、美高梅中国HD(MGMチャイナ・ホールディングス:2282/HK)が4.1%、澳門博彩HD(SJMホールディングス:880/HK)が3.3%、金沙中国(サンズ・チャイナ:1928/HK)が2.5%ずつ上昇した。中国の習近平国家主席は来週、マカオ返還20周年記念式典に出席し、経済成長の支援意向を表明するとの観測が流れている。カジノ株は後場途中から急伸した。

天然ガス関連セクターもしっかり。大手ブローカーの強気な業界リポートを手がかりに、港華燃気(タウンガス・チャイナ:1083/HK)が5.8%高、中国燃気HD(中国ガス:384/HK)が3.8%高、華潤燃気HD(華潤ガス:1193/HK)が3.1%高、新奥能源(ENNエナジー:2688/HK)が3.0%高と値を上げた。

スマートフォン端末部品などハイテク関連セクターも物色される。丘タイ科技(Qテクノロジー:1478/HK)が13.0%、高偉電子(1415/HK)が3.2%、瑞声科技HD(2018/HK)が1.5%高で引けた。11月のスマホ出荷がプラス成長を回復したことが引き続き好感されている。丘タイ科技に関しては、通期の大幅増益見通しを発表したことが刺激材料。カメラモジュール販売が順調に拡大しているという。

一方、本土市場は6日ぶりに反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.30%安の2915.70ポイントで取引を終えた。消費関連株が安い。不動産株、セメント株、金融株、運輸株なども売られた。半面、ハイテク株は高い。公益株、医薬品株、自動車株なども一角が買われた。

【亜州IR】


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