欧米為替見通し:ドル・円は上げ渋りか、底堅い米経済指標も米中協議にらみ

配信元:フィスコ
投稿:2019/11/22 17:25
22日の欧米外為市場では、ドル・円は上げ渋る展開を予想したい。今晩発表の米経済指標から景況感の改善が示されれば、株高・ドル高の地合いが見込まれる。ただ、米中通商協議の第1段階の合意署名はなお不透明で、積極的なドル買いは手控えられそうだ。

米中通商協議の進展に関する情報が錯そうするなか、今後の展開に思惑が交錯し、足元はリスクオン、リスクオフのどちらにも振れやすい地合いと言える。21日のニューヨーク市場では株価は下落した一方、長期金利は上昇しドル・円は狭いレンジ内で方向感の乏しい値動きとなった。本日アジア市場では、日経平均株価の堅調地合いを背景に円売りが先行し、ドルは108円半ばから後半に浮上。また、欧米株式先物のプラス圏推移でドルは今晩の株高を見込んだ買いが観測されており、18日以来の109円台を目指す展開となっている。

この後の海外市場では、欧米の経済指標が手がかりとなろう。18時発表のユーロ圏の11月製造業、サービス業のPMIはいずれも前回を上回る見通しで、域内経済の回復期待によりユーロ・ドルが上昇すればドル・円をある程度下押しする可能性がある。一方、11月の米国の製造業、サービス業PMIも底堅い内容が予想されている。連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ打ち止めへの観測が広がるなか、景況感の改善は株買いを誘発しドルを押し上げる材料となろう。ただ、米中貿易協議は引き続き方向を見極めにくく、ドルは109円付近の売りに上昇を阻止されそうだ。

【今日の欧米市場の予定】
・17:30 独・11月製造業PMI速報値(予想:42.8、10月:42.1)
・17:30 独・11月サービス業PMI速報値(予想:52.0、10月:51.6)
・18:00 ユーロ圏・11月製造業PMI速報値(予想:46.4、10月:45.9)
・18:00 ユーロ圏・11月サービス業PMI速報値(予想:52.4、10月:52.2)
・18:30 英・11月製造業PMI(予想:48.9、10月:49.6)
・18:30 英・11月サービス業PMI(予想:50.1、10月:50.0)
・22:30 カナダ・9月小売売上高(前月比予想:-0.3%、8月:-0.1%)
・23:45 米・11月製造業PMI速報値(予想:51.4、10月:51.3)
・23:45 米・11月サービス業PMI速報値(予想:51.0、10月:51.0←50.6)
・24:00 米・11月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値(予想:95.7、速報値:95.7)


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配信元: フィスコ