C&R社 Research Memo(1):プロフェッショナル人材の需要は引き続き旺盛、20年2月期は過去最高業績見通し

配信元:フィスコ
投稿:2019/11/08 15:31
■要約

クリーク・アンド・リバー社<4763>は、プロフェッショナル(専門職)のエージェンシーとして、プロデュース事業(請負・アウトソーシング)、エージェンシー事業(派遣・紹介)、ライツマネジメント事業(知的財産の流通)の3つの事業を、クリエイティブ分野(テレビ・映画、ゲーム、Web等)を中心に医療、会計、法曹、建築、研究など15分野で展開している。グループ全体で25万人超のプロフェッショナル人材ネットワークを構築し、顧客数は2.6万社超に上る。

1. 2020年2月期第2四半期累計業績の概要
2020年2月期第2四半期累計(2019年3月−8月)の連結業績は、売上高で前年同期比11.4%増の16,512百万円、営業利益で同0.1%増の1,265百万円と半期ベースで過去最高業績を更新した。売上高はクリエイティブ分野や医療、会計・法曹分野等の既存事業が順調に拡大したほか、新規事業※も着実に伸長した。利益面では、戦略的な人員増強に伴う人件費増やグループ本社移転(2018年10月)に伴う賃借料、償却費等の増加、新規事業への投資増等により伸び悩んだが、おおむね会社計画(売上高16,400百万円、営業利益1,300百万円)どおりに推移した。ゲーム事業の子会社である(株)クレイテックワークスで配信を予定していたスマートフォン向け芸術家育成ゲーム「パレットパレード」のリリースが2019年9月にずれ込んだ影響で計画比約50百万円の減益要因となったことが、営業利益の下振れ要因となっている。

※新規事業には、クリエイティブ分野の新規エージェンシー(舞台芸術、リサーチャー)、新規サービス(ドローン、プロフェッショナル語学)、医療分野の新規事業(M&A・事業承継、広告事業)、投資段階のグループ子会社((株)プロフェッショナルメディア、(株)VR Japan、エコノミックインデックス(株)、(株)Idrasys)が含まれる。


2. 2020年2月期業績見通し
2020年2月期は、売上高で前期比11.6%増の33,000百万円、営業利益で同48.8%増の2,350百万円と期初計画を据え置き、2期ぶりに過去最高業績を更新する見通しだ。プロフェッショナル人材に対する需要は引き続き旺盛で、第3四半期以降も順調な売上成長が見込まれる。特に、Web分野で大型案件の売上計上が予定されているほか、医療、会計・法曹分野についてもグループ本社を集約化した効果が営業面で出始めている。ゲーム分野でも新規タイトルが下期に入ってリリースされており、利益貢献が見込まれる。VR分野では4K高精細ディスプレイを搭載した一体型VRゴーグル「IDEALENS K4」の販売を9月から開始しており、企業や医療分野における教育用ツールとして需要拡大が期待される。利益率の上昇要因は、既存事業における増収効果に加えて新規事業の収益改善が進むこと、前期に計上したグループ本社移転に伴う一時費用がなくなること(賃借料の増加等と相殺して1.4億円の増益要因)、前期に計上した賞与引当金及び退職給付債務の計上方法変更に伴う一時費用1.0億円がなくなることなどによる。

3. 今後の成長戦略
同社は長期目標として売上高1,000億円、営業利益100億円を掲げている。グループで25.8万人を超えるプロフェッショナル人材の提供(請負・派遣・紹介)だけにとどまらず、今後はこれら人材ネットワークを基盤として、AIやVRといった先進技術を活用した高付加価値サービス(知財サービス)を組み合わせ、事業領域を拡大していくことによって売上成長と収益性向上を図っていく方針だ。事業領域としては現在の15分野を50分野に、また、プロフェッショナル人材のネットワークは150万人規模に拡大していくことを目標としている。なお、AIやVR等の新規サービスを展開する子会社については株式上場を目指しており、上場で得た資金はグループ事業の投資並びに新たなM&A資金として活用していく戦略となっている。

■Key Points
・25.8万人超のプロフェッショナル人材ネットワークを構築、2.6万社の顧客にサービス提供
・クリエイティブ分野に加えて、医療、会計・法曹分野でも2ケタ増益を見込む
・プロフェッショナル人材エージェンシーからプロフェッショナル知財エージェンシーへと展開し、売上高1,000億円、営業利益100億円を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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配信元: フィスコ

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