【来週の注目材料】ドラギ総裁最後のECB理事会

著者:MINKABU PRESS
投稿:2019/10/19 17:25
 今月末で任期満了となるドラギECB総裁。17日、18日のEU首脳会合でラガルド前IMF専務理事(元フランス財務相)の次期総裁就任が正式に決定し、11月11日より新しい体制になります。

 24日のECB理事会は、ドラギ総裁にとって最後の理事会となります。前回の理事会で3年半ぶりの中銀預金金利の引き下げという形での利下げ、昨年12月で終了した量的緩和の再開、フォワードガイダンスの見直しなど包括的な金融緩和の実施が決定。今回は前回決定のすぐ後ということもあり、現状維持が見込まれています。

 注目は声明とドラギ総裁にとって最後の会見となります。
 
 前回の包括的金融緩和については、10日に発表された議事要旨において、反対意見が多数出ていたことが明らかになっています。量的緩和再開については6名のECB専務理事のうち2名が反対。各国の中銀総裁含む理事会メンバーの1/3が利下げに慎重姿勢という状況となっていました。
 その後もドイツやオーストリアの中銀総裁から現行の政策に反対姿勢が示されるなど、意見の対立が鮮明となっています。
なお、比較的タカ派的な意見が強いドイツ、オーストリア、オランダなどだけでなく、フランスも同国出身のクーレ専務理事が量的緩和再開に反対するなど、緩和拡大には慎重姿勢を示していました。しかし、同国のビルロワドガロー中銀総裁が18日、意見の対立は過去のもの、ユーロ圏全域で緩和政策を支援していこうという姿勢を示すなど、前向きな動きも見られます。

 こうした状況を受けて、ドラギ総裁が自身最後の理事会を、またその任期中の金融政策を、どのように振り返り、ラガルド次期総裁にバトンタッチするのかが注目されるところです。

MINKABU PRESS 山岡和雅

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