[資源・新興国通貨7/29~8/2の展望]トルコ中銀が4.25%の大幅利下げを決定

著者:八代 和也
投稿:2019/07/26 15:41

豪ドル

豪ドル/米ドル(日足。2018/10/30-)
豪州の4-6月期CPI(消費者物価指数)が7月31日に発表されます。その結果が豪ドルの動向に影響を与える可能性があります。

RBA(豪中銀)は6月と7月の2カ月連続で利下げを実施。市場はいずれ追加利下げが行われると見ており、その時期は11月との見方が有力です。ただ、4-6月期のCPIが弱い結果になれば、8月6日の次回会合での利下げ観測が高まって豪ドルが下落する可能性があります。CPIは総合指数のほか、基調インフレ率も注目です。市場は8月に利下げが行われる確率を約28%(据え置きは約72%)織り込んでいます。

米国と中国の閣僚級による通商協議が7月30-31日に上海で行われます。その結果が豪ドルの材料になる可能性があります。通商協議に進展がみられれば、豪ドルにとってプラス材料と考えられます。

豪ドル/米ドルは200日移動平均線近辺で反落する展開が続いており、今回の反発局面もそれに上値をいったん抑えられました。そのため、市場では200日移動平均線(7/25時点で0.70868米ドル)が上値メドとして意識されて、それに近づく場面では利益確定売り圧力が強まりそうです。

NZドル

来週(7/29の週)のNZドルは、米FOMCや米中通商協議など国外の材料に左右される地合いになりそうです。FOMCの結果を受けて米ドルが全般的に下落すれば、NZドル/米ドルは堅調に推移し、0.67865米ドル(7/19高値)に接近、あるいは上回る可能性もあります。米ドル主導の相場展開の場合、NZドル/円は明確な方向感が出にくいかもしれません(NZドル/米ドルと米ドル/円の板挟みになるため)。72円台を中心とした値動きが継続する可能性があります。

NZの6月住宅建設許可件数が7月30日に発表されます。ただ、材料としては力不足と考えられるため、NZドルに大きな反応はなさそうです。

カナダドル

主要国の中銀をみると、RBNZ(NZ中銀)が5月、RBA(豪中銀)は6月と7月に利下げを行い、FRB(米連邦準備理事会)やECB(欧州中銀)も近々利下げに動く可能性があります。

それに対してBOCは政策金利を当面据え置くとみられます。カナダのインフレ率がBOCの目標中央値近辺にあることや、カナダ景気が今後持ち直すとみられるためです。

カナダの5月GDPが7月31日に発表されます。それがカナダの景気回復を示唆する結果になれば、BOCの政策金利は当面据え置きとの見方が市場で一段と高まる可能性があります。その場合、BOCと他の中銀との金融政策の方向性の違いが意識されて、カナダドルは上値を試す展開になる可能性があります。カナダドル/円の上値メドとしては、200日移動平均線(7/25時点で83.151円水準に位置)が挙げられます。なお、BOCの次回会合は9月4日です。

トルコリラ

TCMB(トルコ中銀)は7月25日の会合で、4.25%の利下げを決定。政策金利(1週間物レポ金利)を24.00%から19.75%に引き下げました。

声明では、「インフレ見通しは改善を続けている」と指摘。「内需の状況や引き締め的な金融政策がディスインフレを引き続き支援している」とし、「インフレ率は4月のインフレ報告での予想を若干下回る可能性が高い」と分析。そのうえで、「インフレ見通しに影響を与えるすべての要因を考慮し、4.25%の利下げを決定した」と説明しました。

また、「持続的なディスインフレのプロセスを維持することが、ソブリンリスクの低減や長期金利の低下、力強い経済回復を達成するための鍵になる」とし、「そのためには、慎重な金融政策スタンスの継続が必要」と表明しました。

***

トルコのCPI(消費者物価指数)上昇率は2018年10月に前年比25%を超えましたが、その後は鈍化傾向にあり、2019年6月は15.72%まで低下しました。2018年夏から秋にかけてトルコリラ安が進行しました。そのベース効果によってCPI上昇率は今後一段と低下するとみられ、TCMBは年末にかけて利下げを継続する可能性が高いとみられます。

今回の利下げを受けて、市場ではTCMBの独立性をめぐる懸念が根強く残りそうです。利下げの要求に従わないチェティンカヤ総裁をエルドアン大統領が解任(7/6)した直後の会合で、TCMBが大幅な利下げに踏み切ったためです。今回の会合の議事録が7月31日に公表されます。その内容次第では、TCMBの独立性をめぐる懸念からトルコリラに下押し圧力が加わる可能性があります。

南アフリカランド

南アフリカランド/円(日足。2019/3/25-)
格付け会社のムーディーズは7月25日、南アフリカ政府がエスコム(国営電力会社)に対する追加支援(590億ランド)を議会に提案したことについて、「国の信用力にネガティブに働く」との見方を示しました。

ムーディーズにおける南アフリカの格付け(外貨建て長期債務)は“Baa3(投資適格級最低)”。S&Pとフィッチではいずれも“ジャンク(投機的等級)”のため、もしムーディーズが格下げすれば、南アフリカは3大格付け会社のすべてで“ジャンク”になります。

<3大格付け会社の南アフリカの格付け>
・S&P:BB(投資適格級から2つ下)
・ムーディーズ:Baa3
・フィッチ:BBプラス(投資適格級から1つ下)

市場では、南アフリカの格付けをめぐる懸念が再燃する可能性があり、その場合には南アフリカランドは上値が重い展開になりそうです。ランド/円は200日移動平均線を超えられない状態が続いているため、テクニカル面からも“売り圧力”が強まる可能性があります。

メキシコペソ

メキシコペソ/円(日足。2019/3/25-)
米国は6月7日、メキシコと不法移民対策で合意し、対メキシコ関税の発動を“期限を設けずに延期”しました。

その時の合意では、「45日間経過後に、米国はメキシコの不法移民対策の中間評価を行う」とされており、今週月曜日(7/22)が合意から45日後。中間評価の結果は今後明らかになるとみられます。

「米国は、合意から90日間で関税を発動するかどうかの結論を出す」としています。米国が対メキシコ関税を発動する可能性は残っているものの、中間評価で前向きな評価が下されれば、メキシコペソにとってプラス材料になりそうです。

市場では、BOM(メキシコ中銀)が9月にも利下げを行うとの観測があります。7月24日に発表されたメキシコの7月前半のCPI(消費者物価指数)は、その観測を補強する内容でした。結果は総合指数が前年比+3.84%、コア指数は同+3.81%と、いずれも6月前半の+4.00%、+3.87%から上昇率が鈍化。BOMのインフレ目標(+3%。2~4%が許容レンジ)の上限から若干遠ざかりました。

4-6月期のGDP速報値が7月31日に発表されます。GDPでメキシコ景気の落ち込みが改めて確認された場合、9月の利下げ観測が一段と高まるだけでなく、8月15日の次回会合での利下げ観測が浮上する可能性もあります。

日足チャートをみると、メキシコペソ/円は約2カ月にわたり、おおむね5.5000~5.7000円のレンジで上下動を繰り返しています。そのため、レンジの下限に近づく場面では“押し目買い”が出やすく、上限に近づく場面では“売り圧力”が強まりやすいとみられます。

レンジの上下いずれかを抜けるためには、強い材料(BOMの利下げが現実味を帯びるなど)が必要と考えられます。“もみ合いの期間”が長くなっているだけに、レンジを抜けた場合、その方向に勢いが強まる可能性はあります。5.451円(6/4安値)を下回る、あるいは5.830円(5/22高値)を上回った場合に要注意です。
八代 和也
マネ―スクエア シニアアナリスト
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