FJネクスト Research Memo(1):「ガーラ」ブランドによる資産運用型マンションを展開

配信元:フィスコ
投稿:2019/07/19 15:01
■要約

1. 会社概要
FJネクスト<8935>は、東京都心を基盤とした資産運用型マンション「ガーラマンションシリーズ」、ファミリー向けマンション「ガーラ・レジデンスシリーズ」の開発及び販売を主力事業としている。また、販売した物件を中心に不動産管理事業も手掛けている。デザイン性や安全性、快適性など、居住者目線に立った企画・開発により高い入居率を確保していることが「ガーラ」ブランドの価値を高めており、首都圏ではトップの販売実績を誇る。将来の年金受給に対する不安や相続税対策という新たな課題を抱える個人からの購入需要も底堅く、同社の業績は順調に拡大している。

2. 2019年3月期決算の概要
2019年3月期の業績は、売上高が前期比21.7%増の81,516百万円、営業利益が同39.4%増の10,093百万円と期初予想を上回る増収増益となり、過去最高業績を更新した。好調な外部環境を追い風として、「不動産開発事業」、「不動産管理事業」、「建設事業」がそれぞれ伸長。特に、マンション販売戸数の増加による「不動産開発事業」の拡大が増収に大きく寄与した。利益面でも、土地仕入価格や建築費が高止まりするなかで、増収効果により営業利益率も大幅に改善している。また、今後の業績の伸びに影響するたな卸資産についても、採算性を重視した用地仕入れを継続しながら、前期末比22.7%増の52,128百万円と順調に積み上げることができた。

3. 2020年3月期の業績予想
2020年3月期の業績予想について同社は、売上高を前期比10.4%増の90,000百万円、営業利益を同9.0%増の11,000百万円と増収増益により、2期連続で過去最高業績を更新する見通しである。すべての事業が好調に推移するなかで、引き続き、「不動産開発事業」の拡大が業績の伸びをけん引する。利益面では、土地仕入価格の上昇や建築費の高止まり等を保守的に見積もり、営業利益率はほぼ横ばいで推移するものの、増収により増益を確保する想定となっている。また、配当についても、利益成長と配当性向の引き上げにより前期比12円増(普通配当ベース)の大幅な増配を予定している。

4. 成長戦略
同社は、資産運用型マンション事業を通じて、人口回帰の進む都心エリアへの良質な賃貸住宅の提供、並びに一般サラリーマン向けを中心とした長期的な資産運用機会の提供など、社会的意義を担うことにより持続的な成長を実現する方針である。最近では、大手デベロッパーが資産運用型マンションへ参入する動きが見られ、土地仕入れを含めた競合激化を懸念する声もあるが、別の見方をすれば、それだけ魅力的な市場として認知されてきたことの証左とも言える。大手参入により業界の認知度や活性化が進めば、ニッチトップとして培ってきたノウハウや情報力などで優位に立つ同社にとっては、市場全体の発展を自らの成長に結び付けるチャンスとなる可能性が高いと考えられる。

■Key Points
・2019年3月期は期初予想を上回る増収増益により、過去最高業績(売上高は4期連続)を更新
・人口回帰の進む首都圏の賃貸需要拡大に加え、資産運用手段としての認知度向上が同社成長を後押し
・2020年3月期も増収増益を継続するとともに、利益成長と配当性向の引き上げにより大幅な増配を計画
・今後も市場全体の発展を自社の成長に結び付けるニッチトップの戦略を推進する方針

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)

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配信元: フィスコ

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