■要約
ランドコンピュータ<3924>は、半世紀近い社歴を持つ独立系中堅システムインテグレータ。超スマート社会「Society5.0」に向かい、IoT(Internet of Things)やビックデータ、AI(人工知能)などの新技術が大きな社会変革をもたらすと予想されるなか、中長期的にITサービスの需要増加が期待されるものの、厚生労働省が2019年5月に調査した「労働者過不足判断D.I.」によれば、情報通信業は56と人手不足感が強かった。
1. 人財管理本部を新設
同社は2019年4月に人財管理本部を新設し、人財開発統括部に「人財開発センター」と「パートナー推進室」を設置した。人財開発に当たっては、所属部署だけでなく、等級や人間性などで横串的に見ている。また、協力会社の規模では独自の研修が困難であることから、新入社員向けだけでなくリーダー研修も同社と合同で行う配慮をしている。コアビジネスパートナーのスキルアップと連帯感を高めている。
2. 2019年3月期の業績と2020年3月期予想
2019年3月期の業績は、売上高が前期比10.9%増の8,056百万円、経常利益が同32.1%増の585百万円であった。期初予想との比較では、売上高が3.2%増にとどまったものの、経常利益が24.1%増と大きく上回った。前期は不採算プロジェクトが複数発生して利益水準を低下させたが、当期は1件にとどめることに成功、利益面での変化率が大きくなった。
2020年3月期通期予想は、売上高が前期比6.1%増の8,550百万円、経常利益が同5.9%増の620百万円となる。新卒採用、人財開発、新技術の習得、新規事業育成などの先行負担により、ほぼ増収率並みの増益率を予想している。
3. ビジネスインキュベーション推進室による新規事業の創出
2018年4月に「ビジネスインキュベーション推進部」を設立し、従来の延長上にない新規事業の創出に注力し始めた。また、アプリケーション開発推進室を中心に、IoT、AI、ブロックチェーンなどの新しいデジタル技術の習得に努めている。AIに関しては、チャットボット関連の自然言語分析に続き、医療用画像診断、産業用ロボットや物流設備における自動仕分けに画像認識技術を応用する。「Society 5.0」に向かい、事業環境の変化が加速していることから、アジャイル開発※のニーズが高まっており、技術習得のため1週間通しの研修を複数回行っている。
※アジャイル(Agile)が「すばやい」「俊敏な」という意味から派生した、ソフトウェア開発における開発手法のひとつ
■Key Points
・人財開発統括部に「人財開発センター」と「パートナー推進室」を設置
・2020年3月期は、先行投資をしつつ、増収増益を維持へ
・新規事業に向けて「ビジネスインキュベーション推進室」を設立
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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ランドコンピュータ<3924>は、半世紀近い社歴を持つ独立系中堅システムインテグレータ。超スマート社会「Society5.0」に向かい、IoT(Internet of Things)やビックデータ、AI(人工知能)などの新技術が大きな社会変革をもたらすと予想されるなか、中長期的にITサービスの需要増加が期待されるものの、厚生労働省が2019年5月に調査した「労働者過不足判断D.I.」によれば、情報通信業は56と人手不足感が強かった。
1. 人財管理本部を新設
同社は2019年4月に人財管理本部を新設し、人財開発統括部に「人財開発センター」と「パートナー推進室」を設置した。人財開発に当たっては、所属部署だけでなく、等級や人間性などで横串的に見ている。また、協力会社の規模では独自の研修が困難であることから、新入社員向けだけでなくリーダー研修も同社と合同で行う配慮をしている。コアビジネスパートナーのスキルアップと連帯感を高めている。
2. 2019年3月期の業績と2020年3月期予想
2019年3月期の業績は、売上高が前期比10.9%増の8,056百万円、経常利益が同32.1%増の585百万円であった。期初予想との比較では、売上高が3.2%増にとどまったものの、経常利益が24.1%増と大きく上回った。前期は不採算プロジェクトが複数発生して利益水準を低下させたが、当期は1件にとどめることに成功、利益面での変化率が大きくなった。
2020年3月期通期予想は、売上高が前期比6.1%増の8,550百万円、経常利益が同5.9%増の620百万円となる。新卒採用、人財開発、新技術の習得、新規事業育成などの先行負担により、ほぼ増収率並みの増益率を予想している。
3. ビジネスインキュベーション推進室による新規事業の創出
2018年4月に「ビジネスインキュベーション推進部」を設立し、従来の延長上にない新規事業の創出に注力し始めた。また、アプリケーション開発推進室を中心に、IoT、AI、ブロックチェーンなどの新しいデジタル技術の習得に努めている。AIに関しては、チャットボット関連の自然言語分析に続き、医療用画像診断、産業用ロボットや物流設備における自動仕分けに画像認識技術を応用する。「Society 5.0」に向かい、事業環境の変化が加速していることから、アジャイル開発※のニーズが高まっており、技術習得のため1週間通しの研修を複数回行っている。
※アジャイル(Agile)が「すばやい」「俊敏な」という意味から派生した、ソフトウェア開発における開発手法のひとつ
■Key Points
・人財開発統括部に「人財開発センター」と「パートナー推進室」を設置
・2020年3月期は、先行投資をしつつ、増収増益を維持へ
・新規事業に向けて「ビジネスインキュベーション推進室」を設立
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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