【これからの見通し】ドル円107円台半ばの攻防に、米債利回り低下一服と株安

著者:MINKABU PRESS
投稿:2019/06/26 15:44
【これからの見通し】ドル円107円台半ばの攻防に、米債利回り低下一服と株安

 昨日のNY市場では米債利回りの低下が一服した。ハト派とみられているブラード・セントルイス連銀総裁が、次回のFOMCでは50bpの利下げは不要と述べたことに反応していた。パウエルFRB議長とともに市場の行き過ぎた利下げ観測に水を差した格好だった。これを受けて昨日のNY株式市場では売りが強まっていた。

 今日の東京市場では米10年債利回りが2%の節目水準を上回り、ドル円は107円台前半から半ばへと水準を上げた。ただ、現時点での高値は107.50レベルまでに抑えらえている。市場筋によるときょうのNYカットで107.00から107.50レベルにかけてかなりの規模のオプション期限の設定があるという。上値を抑える一因となっている。ただ、ユーロドルやポンドドルなどは前日から引き続き上値が重くなっており、ドルの買戻し圧力がみられている。この後の海外市場で、ドル円は107.50レベルをめぐる攻防となりそうだ。

 今日発表される経済指標は米国関連が中心となる。MBA住宅ローン申請指数(21日までの週)、米耐久財受注・速報値(5月)、米卸売在庫・速報値(5月)、米週間石油在庫統計などの発表が予定されている。耐久財受注は月次の変動が大きいことで知られる指標だが、今回の予想は前月比-0.2%、輸送除くコア+0.1%と比較的小幅の変動にとどまる見込み。

 米石油施設の火災による閉鎖報道を受けてNY原油先物が59ドル台に上伸しており、きょうの米週間在庫統計に対する反応も神経質さを増しそうだ。イラン情勢の緊迫が相場を押し上げてきており、急ピッチの上昇は各国経済に不安定さをもたらす面も指摘されよう。
 
 このあとのロンドン・欧州市場では目立った経済指標発表は予定されていない。カーニー英中銀総裁など英MPCメンバーらが議会証言を行う予定となっており、インフレ見通しなどについての見方が注目されそうだ。発言関連では、メルシュECB理事の講演が予定されている。

 NY市場では、上記の経済指標のほかに、デイリー・サンフランシスコ連銀総裁の講演や米2年変動利付債および米5年債入札が予定されている。

minkabu PRESS編集部 松木秀明

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