【IRアナリストレポート】チェンジ(3962)

著者:鈴木 行生
投稿:2019/06/19 22:14

~NEW-ITでビジネスフロントの革新とパブリテックをリード~

【ポイント】
・長期ビジョンと中期3ヵ年計画が5月に公表された。日本のDX(デジタルトランスフォーメーション)市場において、リーダーの地位を確立することを掲げた。第1フェーズの3ヵ年では、2021年9月期で営業利益47億円(売上高営業利益率30%)を目指す。実行戦略が明快なので、勝算は十分にあろう。

・昨年11月末にふるさと納税サイトでNo.1のトラストバンクを買収した。全国の自治体に圧倒的なネットワークを有する。ここと連携してパブリテック(パブリックセクターのNew-IT)を推進する。収益性は高いので、今後への期待は大きい。

・買収金額48億円(持株比率60.11%)は全額借入で賄ったが、5月に公募増資を実施し、42億円を調達した。これによって20%を下回っていた自己資本比率は50%まで改善しよう。ファイナンス資金は、デジタル人材の獲得と育成、新製品・新サービス開発投資、次の投資事業、借入金の返済などに活用されよう。

・買収に伴い、2019年9月期のセグメントは、(1)NEW-ITトランスフォーメーション事業、(2)投資事業に加えて、(3)パブリテック事業(トラストバンク+公共×IT)が加わった。既存分野では、AI(人工知能)、RPA(ロボットによる業務自動化)、VR(仮想現実)、モバイルなどの活用が意欲的に展開されている。働き方改革を推進するIT活用も次々と実績を上げている。これによって顧客の事業現場に革新を起こすビジネスモデルを推進している。

・チェンジの経営の特長は、(1)経営スピードの速さ、(2)フラッグシップモデル戦略、(3)パートナー戦略、(4)ユースケース開発力にある。業界のトップクラスに食い込み、大手の SI(システムインテグレーター)と組んで、新しいビジネスを創っていく。そのために独自のライブラリを作り、全社員が共有できるようにしている。ここが競争力の源泉である。

・業績は極めて好調で、大幅なピーク利益の更新が続こう。M&Aの効果はこれから本格化してこよう。企業規模が断層的に拡大してくる。IFRS(国際会計基準)に基づく連結も準備中である。公募増資で株価は下落したが、業績の拡大と共にROEも大きく好転してこよう。企業価値として、時価総額1000億円は十分達成できるので、大いに注目したい。

目 次
1.特色 New-ITトランスフォーメーションを推進
2.強み 独自のフラッグシップ型価値創造モデル
3.大型M&A トラストバンクの買収でパブリテックを急展開
4.中期経営計画 DX(デジタルトランスフォーメーション)で日本のリーダーを目指す
5.ファイナンス 公募増資で自己資本を充実、次の展開へ
5.当面の業績 好調を持続し、ピーク利益を断層的に拡大
7.企業評価 M&Aのシナジーは十分見込める

チェンジ <3962>
企業レーティング
株価
(2019年6月19日)
2766円
時価総額 433億円
(15.6512百万株)
PBR 16.8倍
ROE 11.8%
PER 76.0倍
配当利回り 0.0%
総資産 8522百万円
純資産 2307百万円
自己資本比率 19.7%
BPS 164.5円
(百万円、円)
決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益 EPS 配当
2012.3 973 89 87 15 1.4 0
2013.3 915 107 103 -51 -4.8 0
2014.3 1029 120 119 32 3.2 0
2014.9 711 74 74 43 4.2 0
2015.9 1400 134 137 82 7.8 0
2016.9 1550 186 175 118 10.6 0
2017.9 1980 331 325 229 17.9 0
2018.9 2604 513 513 343 25.7 0
2019.9(予) 7500 1450 1320 520 36.4 0
2020.9(予) 11000 2300 2300 1000 63.9 0

(2019.3ベース)
(注)ROE、PER、配当利回りは今期予想。2014.9期は決算期変更で6か月ベース。2016年7月末1:300、2018年6月末1:2、2018年12月末で1:2の株式分割を実施。それ以前のEPSは修正ベース。2018.9期までは単体、今2019年9月期より連結ベース(日本基準)。IFRS(国際会計基準)への移行を準備中。
 
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。

レポート全文はこちらから
http://www.belletk.com/Change201906.pdf
 

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配信元: みんかぶ株式コラム

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