とれんど捕物帳 「セルインメイ」は相変わらず続いている模様
今週のドル円は一旦110円台半ばまで上昇したものの、週後半になって109円台に失速している。米中貿易問題を材料にした日替わり相場といった様相で、「セルインメイ」は相変わらず続いていているようだ。米中要人の発言や報道に振り回される展開だが、先週も述べたとおり、この問題は経済面だけではなく、覇権争いの面も過分にあるので、一朝一夕には解決することはないと見ている。
昨年7月から始まった関税引き上げ合戦だが、一部の企業には影響が出ているものの、インフレや米消費など米経済全体にはいまのところ、大きな影響は出ていないようだ。インフレに至っては逆に低下して困っているくらいで、関税分を中国企業が負担している可能性が高い。
この手は仕掛けるほうが有利だ。自らも身を切るので、前もって十分戦略が練られて事に臨んでいる可能性が高い。ただ、中国側も面子があるだろうから簡単には引かない。次のメドは6月に大阪で開催されるG20サミットでの米中首脳の動向となりそうだ。それまでは要人発言に一喜一憂する展開も警戒されるが、そのうち市場も反応が鈍くなってくるであろう。
それ以上に米中貿易問題を材料にした日替わり相場の中で、米経済の先行き不安が再び台頭しているようだ。米10年債利回りは一時2.3%を割り込み、2017年以来の水準に下げている。足元の指標はまだ、景気後退の予兆は見られていないが、米株も5月に入って上値が重くなっており、投資家も昨年終盤の急落が頭を過ぎるのであろう。かなり慎重になっている気配もある。ただ、現状からは、それこそセルインメイの調整の範囲と見てよいであろう。破裂しそうなほどインフレも資金調達圧力も高まっていない。
さて来週だが、取りも直さず欧州議会選挙の結果を確認したいといったところだろう。右派の躍進が伝えられているが、EU懐疑論や財政規律見直しの機運が高まりそうな結果であれば、ユーロを圧迫する可能性もありそうだ。また、メイ英首相が6月7日の退陣を表明した。次の首相選びに入ることになりそうだが、ジョンソン前外相などが手を挙げているようだ。ジョンソン氏のようなEU離脱強硬派が首相に就任するようだと、合意なき離脱のリスクへの警戒感は払拭されず、ポンドの圧迫要因となりそうだ。今週のポンド相場はそれこそ、セルイン“メイ”といった展開で、下げ過ぎ感は十分に出ているものの、来週も反転のきっかけは掴みづらそうだ。
人民元への下げ圧力も想定される中、結局、消去法的にドル買いという展開も想定される。ただ、米中問題を材料に調整が続くようであれば、その限りでもないが、米連休を境にセルインメイは沈静化して行くものと期待している。来週のドル円の予想レンジとしては、109.00~111.00円を想定。トレンドは下のままだが、スタンスは「中立」を継続。
()は前週
◆ドル円(USD/JPY)
中期 下げトレンド継続
短期 ↓↓↓(↓↓↓)
◆ユーロ円(EUR/JPY)
中期 下げトレンド継続
短期 ↓↓↓(↓↓↓)
◆ポンド円(GBP/JPY)
中期 下げトレンド継続
短期 ↓↓↓(↓↓)
◆豪ドル円(AUD/JPY)
中期 下げトレンド継続
短期 ↓↓↓(↓↓↓)
◆ユーロドル(EUR/USD)
中期 下げトレンド継続
短期 ↓(→)
◆ポンドドル(GBP/USD)
中期 下げトレンド継続
短期 ↓↓(→)
minkabu PRESS編集部 野沢卓美
昨年7月から始まった関税引き上げ合戦だが、一部の企業には影響が出ているものの、インフレや米消費など米経済全体にはいまのところ、大きな影響は出ていないようだ。インフレに至っては逆に低下して困っているくらいで、関税分を中国企業が負担している可能性が高い。
この手は仕掛けるほうが有利だ。自らも身を切るので、前もって十分戦略が練られて事に臨んでいる可能性が高い。ただ、中国側も面子があるだろうから簡単には引かない。次のメドは6月に大阪で開催されるG20サミットでの米中首脳の動向となりそうだ。それまでは要人発言に一喜一憂する展開も警戒されるが、そのうち市場も反応が鈍くなってくるであろう。
それ以上に米中貿易問題を材料にした日替わり相場の中で、米経済の先行き不安が再び台頭しているようだ。米10年債利回りは一時2.3%を割り込み、2017年以来の水準に下げている。足元の指標はまだ、景気後退の予兆は見られていないが、米株も5月に入って上値が重くなっており、投資家も昨年終盤の急落が頭を過ぎるのであろう。かなり慎重になっている気配もある。ただ、現状からは、それこそセルインメイの調整の範囲と見てよいであろう。破裂しそうなほどインフレも資金調達圧力も高まっていない。
さて来週だが、取りも直さず欧州議会選挙の結果を確認したいといったところだろう。右派の躍進が伝えられているが、EU懐疑論や財政規律見直しの機運が高まりそうな結果であれば、ユーロを圧迫する可能性もありそうだ。また、メイ英首相が6月7日の退陣を表明した。次の首相選びに入ることになりそうだが、ジョンソン前外相などが手を挙げているようだ。ジョンソン氏のようなEU離脱強硬派が首相に就任するようだと、合意なき離脱のリスクへの警戒感は払拭されず、ポンドの圧迫要因となりそうだ。今週のポンド相場はそれこそ、セルイン“メイ”といった展開で、下げ過ぎ感は十分に出ているものの、来週も反転のきっかけは掴みづらそうだ。
人民元への下げ圧力も想定される中、結局、消去法的にドル買いという展開も想定される。ただ、米中問題を材料に調整が続くようであれば、その限りでもないが、米連休を境にセルインメイは沈静化して行くものと期待している。来週のドル円の予想レンジとしては、109.00~111.00円を想定。トレンドは下のままだが、スタンスは「中立」を継続。
()は前週
◆ドル円(USD/JPY)
中期 下げトレンド継続
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◆ユーロ円(EUR/JPY)
中期 下げトレンド継続
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◆ポンド円(GBP/JPY)
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◆豪ドル円(AUD/JPY)
中期 下げトレンド継続
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◆ユーロドル(EUR/USD)
中期 下げトレンド継続
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◆ポンドドル(GBP/USD)
中期 下げトレンド継続
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minkabu PRESS編集部 野沢卓美
このニュースはみんかぶ(FX/為替)から転載しています。
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