国税庁と麻生財務相、「法律上、暗号資産は“雑所得”」—藤巻議員の質問に回答【フィスコ・ビットコインニュース】

配信元:フィスコ
投稿:2019/05/14 18:45
参議院議員(日本維新の会)の藤巻健史氏は、14日に行われた参議院財政金融委員会で、国税庁や麻生太郎財務相に対し、仮想通貨(暗号資産)の税制について質問したことが、一部報道により明らかとなった。

藤巻氏は、9日に行われた同委員会で、黒田東彦日銀総裁に対して、「暗号資産をどう考えるか」といった質問を行った際、黒田日銀総裁が「暗号資産は法定通貨ではなく、現状支払い決済には使われておらず、ほとんどが投機の対象」と答えたことに言及。これはつまり、黒田日銀総裁は「暗号資産は値上がり益を目的とした資産である」と認識していると捉えられると指摘し、「損益通算のできる20%の源泉分離課税、とするのが合理的ではないか」と意見したという。

これに対し、主税局長は「名称を“仮想通貨”から“暗号資産”に変更するが、定義が変更されるものではない」として、「資金決済法上、対価の弁済のために不特定の者に対して使用することができる財産的価値として規定される」、「消費税法上も、支払い手段として位置付けられる」と答えた。そして、「現行の“雑所得”としての取り扱いを変更する必要はない」との見解を示したようだ。

国税当局は、「暗号資産は資産ではあるが、譲渡所得の起因となる資産には該当しない」と話し、麻生財務相も「暗号資産に活用されているブロックチェーン技術はフィンテック分野での可能性が大きい」とする一方で、「株式の分離課税は、所得税の再分配機能を一定程度損なったとしても、家計の株式等への投資を後押しする“貯蓄から投資”という政策的要請を前提としたものであるため、これと暗号資産を同列に扱うことは難しいのではないか」と述べたと報じられている。

藤巻氏は「事実上、支払い手段としては使用されていないのだから、実態に即して税制を変更するのが、国が行うべきことではないか」、「租税法の最高権威者が“暗号資産は譲渡所得になり得る”との学説も提唱しており、日本が他国と比較して不利な税制に留めておくのは、将来のためにも合理的ではない」などと意見を述べたとみられている。

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