◎〔週間外為見通し〕「令和元年・増税延期」を考察する局面=岡三オンライン・武部氏

投稿:2019/04/26 16:33
 岡三オンライン証券投資情報部長兼シニアストラテジスト・武部力也氏 「6月の数字(日銀短観7月1日発表)をよく見てですね、これはまた本当に、この先は危ないぞ、というところが見えてきたら、崖に向かって皆を連れて行くわけにはいかないんで」−。これは4月18日の自民党・萩生田幹事長代行の発言だ。筆者は、タイミング良くLIVE視聴していたのだが、「やめるとなれば国民の皆さんに了解を得る、信を問う」とも発言。個人見解と言えども、安倍首相の側近とされる与党幹部が消費増税延期と夏の衆参ダブル選挙の可能性を示唆した場面だった。永田町関係者によると、安倍政権下において当初予定の2015年10月、2017年4月の消費増税が2回も延期された経緯から、「二度あることは三度ある…」とした増税延期・衆参ダブル選挙のシナリオが流布されはじめたようだ。
 ◇増税延期は円に影響するのか
 永田町では“萩生田発言”は政局を読んだガス抜き、アドバルーン観測、との見方もあり、自民党・二階幹事長、菅官房長官も突き放したようにも映る。では、増税延期は円に影響するのか。増税延期となった場合の筆者推考は4点。(1)消費増税による価格転嫁での消費者物価押し上げ期待の剥落、(2)増税断行を掲げてきた麻生財務相の立場(“閣内不一致”“安倍政権の求心力低下”)、(3)日本政府が2025年度に国と地方の基礎的財政収支を黒字化させる目標を掲げているなかで、延期・未達に対する党内財政規律派や経団連などからの反発、(4)財政健全化を掲げる日本の増税延期に対し、日本国債への格付け見直しの恐れ―などが挙げられよう。直接的に円に影響するのは(4)か。債務残高を抱える日本が増税延期を決めれば、財政規律弛緩→日本国債格付け引き下げ、とした図式が浮かぶ。日本の金融機関が大量に日本国債を保有する中では、格付け引き下げは日本の金融機関に対する信用力低下を意味する。為替市場ドル円取引とはドルと円を交換するわけであり、円を売ってドルを買う、とした場合はドルの調達コスト上昇、いわゆる1990年代の「ジャパン・プレミアム」を思い起こすにたやすい。不本意なドル高・円安浮揚力、となろうか。
 ただし、5月1日米連邦公開市場委員会(FOMC)など、ハト派的緩和志向の高まりはドル高抑制につながりやすく、一方で増税延期≒景気後退懸念≒日銀追加緩和断行、とした動きも強まるようだと、「ドル売り・円売り」、とした以前と同じシナリオに戻るオチも併せ持っておく必要がありそうだ。
 ◇4月29日週・5月6日週ドル円焦点
 上値焦点は4月18日高値112円41銭、昨年12月20日高値112円61銭5厘、12月19日高値112円67銭、12月18日高値112円86銭5厘。節目113円00銭を超えれば12月17日高値113円53銭、12月13〜14日高値圏113円69〜72銭意識。下値焦点は200日線(111円50銭近傍)、111円00銭が割れると4月10日安値110円83銭、日足一目均衡表雲上限(110円80銭)近傍、4月1日安値110円79銭5厘、3月29日安値110円53銭が意識されると推考。
【予想レンジ】ドル円:110円50銭〜113円00銭(了)
[時事通信社]
配信元: 時事通信社
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