きょうもドル買い優勢でユーロ売り加速 ドル円は111円台後半での推移続く=NY為替前半

著者:MINKABU PRESS
投稿:2019/04/25 02:40
 きょうのNY為替市場もドル買いが優勢となっている。ただ、ドル円の上値は依然として重く、直ぐに戻したものの、一時111.70円近辺まで下落する場面が見られた。特に売り材料は見当たらないが、上値が重かったことから、ロング勢のまとまった売りが入ったものと思われる。FXトレーダーからすれば、明日にロングポジションを持ち越せば、大型連休で11日分のスワップが一気に付くことから、ロングが入り易い状況にはあるのだが上値が重い。

 ドル買いというよりもイースター休暇明けから欧州通貨の売りが強まっており、消去法的にドルが買われているといった雰囲気。ロンドン時間にドイツの企業景況感指標が発表になっていたが、弱い内容であった。その一方で4月に入ってからの米経済指標は好調なものが多く見受けられ、FRBの利上げ期待が再び復活するのではとの見方も出てきているようだ。このような中で、FRBとECBなど他国の中銀との格差がドル買いを呼び込んでいる模様。

 市場は今週末の米GDP速報値に注目している。好調な米経済指標の発表もあり、予想を上方修正する動きが相次いでいる。現段階の予想のコンセンサスは2.2%まで上昇しており、予想通りであれば、ここ数年弱い内容が多い第1四半期の米GDPとしてはまずまずの内容。

 ユーロドルはNY時間に入って売りが加速し1.11ドル台に再び突入。3月安値を下回り一時1.1155ドル付近まで下げ幅を広げている。この日発表のドイツのIfo景況感指標が弱い内容だったことで、ユーロ圏経済の減速懸念を高めている。指標発表後にユーロ売りが強まり、1.11ドル台に下落していたものの、買戻しも入り1.12ドル台を維持していた。しかし、NY時間に入ると再び下値攻めの展開となっている。

 ロンドン時間に発表になったIfo景況感指標を受けてドイツ10年債利回りが再びマイナス圏に低下しており、ユーロを圧迫している模様。今回のドイツの指標を受けて市場からは、ECBは次のステップを決定するのを待つ余裕はあるものの結局、次の行動は追加緩和になるとの見解も聞かれた。

 きょうはカナダ中銀の金融政策委員会の結果が発表された。政策は予想通りの据え置きとなったが、声明でこれまで維持していた利上げの文言を削除した。カナダ中銀は前回の声明で、「利上げの時期の不確実性が高まった」と言及していたが、今回はその文言が削除されている。GDP見通しも下方修正。発表直後にカナダドルは売りが強まったが、その後は買い戻しも見られている。カナダ円は一時82.70円付近まで下落した。

minkabu PRESS編集部 野沢卓美

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