今週は、22000円台回復のあと外部要因しっかりなら堅調な動きへ

著者:出島 昇
投稿:2019/04/15 18:42

先週は、週始め21900円で寄り付き、週半ば21571円まで下げ、週の終値は21870円でした

 先週の予測では、週始め年初来高値で目先目標達成し、週末のSQをにらみ上下動になるとしました。結果的には、週始めの8日(月)は△93円の21900円で寄り付き、3月4日のザラ場高値21860円を上回りましたが、ここがピークとなって▼45円の21761円で引けました。その後は、10日(水)に21571円の安値をつけてもみあいながら戻りを試す動きとなり、週末の12日(金)には円安を支えに上げ幅を拡大し、△159円の21870円となって年初来高値を更新しました。この日の4月のSQ値は21870円でしたので、ほとんど同値で引けたことになります。但し、ファーストリテイリングのみで△160円上昇しており、日経平均の実体は前日比変わらずの状態といえます。

 4月8日(月)は、前週末の欧米株高を受け、買い先行で始まり21900円で寄り付きました。ここをピークにいったんマイナスに転じるものの、上海株式の上昇を支えに小高い水準に持ち直すものの、買いが続かず昼休みに上海株式が下げに転じると日経平均も軟化して▼45円の21761円と4日ぶり反落しました。

 9日(火)は、前日のアメリカの3指標はまちまちでしたので利益確定売り先行でしたが、ナスダックは続伸したことでハイテク株中心に一時上げに転じましたが、すぐに軟調となりました。後場になると日銀のETF買い期待を支えに再びプラス圏入りし、上げ幅は限定的ならが△40円の21802円と反発して引けました。

 10日(水)は、前日のアメリカ市場が、アメリカとヨーロッパとの貿易摩擦懸念が広がり、IMFが2019年の世界経済の成長見通しを再び下方修正したことも嫌気され3指標そろって下落したことで、日経平均は売り先行で始まり、寄り付き直後に▼230円の21571円まで下げました。その後は下げ渋り後場になると日銀のETF買い期待とともに下げ幅を縮小し、▼115円の21687円と反落しました。

 11日(木)は、朝方から売り先行でもみあいが続いていましたが、見送りムードが強まる中、やや円高もあって前引けは▼59円の21627円と安値引けとなりました。しかし、後場に入ると日銀のETF買い期待や押し目を拾う動きからプラスに転じ、△23円の21711円と小反発して引けました。

 週末の12日(金)は、為替が110.95円から111円半ばへの円安を支えに△70円の21782円で寄り付き、一時、利益確定売りでマイナスとなるものの円安歩調に切り返し、後場になると大引け近くに一時△167円の21878まで上昇し、終値は△159円の21870円と続伸し、3月4日の終値での年初来高値21822円を更新しました。4月のSQ値は21870円とほぼ同値でした。

 12日(金)のアメリカ市場は、1~3月期の好決算企業の予想を上回る結果を受け、3指標そろって大きく上昇しました。JPモルガン・チェースやディズニーが急伸し、NYダウは△269ドルの26412ドルとなりました。為替は良好な中国の貿易関連指標や米金融機関の好決算を好感し、リスク選考の円売りとなり、又、予想を上回った3月輸入物価指数を受けて債権利回りが上昇し、ドルが買われる相乗効果で、1ドル=112.09円までドルが上昇しました。これを受けてシカゴの日経先物は△190円の22050円となっています。

今週は、22000円台回復のあと外部要因しっかりなら堅調な動きへ

 今週は、先週末のアメリカ市場で3指標がそろって上昇し、為替も1ドル=112円台のせとなったことでシカゴの日経先物は△190円の22050円となっており、当然22000円を回復して始まると思われます。問題はそこから上値追いができるかですが、チャートからは22200円からは上値が重くなる形です。今週は日米の新たな貿易協議や中国の経済指標が気になるところです。15日から2日間の開催でワシントンで日米の貿易交渉の初協議が行われますが、「自動車、農産品、為替問題がどのように扱われる注目」というのが市場の関心です。特にトランプ大統領は他国の為替政策を通貨安政策と批判していますので、円安にふれられると日経平均は厳しくなります。又、17日発表の中国のGDPや3月の経済統計も結果によっては売買材料となります。

 本日は、先週末の株高、円安を受け△252円の22122円で寄り付き、上海株式の上昇もあって前引け間際に△340円の22211円まで上昇しました。後場になると売り買い交錯となり高値圏でのもみあいが続き△298円の22169円で引けました。昨年の12月4日の22036円以来の22000円台となり、連日の年初来高値となりました。トピックスも△22Pの1627Pとなり、3月4日以来の年初来高値となりました。来週になると10日連休前ですので様子見となりそうですが、今週は外部要因が落ち着いていれば堅調な動きとなる可能性があります。

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(指標)日経平均

 先週の予測では、欧米の株高にサポートされて週始めは3月4日の年初来高値21860円を試す可能性があるとし、ただ、現状の市場ボリュームからは22000円水準を一気に試すには市場ボリューム不足としました。基本的に先週は内外の経済指標も多く、その影響を受けることになるとしました。

 結局、週始めの4月8日(月)に寄り付きで21900円をつけたあとは、ここがピークとなり、もみあって10日(水)には21571円まで下げ、ここからはアメリカ株式の反発や円安歩調の動きにサポートされて反発し、週末の12日(金)には円安を支えに年初来高値を更新し、△159円の21870円となりましたSQ値とほぼ同じ価格となりました。

 今週は、先週末12日(金)の半導体市況の改善期待もあって終値では約4ヶ月ぶりの高値となったものの22000円水準は大きな抵抗ゾーンであり、日米の貿易協議や中国景気の動向に影響を受けることになります。基本的に10連休を控え様子見が強い中で、15日から2日間の日米の貿易交渉は米国の日本に対する圧力次第では、下押し要因となります。17日発表の中国のGDPも中国の景気対策の効果が示されればプラス要因ですが、そうでなければマイナス要因となります。
 

 

(指標)NYダウ

 先週の予測では、注目はFOMCの議事録の内容と1~3月期の決算発表になるとし、NYダウがさらに上昇すると昨年の10月3日の史上最高値26951ドルが視野に入ってくることになるとしました。

 週前半は、トランプ大統領がEUによる航空機大手エアバスに対する補助金への対抗措置として関税措置の検討報道やIMFの2019年の世界経済の成長見通しを再び下方修正したことで、NYダウは4月9日(火)に▼190ドルの26150ドルとなりました。その後、10日(水)、11日(木)はもみあいとなっていましたが、週末の12日(金)はJPモルガン・チェースやディズニーの好決算を好感し、26436ドルまで上昇し、△269ドルの26412ドルで引けました。

 今週は、19日(金)は休日ですが、米中貿易協議は順調に進行し、英国のEU離脱問題は10月まで延期する妥協案に合意が成功したことで、政治的リスクによる相場変動は考えにくい状況となっています。又、経済指標も今のところ堅調ですので、注目は本格化する1~3月期の決算発表となります。すでに昨年の10月3日の史上最高値(26951ドル)に徐々に接近しており、26500ドル台からは上値は重くなるところです。
 

 

(指標)ドル/円

 先週の予測では、世界的な景気減速への懸念が和らいでおり、中国景気の減速懸念後退と米中通商交渉の合意も近いということで、リスク回避のドル売り・円買いは縮小し、ドルはしっかりした動きになりそうだとし、レンジを110.5~112.5円としました。

 週始めはIMFの2019年世界の成長率見通しの下方修正や10日発表の米3月消費者物価指数の予想を下回ったことで、ドル売り・円買いが強まり、一時110円台後半の円高となりました。その後はドルが買い戻され、12日(金)は中国の良好な貿易統計や米企業の好決算を好感し、又、予想を上回った米3月輸入物価指数を受け112.19円まで買われ、112.01円で引けました。

 今週は、引き続きドルは底堅い展開が想定されます。先週のFOMC議事録(3月19・20日)の要旨は、利上げ停止のスタンスにシフトしたことを示唆する内容だったことで、リスク回避的なドル売りは回避されることになります。又、今後、発表される経済指標が堅調だった場合は、リスク選考的なドル買いにふれやすくなります。ただ、今週から15~16日にワシントンで日米の貿易協議が行われますが、関税にとどまらず、トランプ政策の相手国の通貨安への反対が今回の交渉に含まれていた場合は、思惑的なドル売り・円買いの可能性もあります。
 

 

配信元: みんかぶ株式コラム