欧米為替見通し:ドル・円は上値の重い展開か、強い米経済指標を好感も米中協議を注視

配信元:フィスコ
投稿:2019/02/21 17:25
21日の欧米外為市場では、ドル・円は上値の重い展開を予想したい。米経済指標が堅調な内容となれば、根強い利上げ観測からドルの買い戻しが見込まれる。ただ、21-22日の閣僚級の米中貿易交渉の行方を見極めようと、引き続き積極的なドル買いは手控えられそうだ。

米連邦準備制度理事会(FRB)が1月29-30日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利に関し「忍耐強い」姿勢を継続する期間は目先も協議される見通しが、前日公表された議事要旨から明らかになった。市場では今年の利上げ回数についてゼロとの思惑が広がっていたが、議事要旨により利上げ休止の見方は後退。また、デイリー米サンフランシスコ連銀総裁は講演で「米国経済がリセッション入りすることを示す兆候はない」との見解を示しており、今晩発表の米国の2月フィラデルフィア連銀製造業景況指数など経済指標が堅調となれば利上げ継続思惑のドル買いが見込まれる。

今晩は欧州の製造業・サービス業PMIの発表や米トランプ政権による欧州連合(EU)への自動車関税などが材料視され、ユーロ・ドルの弱含みがドル・円を押し上げる展開を予想する。ただ、依然としてドル・円の上値の重さが意識されるだろう。FOMC議事要旨は想定ほど弱気でなかったものの、NY市場では戻りが鈍く110円90銭台には乗せられなかった。ある市場筋は、ドル・円が目先111円台を回復できるかどうかは「五分五分」と指摘。背景には20-21日開催の閣僚級の米中通商協議やブレグジットの見極め姿勢がある。特に、米中協議は期待と不安が混在し、ポジションは傾けづらいだろう。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・17:30 独・2月製造業PMI速報値(予想:49.8、1月:49.7)
・17:30 独・2月サービス業PMI速報値(予想:52.9、1月;53.0)
・18:00 ユーロ圏・2月製造業PMI速報値(予想:50.3、1月:50.5)
・18:00 ユーロ圏・2月サービス業PMI速報値(予想:51.3、1月:51.2)
・18:30 英・1月公的部門純借入額(銀行部門除く)(予想:-100億ポンド、12月:+30億ポンド)
・21:50 ボスティック米アトランタ連銀総裁講演(経済見通しと金融政策)
・22:30 米・2月フィラデルフィア連銀製造業景況指数(予想:14.0、1月:17.0)
・22:30 米・12月耐久財受注速報値(前月比予想:+1.7%、11月:+0.7%)
・22:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:22.8万件、前回:23.9万件)
・23:45 米・2月製造業PMI速報値(予想:54.8、1月:54.9)
・23:45 米・2月サービス業PMI速報値(予想:54.3、1月:54.2)
・24:00 米・1月景気先行指数(前月比予想:+0.1%、12月:-0.1%)
・24:00 米・1月中古住宅販売件数(予想:500万戸、12月:499万戸)
・07:30 ロウ豪準備銀行総裁が半期議会証言



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