エスプール Research Memo(1):障がい者雇用支援サービス等をけん引役に業績は2ケタ増収増益が続く見通し

配信元:フィスコ
投稿:2019/02/19 15:01
■要約

エスプール<2471>は、コールセンターや店頭販売支援業務等の人材派遣サービスを提供する人材ソリューション事業と、障がい者雇用支援、ロジスティクスアウトソーシングを中心としたビジネスソリューション事業を展開する。障がい者雇用支援サービスでは、企業に対して貸し農園の運営と障がい者の就職支援サービスを提供しており、2018年11月末時点で、千葉県及び愛知県で13農園を運営、186社に対してサービスを提供、1,020名の障がい者雇用を創出している。

1. 2018年11月期業績概要
2018年11月期の連結業績は、売上高で前期比26.5%増の14,797百万円、営業利益で同45.9%増の983百万円と過去最高業績を連続更新し、期初計画(売上高13,587百万円、営業利益814百万円)に対しても上回るなど好決算となった。人材アウトソーシングサービスや障がい者雇用支援サービスが好調に推移し、収益拡大のけん引役となった。人材アウトソーシングサービスでは、グループ型派遣によるコールセンター業務、及び店頭販売支援業務が好調に推移し、売上高で前期比34.4%増、営業利益で同47.6%増となった。また、障がい者雇用支援サービスについても障がい者雇用の旺盛な需要を背景に、売上高で前期比52.1%増、営業利益で同62%増と急拡大した。

2. 2019年11月期見通し
2019年11月期も人材アウトソーシングサービス、障がい者雇用支援サービスが好調を持続し、売上高で前期比15.3%増の17,066百万円、営業利益で同28.1%増の1,260百万円と2ケタ成長が続く見通しだ。前期に営業損失を計上したロジスティクスアウトソーシングも、収益改善施策の実行により黒字転換を見込んでいる。全体的に経費を保守的に見込んでいることから、売上高が計画を達成すれば利益面では増額となる可能性が高いと弊社では見ている。なお、第2四半期累計の営業利益が前年同期比0.8%増の466百万円と一時的に鈍化する見込みだが、これは利益率の高い農園設備販売が下期に集中するためだ(上期292区画、下期508区画)。ただ、2018年12月末時点で受注残は400区画を超えており、農園の新規開設が前倒しで進めば増額される可能性がある。

3. 障がい者雇用支援サービスは2ケタ成長が続く
障がい者雇用支援サービスは中期的に2ケタ成長が続き、同社の業績をけん引する見通しだ。2018年4月に障害者雇用促進法が改正され、企業における障がい者雇用率が2.0%から2.2%に引き上げられるなか(2021年4月までに2.3%に引き上げ)、知的・精神障がい者の雇用を可能とする貸し農園を活用した同社サービスに対する需要が認知度の向上もあって急速に拡大しているためだ。同事業の売上高はフロー収益(農園設備販売、人材紹介料)とストック収益(農園管理収入)に分けられる。2019年11月期の売上高は前期比26.5%増の2,508百万円(内訳はフロー収益1,204百万円、ストック収益1,077百万円)、新規農園の開設は5ヶ所、うち新規エリアとしてさいたま市への進出を予定している。2020年11月期以降は千葉、愛知、埼玉を事業エリアとして年間5〜6ヶ所のペースで農園を開設していく予定となっている。このため、ストック収益となる農園管理収入の売上高も年間5億円弱のペースで拡大していくことが見込まれる。

4. 株主還元策と市場変更申請について
2019年11月期の1株当たり配当金は記念配当3.0円も含めて10.0円と前期2倍の増配を予定している。配当方針としては従来、連結株主資本配当率で5%(当期配当金÷前期末株主資本)を目安としてきたが、2021年11月期以降は株主還元の強化に向けて見直す方向で検討を開始している。また、同社は、2019年2月に現在のJASDAQ市場から東京証券取引所市場第2部に市場変更を行っており、同市場第1部への市場変更の準備も進めている。

■Key Points
・2018年11月期業績は障がい者雇用支援サービス、人材アウトソーシングサービスの伸長により期初計画を上回る大幅増収増益を達成
・2019年11月期も2ケタ増収増益ペース、新規農園の開設時期次第で上振れする可能性も
・障がい者雇用の潜在ニーズは大きく、独自のビジネスモデルを強みに今後も高成長が続く見通し

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


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