17日の香港市場概況:ハンセン0.5%安で3日ぶり反落、不動産セクターに売り

配信元:フィスコ
投稿:2019/01/17 18:06
17日の香港市場は値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比146.47ポイント(0.54%)安の26755.63ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が43.37ポイント(0.41%)安の10512.15ポイントとそろって3日ぶりに反落した。売買代金は974億300万香港ドルにやや拡大している(16日は874億7300万香港ドル)。

ハイテク分野の米中摩擦が改めて意識される展開。米紙は16日、「米通信会社の企業秘密を盗んだ疑いで、米政府は中国通信設備メーカーの華為技術(ファーウェイ)を捜査している」と消息筋情報として報道した。近く起訴する可能性があるという。また、米議会の超党派議員は16日、米国の輸出管理法に違反した企業に対し、大統領の権限で制裁を科すことができる法案を提出したとも伝えられている。米中貿易摩擦問題の解決を目指し、両国は1月末の閣僚級協議を予定しているものの、成り行きに対する不安感が強まっている。ただ、指数は小高く推移する場面もみられた。中国の政策期待が浮上。財政部や国家発展改革委員会など中国当局が相次いで景気浮揚に言及するなか、市場では「新4兆元政策」への期待感が広がりつつある。

ハンセン指数の構成銘柄では、本土・香港の不動産株が安い。碧桂園HD(2007/HK)が3.5%、中国海外発展(688/HK)が3.2%、信和置業(83/HK)が2.9%ずつ値を下げている。アップル関連とされる光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)と小型電子部品メーカー大手の瑞声科技HD(AACテクノロジーズ・ホールディングス:2018/HK)もそれぞれ2.1%安、1.4%安と売られた。

業種別では、キャリアや設備・工事、基地局などの通信関連さえない。中国電信(728/HK)が1.7%安、中国聯通(762/HK)が1.5%安、中国移動(941/HK)が0.9%安、中興通訊(ZTE:763/HK)が3.6%安、中国通信服務(552/HK)が1.1%安、中国鉄塔(788/HK)が2.6%安で引けた。

半面、材料のある個別銘柄は物色される。炭鉱開発用重機で中国最大手メーカーの三一重装国際(631/HK)が8.0%高と急伸。同社は16日引け後、2018年12月期(本決算)の純利益が前年比で大幅に増加するとの見通しを示した。ケーブルテレビ(CATV)香港大手の有線寛頻通訊(Iケーブル・コミュニケーションズ:1097/HK)も3.5%高としっかり。同社は地方政府系メディア企業の広東広播電視網絡公司(広東広電網絡)と戦略的提携関係を結び、コンテンツ配信などで広東・香港・マカオを含む「粤港澳大湾区」を共同開拓していくと発表した。

一方、本土市場は3日ぶり反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.42%安の2559.64ポイントで取引を終えた。ハイテク株が下げを主導する。消費関連株や自動車株、医薬品株、インフラ関連株、軍需関連株、不動産株、証券株なども売られた。半面、保険株や銀行株の一角は値上がりしている。

【亜州IR】

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配信元: フィスコ