【これからの見通し】パニック売り一服も、ドル円・クロス円ともに上値が重い
【これからの見通し】パニック売り一服も、ドル円・クロス円ともに上値が重い
3日のアジア市場早朝にドル円およびクロス円が一斉にパニック売り商状となった。アップルの売上高見通しが下方修正されたことで、同社株が時間外取引で大幅安となり、リスク回避圧力が広がったことがきっかけ。さらに、薄商いの時間帯にFX投資家のマージンコールが連鎖的に発動、アルゴ取引などの観測もあって、ドル円は104.87レベルまで急落した。クロス円も急落。ユーロ円は124円近辺から一時118.71レベルまで売り込まれた。その後はドル円、クロス円ともに買戻しが急となったが、前日NY市場での円安水準には戻しきれていない。パニックの後遺症が残る不安定なマーケット状況になっている。
新年相場は波乱の幕開けとなっている。昨日は大幅安で取引を開始した米株が値を戻して引けたが、アップルの報道で時間外取引の米株先物は現在も大幅安となっている。アジア株も総じて軟調。その背景として、米中貿易摩擦への警戒感が再認識されているようだ。年末年始に発表された中国の製造業PMIはいずれも景気後退を示す50割れとなった。今日朝方のアップルの売り上げ見通しについても、中国でのアイフォーン売り上げの不振が影を落としている。また、きょうから始まる米議会ではメキシコの壁建設をめぐる予算についてトランプ政権と民主党のすり合わせが始まる。すでに米連邦政府機関の一部閉鎖は年越しとなっており、一部の米経済統計発表は予定が白紙になっている。為替相場のパニック商状は一服しているものの、きっかけがあれば再び荒れ相場となる可能性があり注意したい。
この後のロンドン・欧州市場では目立った経済指標発表は予定されていない。スイス製造業PMI,英建設業PMIなどが発表される程度。NY市場では、MBA住宅ローン申請指数(28日までの週)、ADP雇用者数(12月)、新規失業保険申請件数(29日までの週)、ISM製造業景気指数(12月)など一連の米経済指標が発表される。明日の米雇用統計発表を控えて、参考となる指標が並んでいる。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
このニュースはみんかぶ(FX/為替)から転載しています。
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