クイック Research Memo(2):高い利益率を維持しながら成長を続ける人材サービス企業

配信元:フィスコ
投稿:2018/12/14 15:12
■事業概要

1. 会社概要と沿革
クイック<4318>は、就業希望者と求人企業を結び付ける総合人材サービスを事業としている。求人広告、人材紹介、人材派遣、紹介予定派遣、業務請負という人材サービス4事業形態のほか、人事労務コンサルティングなど周辺事業も運営しており、同社と就業希望者、求人企業との接点は幅広い。なかでも、看護師や建設・プラント系エンジニアなど、労働需給がタイトになりがちな専門職の人材紹介に強みがあり、「看護roo!」など同社の専門職向け求人サイトは人気となっている。そのほか、「日本の人事部」といった企業経営者や人事担当者向けのポータルサイト、海外では日系企業向けの人材紹介や人材派遣、人事労務コンサルティングなどの事業も行っている。

人材サービス業界は、リーマンショック後の低迷から抜け出し、アベノミクスと少子高齢化による人手不足を背景に、ここ10年成長を加速している。なかでも専門職への企業の求人ニーズは非常に高く、派遣手数料などは上昇の一途となっている。一方、就業希望者との接点は、スマートフォンの普及などからネット求人サイトの伸びが著しく、フリーペーパーの増加は一服、従来型の有料求人情報誌や折り込み求人誌は低迷気味である。また、就業希望者の争奪戦は徐々に激しくなっており、人材サービス業にとって、就業希望者に役立つ情報を満載した魅力あるサイトの運営は必須となってきた。このような環境のなか、専門職の人材紹介に強い同社は、業界内で相対的に高い利益率を維持しながら順調に成長を続けている。

同社は、1980年に(株)日本リクルートセンター(現 リクルートホールディングス<6098>)出身の現 代表取締役社長兼グループCEOである和納勉(わのうつとむ)氏により大阪で設立された。当初は社名を株式会社クイックプランニングと称し、1990年に現社名に改称。関西でのリクルート代理店第1号として、求人広告代理業と採用教育に関するコンサルティング業務を展開していた。事業は順調に拡大して東京や名古屋に支店を出すほどに成長したが、1990年のバブル崩壊で転機を迎え、現在主力となっている人材サービス事業やリクルーティング事業へと多角化の舵を切った。2001年のJASDAQ市場上場を弾みにM&Aを積極化、海外にも事業領域を拡大した。リーマンショックの難局を乗り切った後は専門性を強め、看護師など人気の専門職の紹介事業を本格化している。2014年に東京証券取引所市場第2部へ上場、同年第1部指定替えを経て、現在は新たな成長期に入り、さらにその先を目指して事業領域の拡大を加速しているところである。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

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配信元: フィスコ

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