ポンド安が目立ち相対的にドル買いに ドル円は１１３円台を回復＝ＮＹ為替前半

　きょうのＮＹ為替市場はドル買いが優勢となっており、ドル円は１１３円台に戻している。米株への売りが続くなど米景気への先行き懸念は根強く、ドルも上値が重いものの、それ以上に欧州通貨が下落しており、相対的にドル買いになっている格好。きょうは特にポンドの下げが目立っている。明日予定していたＥＵ離脱案の議会採決をメイ首相が延期すると伝わった。メイ首相は会見で「政府は合意なきＥＵ離脱の準備を加速する」と言及。採決の敗北を確実視したようで、英ＥＵ離脱の行方に暗雲が立ち込めている。

　ドル円は１１３円台を回復。東京時間には１１２．２５円近辺まで下落し１００日線に顔あわせしたが、サポートされた格好。オプション絡みの売りオーダーなども観測され１１３円ちょうど付近で売買が交錯していたが、米国債利回りの上昇や、米株が下げ渋っていることで、その付近の売りを吸収した模様。１１３．２０円近辺まで上昇している。目先は２１日線が１１３．２５円付近に来ており、上値レジスタンスとして意識。

　一方、ユーロはＮＹ時間に入って売りが強まり、１．１３ドル台半ばに下落。ユーロ円も一時１２８円台前半まで下落した。ユーロ自体に悪材料が出たわけではないが、ポンドに連れ安したものと思われる。今週はＥＣＢ理事会が予定されており、予告通りに資産購入の年内終了してくる可能性が高い。注目はＥＣＢがその次の利上げのステップに積極性を示すかどうかだが、このところのドイツの弱い指標や、インフレ圧力も強まる気配を見せていない。フランス、イタリアの動向も気掛かり。かなり慎重なスタンスを強調してくることも予想される。

　ポンドドルは一時１．２５ドルちょうど付近まで下落し年初来安値を更新。ポンド円も一時１４１円台前半まで下落した。

minkabu PRESS編集部　野沢卓美