英EUが将来の関係についての文書で合意、ポンド急伸=ロンドン為替概況

著者:MINKABU PRESS
投稿:2018/11/22 21:43
英EUが将来の関係についての文書で合意、ポンド急伸=ロンドン為替概況

 22日のロンドン市場は、ポンドが急伸。英国とEUがブレグジット後の将来の関係について合意する草案文書を公表したことが好感された。自由貿易圏の創設などが含まれるもよう。ポンドドルは一時1.29台、ポンド円は145円台後半まで急伸。しかし、EU報道官が、ジブラルタルや漁業について未解決としたことで一瞬ポンドが上昇を消す場面があった。米感謝祭を控えて流動性がかなり枯渇しているようだ。その後は再びポンド買いが強まっている。その他主要通貨はやや円買いの動き。ロンドン序盤から欧州株が軟調に推移しており、ドル円は112円台後半、ユーロ円は128円台後半へと軟化。しかし、英EUの報道を受けてユーロドルが129円台乗せとなるなど円高の圧力は一服している。

 ドル円は113円近辺での取引。東京市場では113円を挟む揉み合いだったが、欧州株が軟調にスタートしたことを受けて円買い圧力が優勢になった。安値を112.89レベルまで広げた。その後はポンド円の急伸や欧州株の下げ幅縮小とともに113円手前水準まで下げ渋っている。米感謝祭でNY市場の参加者が減少することで、取引は手控えられているもよう。

 ユーロドルは1.14台前半での取引。1.1400-10レベルでの揉み合いが続いたが、ポンド急伸が波及して一時1.1434レベルまで高値を伸ばした。しかし、ポンドの上下動を受けて再び1.14ちょうど近辺へと反落。足元では1.1410-20レベルに落ち着いている。ユーロ円は128円台後半での取引。朝方に129円を付けた後は、欧州株をにらみつつ128.70近辺まで下押し。ポンド円の急伸とともに129.10レベルの高値をつけた。足元では129円をやや下回る水準となっている。EU離脱後の英EUの関係について合意文書が発表されたことで、ユーロはポンドに連れ高となっている。

 ポンドドルは1.28台後半での取引。1.27台後半での揉み合いとなるなかで、英国とEUがブレグジット後の将来の関係について合意する草案文書を公表した。ポンドはポジティブ・サプライズの反応を示して急伸。ポンドドルは一気に1.2927レベルまで買われた。しかし、EU報道官から未解決の問題があると指摘されたことで一瞬1.28割れと、上げを消す動きをみせた。その後は再び1.28台後半へと戻している。流動性の枯渇した値動きになっている。ポンド円は144円台半ばから前半へとやや円高の動きがみられたが、報道を受けて一気に145.95レベルまで急伸。その後、144.50近辺まで急反落も、再び145円台を回復しての揉み合いになっている。英EU草案文書では、自由貿易領域を創設、規制面の緊密な協力を見込む、EUと英国は関税における緊密な協力にコミットする、などとした。トゥスクEU大統領は、この草案をEU27か国に送付した。一方で、EU報道官は、漁業とジブラルタルの問題の解決がまだ残されている、と今後の懸案を示した。この後はメイ英首相が議会で声明を発表する予定になっている。

minkabu PRESS編集部 松木秀明

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