■クリーク・アンド・リバー社<4763>の今後の見通し
2. 事業セグメント別見通し
(1) クリエイティブ分野(日本)
クリエイティブ分野(日本)の売上高は前期比15%増の22,000百万円、セグメント利益は同16%増の1,350百万円と2ケタ増収増益となる見通し。本社グループ移転統合に関連する費用増をゲーム、Web制作、電子書籍・YouTube等の増収効果で吸収する格好となる。
分野別で見ると、映像分野は上期に増収減益となったものの、下期は収益性も改善し、通期では前期並みの利益水準となる見通し。一方、ゲーム分野については受託開発案件の増加や旺盛な派遣需要により2ケタ増収増益が続く。クレイテックワークスについても下期は若干の黒字化が見込まれる。Web分野についても下期に大型案件の売上計上が見込まれており、通期では2ケタ増収増益となる見通しだ。
また、出版分野では電子書籍や海外市場向けの映像化権エージェントサービスの拡大が続くほか、YouTube分野についても、インターネットによる動画配信市場の拡大を追い風に高成長が続くものと予想される。
(2) クリエイティブ分野(韓国)
クリエイティブ分野(韓国)の売上高は前期比91%減の90百万円、セグメント利益は同619%増の20百万円を見込んでいる。前述したとおり、2018年8月に配信を開始した韓国のゲームコンテンツ2タイトルの日本へのライセンシング等、ライツマネジメント事業が収益貢献する。
(3) 医療分野
医療分野の売上高は前期比4%増の3,700百万円、セグメント利益は同4%増の600百万円となる見通し。全国的な医師不足・地域的偏在が続くなか、医師の紹介事業を中心に安定成長が見込まれる。なお、医療分野においては同社においてVRデバイスを活用した「VR遠隔医療教育通信システム」(疼痛治療の教育用)を試験中で、サービス提供を2019年より開始する予定となっている。
また、子会社のメディカル・プリンシプル社でも新たに医療法人部を組織化し、新サービスの検討を開始している。
(4) その他事業
その他事業の売上高は前期比23%増の4,014百万円、セグメント利益は同17%減の54百万円となる見通し。IT、会計・法曹分野で増収増益となるほか、新規エージェンシー分野であるファッション、シェフ、プロフェッサー分野、並びに新規サービスの人材メディア事業(プロフェッショナルメディア)で増収効果による黒字化を見込んでいるが、新たに連結対象となったIdrasysやエコノミックインデックスの営業損失分が減益要因となる。
なお、VR Japanでは2018年冬に「IDEALENS K2+」の新機種で4Kの高精細画像に対応した「IDEALENS K3-4K」の発売を予定している。当初は2018年夏を予定していたが量産化に時間がかかっているようだ。内蔵スピーカとマイクが付いた世界初の一体型VRゴーグルとなる予定だ。VR分野では当面、需要が旺盛なBtoB領域を中心に展開していく予定となっており、黒字化は2020年2月期以降となる見通しだ。
Idrasysで展開するAIプラットフォーム「SmartRobotTM」については、金融業界や流通企業での導入が決まるなど順調な立ち上がりを見せている。前述したように「Watson」並みの高性能AIエンジンを低価格で提供できるほか、台湾で既に5億件のQ&Aデータが蓄積されており、独自のアルゴリズムやディープラーニングによる正答率の高さが強みとなっている。日本向けにチューニングする必要はあるものの、チャットボットは国内でも普及初期段階であり、今後の成長が期待される。また、中国語の認識率は既に高いことから、アパレル・雑貨、化粧品等の越境EC事業者のECサイト向けに導入が進む可能性も考えられる。2019年2月期は売上高で数千万円、営業損失で数千万円規模を見込んでいる。
ビッグデータ分析サービス事業を展開するエコノミックインデックスでは、独自開発したデータ解析サービス「Strategy Finder(ストラテジー ファインダー)」※の収益化に取り組むとともに、データ解析結果に基づくWebマーケティングやデジタルマーケティングに関するソリューションサービスに注力していく計画となっている。「Strategy Finder」については、サンポー食品(株)が2018年8月に実施した焼豚ラーメンのプレゼントキャンペーン企画で採用され、Twitterのフォロワ数が3週間で当初目標の約2倍を達成するなど想定以上の効果を上げており、今後の契約件数増加が期待される。2019年2月期に関しては売上高で1億円程度、営業損失で数千万円程度を見込んでいる。
※Webマーケティングの最適化を目的とした分析ツール。コンバージョン数/率の向上、サイト訪問者/セッション数の増加、CPA低減を目的に最大の効果を上げる運用ワードの提案や具体的施策を導き出すサービス。
AI技術の応用展開について、同社では社内で保有するドローンやVRなどの先進技術と組み合わせることで産業分野での様々なソリューションサービスを展開できることが強みとなる。実際、大手企業からAIソリューションに関連した業務提携の引き合いも増えてきているようで、今後の動向が注目される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2. 事業セグメント別見通し
(1) クリエイティブ分野(日本)
クリエイティブ分野(日本)の売上高は前期比15%増の22,000百万円、セグメント利益は同16%増の1,350百万円と2ケタ増収増益となる見通し。本社グループ移転統合に関連する費用増をゲーム、Web制作、電子書籍・YouTube等の増収効果で吸収する格好となる。
分野別で見ると、映像分野は上期に増収減益となったものの、下期は収益性も改善し、通期では前期並みの利益水準となる見通し。一方、ゲーム分野については受託開発案件の増加や旺盛な派遣需要により2ケタ増収増益が続く。クレイテックワークスについても下期は若干の黒字化が見込まれる。Web分野についても下期に大型案件の売上計上が見込まれており、通期では2ケタ増収増益となる見通しだ。
また、出版分野では電子書籍や海外市場向けの映像化権エージェントサービスの拡大が続くほか、YouTube分野についても、インターネットによる動画配信市場の拡大を追い風に高成長が続くものと予想される。
(2) クリエイティブ分野(韓国)
クリエイティブ分野(韓国)の売上高は前期比91%減の90百万円、セグメント利益は同619%増の20百万円を見込んでいる。前述したとおり、2018年8月に配信を開始した韓国のゲームコンテンツ2タイトルの日本へのライセンシング等、ライツマネジメント事業が収益貢献する。
(3) 医療分野
医療分野の売上高は前期比4%増の3,700百万円、セグメント利益は同4%増の600百万円となる見通し。全国的な医師不足・地域的偏在が続くなか、医師の紹介事業を中心に安定成長が見込まれる。なお、医療分野においては同社においてVRデバイスを活用した「VR遠隔医療教育通信システム」(疼痛治療の教育用)を試験中で、サービス提供を2019年より開始する予定となっている。
また、子会社のメディカル・プリンシプル社でも新たに医療法人部を組織化し、新サービスの検討を開始している。
(4) その他事業
その他事業の売上高は前期比23%増の4,014百万円、セグメント利益は同17%減の54百万円となる見通し。IT、会計・法曹分野で増収増益となるほか、新規エージェンシー分野であるファッション、シェフ、プロフェッサー分野、並びに新規サービスの人材メディア事業(プロフェッショナルメディア)で増収効果による黒字化を見込んでいるが、新たに連結対象となったIdrasysやエコノミックインデックスの営業損失分が減益要因となる。
なお、VR Japanでは2018年冬に「IDEALENS K2+」の新機種で4Kの高精細画像に対応した「IDEALENS K3-4K」の発売を予定している。当初は2018年夏を予定していたが量産化に時間がかかっているようだ。内蔵スピーカとマイクが付いた世界初の一体型VRゴーグルとなる予定だ。VR分野では当面、需要が旺盛なBtoB領域を中心に展開していく予定となっており、黒字化は2020年2月期以降となる見通しだ。
Idrasysで展開するAIプラットフォーム「SmartRobotTM」については、金融業界や流通企業での導入が決まるなど順調な立ち上がりを見せている。前述したように「Watson」並みの高性能AIエンジンを低価格で提供できるほか、台湾で既に5億件のQ&Aデータが蓄積されており、独自のアルゴリズムやディープラーニングによる正答率の高さが強みとなっている。日本向けにチューニングする必要はあるものの、チャットボットは国内でも普及初期段階であり、今後の成長が期待される。また、中国語の認識率は既に高いことから、アパレル・雑貨、化粧品等の越境EC事業者のECサイト向けに導入が進む可能性も考えられる。2019年2月期は売上高で数千万円、営業損失で数千万円規模を見込んでいる。
ビッグデータ分析サービス事業を展開するエコノミックインデックスでは、独自開発したデータ解析サービス「Strategy Finder(ストラテジー ファインダー)」※の収益化に取り組むとともに、データ解析結果に基づくWebマーケティングやデジタルマーケティングに関するソリューションサービスに注力していく計画となっている。「Strategy Finder」については、サンポー食品(株)が2018年8月に実施した焼豚ラーメンのプレゼントキャンペーン企画で採用され、Twitterのフォロワ数が3週間で当初目標の約2倍を達成するなど想定以上の効果を上げており、今後の契約件数増加が期待される。2019年2月期に関しては売上高で1億円程度、営業損失で数千万円程度を見込んでいる。
※Webマーケティングの最適化を目的とした分析ツール。コンバージョン数/率の向上、サイト訪問者/セッション数の増加、CPA低減を目的に最大の効果を上げる運用ワードの提案や具体的施策を導き出すサービス。
AI技術の応用展開について、同社では社内で保有するドローンやVRなどの先進技術と組み合わせることで産業分野での様々なソリューションサービスを展開できることが強みとなる。実際、大手企業からAIソリューションに関連した業務提携の引き合いも増えてきているようで、今後の動向が注目される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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