18日の中国本土市場概況: 上海総合2.9%安で急反落、石油株に売り

配信元:フィスコ
投稿:2018/10/18 16:52
18日の中国本土市場は大幅に値下がり。主要指標の上海総合指数は、前日比75.20ポイント(2.94%)安の2486.42ポイントと反落した。上海A株指数も下落し、78.78(2.94%)安の2603.99ポイントで取引を終えている。上海総合指数は一昨日に付けた年初来安値を下回り、約3年11カ月ぶりの低水準に落ち込んだ。

中国景気の先行き不安がくすぶる流れ。中国の李克強首相は17日、訪問先のオランダで経済・貿易フォーラムに出席し、「中国経済は下振れ圧力に直面している」との認識を示した。それにあわせて、「経済発展に関する今年の目標は達成できる」としたものの、中国の19年GDP成長率をめぐっては、世界銀行と国際通貨基金(IMF)が先ごろ見通しを下方修正しただけに、投資家の懸念は払しょくされていない。今年9月の経済指標(小売売上高や鉱工業生産など)と第3四半期のGDP成長率が19日に公表されることも、気がかり材料として意識された。

業種別では、石油株の下げが目立つ。業界大手の中国石油天然気(601857/SH)が7.9%安で引けた。原油相場の下落が逆風。WTI原油先物は時間外取引で続落し、約1カ月ぶりの安値水準で推移している。インフラ関連株も急落。ゼネコンの中国交通建設(601800/SH)が7.4%下げた。金融株、自動車株、消費関連株、医薬株、ハイテク株、不動産株なども売られている。

元安がデメリットとなる空運や紙・パルプ株も軒並み安。中国東方航空(600115/SH)が4.4%、宜賓紙業(600793/SH)が4.7%ずつ下落した。紙製品各社は原料を輸入し、空運各社は米ドル建て債務の比率が高いため、人民元安の動きが警戒されている。中国人民銀行(中央銀行)は朝方、人民元レートの対米ドル基準値を3日ぶりに元安方向へと設定。2017年1月上旬以来の元安水準となるなか、外国為替市場でも元安が進んでいる。

外貨建てB株の相場も値下がり。上海B株指数が6.92ポイント(2.63%)安の255.66ポイント、深センB株指数が17.03ポイント(1.98%)安の843.02ポイントで終了した。

【亜州IR】


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配信元: フィスコ