明日の株式相場見通し＝調整一巡感とはならず、軟調推移で２５日線攻防に

　あす（１０日）の東京株式市場は、きょうまでの４日続落で日経平均株価が合計で８０１円安と大幅な下落となったことから、短期的な過熱感はやや解消されてきたものの、調整一巡との見方は出ていないようだ。買い支援材料が見当たらないなか、あすも軟調な推移で日経平均の２５日移動平均線（２万３３４３円５４銭＝９日）の攻防となりそうだ。

　市場関係者からは「外国為替市場で一時、１ドル＝１１２円９０銭台へと円高・ドル安が進行したことや、東京証券取引所の一部システムで障害が発生し、証券会社からの売買を執行できない事態となり、投資家の不安心理を誘発する結果となった。さらに、海外投資家からとみられる株価指数先物主導の売りも観測され、半導体、自動車などに関連した値がさ株に売りが集中し、これが波及してほぼ全面安商状となった」との見方が出ていた。

　９日の東京株式市場は、終始売り優勢の展開となった。日経平均は大幅安で始まった後、前場後半にいったん下げ渋る動きをみせたものの、後場に売り直された。日経平均株価終値は、前週末比３１４円３３銭安の２万３４６９円３９銭と大幅安で４日続落した。

　日程面では、人材派遣紹介関連事業を手掛けるＣＲＧホールディングス<7041.T>が東証マザーズ市場に新規上場する。このほかに、８月の機械受注統計に注目。海外では、朝鮮労働党創建７３年記念日、米９月の生産者物価指数、英８月のＧＤＰが焦点になる。（冨田康夫）

出所：minkabuPRESS