“上値が重い”が意識されている間は…!?

著者:武市佳史
投稿:2018/08/15 10:33

◆『にわか下値期待』が蔓延する中、“巻き戻し”先行

※ご注意:予想期間は8月16日と表示されていますが、本日(8月15日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


『にわか下値期待』が蔓延している時は、得てしてこんなもの…。

 「米電化製品不買を呼びかけ(トルコ)」 VS 「(米国人宣教師が解放されなければ)1週間以内に追加制裁を発動(米国)」

米国-トルコ間の対立(懸念)がさらに強まる状況下、昨日は“巻き戻し”が先行しました。
クロス円通貨が軒並み買い戻される(円売り)と共に、ユーロドル・ポンドドル等が年初来安値を更新するなど“ドル買い”も目立ちました。
こうした中、欧州タイム序盤に111円ラインを突破したドル円は、NYタイム中盤には111.309円へと持ち直しています。

◆『イメージは下方向』が燻り続けると見られるが…?

懸念が払拭したわけではないことを考えれば、『イメージは下方向』が燻り続けると見られます。
このため「(ここから先は)おいそれと付いていくわけにはいかない」という面があるのは事実です。
ただ「(パニック的な動きは)峠を越した」との見方も存在しており、“上値の重さ”が意識として残るとも見られる中で、“巻き戻し”が先行している格好でもあります。
…となれば、少なくとも“すぐに円買い再開”といった地合いにはなりづらく、目先は“もう一段の巻き戻し”が先行してもおかしくありません。

テクニカル的に見ると、“20日移動平均線(本日は111.292円)”ともほぼ重なる“8/1~8/13の61.8%戻し(111.368円)”に押さえられていますが、明確に抜ければ“7/19~8/13の50%戻し(111.639円)”“同61.8%戻し(112.000円)”も見えてくる構図です。
基本は「元に戻った(111円台での揺れ動き)だけ」と見ておく必要はありますが、本日も期待しながらマーケットと向き合いたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

注:普段より値幅を拡大しています。
112.000(7/19~8/13の61.8%戻し、大台)
111.859(8/3高値、月足・一目均衡表先行スパン上限)
上値5:111.735(ピボット2ndレジスタンス)
上値4:111.639(7/19~8/13の50%戻し、日足・一目均衡表基準線)
上値3:111.522(8/6-7高値)
上値2:111.436(8/9高値、8/1~8/13の61.8%戻し、ピボット1sレジスタンス)
上値1:111.309(8/14高値、20日移動平均線)
前営業日終値:111.140
下値1:110.956(日足・一目均衡表先行スパン上限/転換線、50日移動平均線、大台)
下値2:110.851(8/13~8/14の38.2%押し)
下値3:110.709(8/13~8/14の50%押し、ピボット1stサポート)
下値4:110.586(8/14安値、8/13~8/14の61.8%押し、100週移動平均線、週足・一目均衡表先行スパン上限)
下値5:110.278(50週移動平均線、ピボット2ndサポート)
110.142(日足・一目均衡表先行スパン下限)
110.041(5/29~7/19の61.8%押し、8/13安値、大台)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー〕にて公開中。

11:11 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想