■要約
ランドコンピュータ<3924>は、社歴が半世紀弱の独立系中堅システムインテグレータ。人手不足があらゆる業界の経営課題となっており、省人・省力化にITシステムを利活用する動きが活発化している。同社にとっても人員の確保が最重要課題であり、戦略的な人材採用による人員増、給与制度の見直し、課長制・主任制導入による育成・研修の強化を図っている。安定成長基盤であるシステムインテグレーション・サービスとインフラソリューション・サービスでは、メーカー系SIerとの関係を強化し、一括請負拡大と品質の追求に努める。それに、クラウドコンピューティングとパッケージシステムを主体とし、直ユーザの開拓によるパッケージベースSI・サービスを上乗せし、成長性を高める。
1. 東証1部へ上場し、人的強化を図る
2015年末に東証2部へ新規上場し、2018年5月に東証1部への指定替えを果たした。ITサービスの会社にとって人材がアセットであり、採用上プラスに働くだろう。主要顧客の金融機関は、省力・省人化のためのIT投資を進めており、ミッションクリティカルなシステムインテグレーション・サービスを得意としている同社に、大手メーカー系SIerから増員要請が来ている。次期事業部長候補の育成・研修を行う課長制を採り入れたのに続き、チーム—リーダーとしてきめ細かいプロジェクトマネジメントを行うスキルを高めるため主任制の導入を進めている。戦略的な採用計画に基づく優秀な人材の確保を図る一方、ワークライフバランス推進による働きがいのある職場づくりに努める。
2. 2018年3月期は、20%近い増益率
2018年3月期の業績は、前期比で売上高は横ばいであったが、営業利益が17.7%増、経常利益が19.2%増の好決算であった。利益面では、会社予想を若干上回った。2017年3月期下期から2018年3月期上期にかけて、大口赤字プロジェクトの損失が発生したが、業界トップの大手SIerから上級プロジェクトマネージャを招き、プロジェクト管理の厳格化、制度化、プロセスの標準化を進めたため、不採算案件が減少し利益率が改善した。2019年3月期は、人件費の増加を織り込んで、前期比で売上高が7.4%増、営業利益が9.8%増、経常利益が6.5%増と増収増益を見込む。
3. 中長期の成長戦略「Attack100」
中長期の成長戦略「Attack100」は、2021年3月期の売上高を100億円、営業利益を10億円、売上高営業利益率10%を数値目標としている。見積り精度の向上、プロジェクト品質の向上、不採算プロジェクトの撲滅、組織強化のマネジメント改革により、収益性の改善を図る。一方、トップラインの伸長には、人月にリンクしないクラウドコンピューティング・サービスに注力し、再飛躍を図る。販売パートナー契約を結び、成長著しいSalesforce関連プロジェクトは、アジャイル開発であるものの、大口案件についてはウォーターフォール型と同様に要件定義を行い、プロジェクトの品質管理と採算を上げる。
■Key Points
・安定成長基盤の上にパッケージベースSI・サービスで成長性を高める
・東証1部に上場し、人材育成を強化
・2021年3月期に売上高100億円、営業利益率10%を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
<NB>
ランドコンピュータ<3924>は、社歴が半世紀弱の独立系中堅システムインテグレータ。人手不足があらゆる業界の経営課題となっており、省人・省力化にITシステムを利活用する動きが活発化している。同社にとっても人員の確保が最重要課題であり、戦略的な人材採用による人員増、給与制度の見直し、課長制・主任制導入による育成・研修の強化を図っている。安定成長基盤であるシステムインテグレーション・サービスとインフラソリューション・サービスでは、メーカー系SIerとの関係を強化し、一括請負拡大と品質の追求に努める。それに、クラウドコンピューティングとパッケージシステムを主体とし、直ユーザの開拓によるパッケージベースSI・サービスを上乗せし、成長性を高める。
1. 東証1部へ上場し、人的強化を図る
2015年末に東証2部へ新規上場し、2018年5月に東証1部への指定替えを果たした。ITサービスの会社にとって人材がアセットであり、採用上プラスに働くだろう。主要顧客の金融機関は、省力・省人化のためのIT投資を進めており、ミッションクリティカルなシステムインテグレーション・サービスを得意としている同社に、大手メーカー系SIerから増員要請が来ている。次期事業部長候補の育成・研修を行う課長制を採り入れたのに続き、チーム—リーダーとしてきめ細かいプロジェクトマネジメントを行うスキルを高めるため主任制の導入を進めている。戦略的な採用計画に基づく優秀な人材の確保を図る一方、ワークライフバランス推進による働きがいのある職場づくりに努める。
2. 2018年3月期は、20%近い増益率
2018年3月期の業績は、前期比で売上高は横ばいであったが、営業利益が17.7%増、経常利益が19.2%増の好決算であった。利益面では、会社予想を若干上回った。2017年3月期下期から2018年3月期上期にかけて、大口赤字プロジェクトの損失が発生したが、業界トップの大手SIerから上級プロジェクトマネージャを招き、プロジェクト管理の厳格化、制度化、プロセスの標準化を進めたため、不採算案件が減少し利益率が改善した。2019年3月期は、人件費の増加を織り込んで、前期比で売上高が7.4%増、営業利益が9.8%増、経常利益が6.5%増と増収増益を見込む。
3. 中長期の成長戦略「Attack100」
中長期の成長戦略「Attack100」は、2021年3月期の売上高を100億円、営業利益を10億円、売上高営業利益率10%を数値目標としている。見積り精度の向上、プロジェクト品質の向上、不採算プロジェクトの撲滅、組織強化のマネジメント改革により、収益性の改善を図る。一方、トップラインの伸長には、人月にリンクしないクラウドコンピューティング・サービスに注力し、再飛躍を図る。販売パートナー契約を結び、成長著しいSalesforce関連プロジェクトは、アジャイル開発であるものの、大口案件についてはウォーターフォール型と同様に要件定義を行い、プロジェクトの品質管理と採算を上げる。
■Key Points
・安定成長基盤の上にパッケージベースSI・サービスで成長性を高める
・東証1部に上場し、人材育成を強化
・2021年3月期に売上高100億円、営業利益率10%を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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