リスク回避一服でドル円は200日線試す動き=NY為替前半

著者:MINKABU PRESS
投稿:2018/06/21 03:08
 きょうのNY為替市場、米中問題からのリスク回避の雰囲気が一服しており、ドル売りがやや優勢となっている。一方で円買いの動きも一服していることから、ドル円は買い戻しが優勢。

 ドル円は110円台を回復。NY時間に入って何度か売りが強まったものの、下値での買いも断続的に入り、110円台を維持している。序盤に109円台に値を落とす場面が見られたが、パウエルFRB議長が「漸進的な利上げを継続する論拠強い」と述べていたことがドル円をサポートした。

 前日同様に株式市場にらみの展開だが、ダウ平均は上値が重いものの、ナスダックやS&P500はプラス圏で推移しており、米中貿易問題を更に発展させる気配は、いまのところ出ていないようだ。110.25円付近に来ている200日線が上値抵抗となっているが、その水準を試す動きも見られている状況。

 ユーロドルはNY時間に入って買い戻しが出ており、1.15ドル台後半まで戻している。きょうもロンドン時間の序盤に1.1550水準を割り込む場面が見られたもののサポートされている。ユーロ自体に材料はなく、米中貿易問題への懸念一服によるドル売りがユーロドルをサポートしているようだ。

 ただ、ECBは来年夏まで利上げをしないことをコミットしており、FRBとの金融政策の格差がこの先もしばらく拡大し続けることが見込まれることから、ユーロドルの下値を見込む声は根強い。ユーロドルも1.16ドル台には慎重になっている模様。

 ポルトガルのシントラでECBのフォーラムが開催されており、ドラギECB総裁をはじめ、パウエルFRB議長や黒田日銀総裁の発言が伝わっていたが、特にユーロへの反応は限定的となっている。

minkabu PRESS編集部 野沢卓美

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