アエリア Research Memo(4):A3!(エースリー)が大ヒットしたリベル

配信元:フィスコ
投稿:2018/05/14 15:13
アエリア<3758>の事業概要

3. コンテンツ事業
(1) アスガルド
現在、女性をターゲットにしたCD/PCソフトの製造販売、スタジオ収録、コンシューマゲームソフトの製造販売を行い、2レーベル(実稼働ベース)、1スタジオを展開している。主力レーベルの「honeybee」では、一般女性向けに企画CDを作成、「DYNAMIC CHORD」ほか様々なシリーズをプロデュース、他社の女性向け有名タイトルとのコラボも実現し、毎月2~3枚のCDをリリースしている。シリーズはほかに「Starry☆Sky」や「羊でおやすみシリーズ」、「蜜蜂出版」などがある。商品はアスガルドの運営するオフィシャル通販サイト「はにーしょっぷ」などで販売されている。また、アスガルドスタジオには大小2つのスタジオがあり、ゲームやナレーション、ドラマ、音楽などあらゆる収録が可能となっている。また、DYNAMIC CHORDはアニメ化もしている。

(2) リベル・エンタテインメント
リベル・エンタテインメントは、ソーシャルゲームの開発・運営、コンシューマーゲームの開発、ゲーム事業に関するコンサルティング業務を事業としている。スマホゲーム「アイ★チュウ」のヒットに続いて「A3!」が大ヒットした。ヒット作品の効果は3年続くと言われていることから、今まさに伸び盛りと言うことができる。

a) アイ★チュウ
プレイヤーが教師兼プロデューサーとなってアイドルの卵「アイチュウ」を一人前のアイドルに育成する、恋愛リズムアドベンチャーゲーム。2015年6月に正式サービスを開始、基本プレイ無料+アイテム課金で、2017年1月には100万ダウンロードを記録するヒットとなった。このため、リアルの関連商品も盛り上がり、音楽CD9枚(シングル5枚、アルバム4枚)、コミックアンソロジー2冊、小説3冊、ファンブックなどを世に送り出した。さらに、「アイ★チュウザ・ステージ」のタイトルで舞台化され、2017年8月~9月に全12回の公演が行われた。

b) A3!(エースリー)
つぶれかけのボロ劇団の総監督になったプレイヤーが、新米イケメン劇団員たちを稽古で育て公演成功に導く、イケメン役者育成ゲーム。全編フルボイスで、資金稼ぎのためのミニゲームも収録されている。2017年1月に基本プレイ無料+アイテム課金でサービスを開始、「アイ★チュウ」の成功体験を生かすことで、2017年11月には450万ダウンロードを記録する大ヒットとなった。リアル関連商品としては、CD9枚(シングル1枚、ミニアルバム8枚)、コミックアンソロジー2冊ほか既に多くの商品が売り出されている。2018年2月に第2部が始まったばかりで、6~11月には「MANKAI STAGE『A3!』~SPRING&SUMMER2018~」というタイトルで舞台化が予定され、8月にはbilibiliによって中国で配信サービスがスタートする予定である。今後も人気は衰えそうにない。

c) リベル・エンタテイメントのその他の作品
プレイヤーが蒼焔の艦隊の総司令官になり、謎の敵−影の艦隊−と戦う本格海戦ゲーム「蒼焔の艦隊」は2017年9月に基本プレイ無料+アイテム課金でサービス開始したばかりで、事前登録は10万人とも言われる。そのほか、受託・開発協力タイトルとしては、「乖離性ミリオンアーサー」、「大乱走ダッシュor奪取!!」、「ワンピースROMANCE DAWN冒険の夜明け」などがある。

(3) コンテンツ事業のその他子会社
その他にもソーシャルゲームの開発などを行っている子会社は多い。(株)アエリアゲームズはスマートフォン向けゲームの企画・開発・運営を行っている。主なタイトルは次世代育成シミュレーションゲーム「スターリーガールズ-星娘-」。角川ゲームスの開発で2016年12月に基本プレイ無料+アイテム課金でサービス開始、台湾・香港・マカオ・中国でも順次サービスを開始する予定である。(株)エイジはPCオンラインゲームからスマートフォン向けゲームへ移行、受託開発の拡大による収益安定化が進んできた。主なタイトルは正統派ロールプレイングゲーム「アストラルステアウェイズ」と動物育成シュミレーションゲーム「てのひらワンコ」「てのひらニャンコ」。(株)アリスマティックはソーシャルゲームの開発・運営、ゲームエンジン・プラットフォームの開発・運営を行っており、YouTuberとの恋愛シュミレーションゲーム「Youと恋する90日間」というタイトルを持っている。「テンカウント」など女性向け人気IPを活用したゲームのリリースを控え、注目される。(株)チームゼロは、VRリズムゲームシリーズ「FuluBeatVR」と「Symphony Line VR」を配信している。

2017年に新たに子会社化したゲーム開発会社も多い。(株)サクラゲートはオンラインカジノ/ランドカジノ向けスロットゲームの企画・開発、ゲーミングに関するコンサルティング業務、ソーシャルゲームの企画・開発・運営を行っている。(株)グッドビジョンはソーシャルアプリゲームの企画・開発・運用をしており、(株)講談社と共同開発した「Hot-Dog PALACE」など多数の開発実績がある。(株)エイタロウソフトは(株)タツノコプロよりライセンスを受けた「タイムボカン24ボカンメカバトル!」を配信している。また、女性向け恋愛ゲーム「オトメイト」を有するアイディアファクトリー(株)と共同開発をした「ダンストリップス」も注目だ。(株)ゼノバースは北米中心にモバイルゲームを配信するMAJOR LTD.グループからゲーム事業部門を同社が買収した。さらに、キャラクターコンテンツの製作・販売ノウハウを持つ(株)GG7もグループ入りした。なお、2017年5月に基本プレイ無料+アイテム課金でサービスを開始した(株)GESIの「秘密の宿屋」は、2018年3月に早くもサービスを終了する予定となった。一般に、ヒットせず早期にサービスを終了するタイトルは多いが、見切りが速いのも同社の特徴と言えるかもしれない。


民泊を狙って急速に事業化

4. アセットマネージメント事業
2017年の訪日外国人数は2,869万人と前年比19.3%増となった。観光立国を目指す政策もあり、東京オリンピック・パラリンピック開催へ向けて、さらにインバウンドの拡大が見込まれる。一方で、日本には宿泊施設が非常に不足している。その狭間を埋めると期待されているのが「民泊」である。民泊とは、一般個人の家に泊まることを指す。従来は、旅の途中の人を善意かつ無報酬で泊めることを指していた。しかし、民泊専門の宿泊サイトであるAirbnb(エアビーアンドビー)のような民泊仲介ビジネスが海外で勃興したことを受け、空き家を含む個人の家や投資用マンションを有料で訪日外国人などに貸し出すことを指すようになった。法制度的には未整備の部分も多いが、急増する訪日外国人の受け入れ施設として、官民両サイドで市場拡大への期待が高まっている。

こうした事態を受け、同社は2017年半ばを過ぎて、7月TWIST、8月(株)Impression、11月(株)トータルマネージメント、2018年2月には清匠(株)と、矢継ぎ早に不動産関連の企業を買収した。なかでもTWISTは、主にAirbnbの運用代行サービスなど、既に民泊運営代行サービスを展開している。東京都を中心に高収入物件を専門に、投資利回りが期待できる民泊物件の選定から、プロデザイナーの内装デザインなどによる民泊物件化、24時間多言語対応サポート、物件の清掃・管理まで、ワンストップの完全代行サービスが可能である。加えて、より集客力を高めるため、アジア最大のグローバルオンライン宿泊予約サイトAgodaへの民泊掲載も開始した。

Impressionは投資用不動産の販売を強みに、投資用マンション開発や住居用不動産販売、リノベーション事業などを展開している。トータルマネージメントは戸建分譲や収益物件の開発に強みを持ち、中古マンションリノベーションや不動産売買、コンサルタントなどを事業としている。相続などによる物件取得が多く、リスクの低いことが特徴である。パチンコ店専門清掃業として設立された清匠は、現在各種清掃業から電気や消防など設備保守点検業務、環境衛生管理業務、警備業などを請け負っている。特に現在業務を拡大しているのは、印刷機械の洗浄請負である。その他、オーダーメイドで洗浄機械の製造販売をするなど今後の伸びが期待できる。Impressionの投資用不動産の取扱いに加え、トータルマネージメントの戸建分譲や収益物件の開発、清匠の清掃や保守点検、警備などにより、総合的なアセットマネージメント事業へ取り組みが可能となる。加えて、TWISTと連携することで、保有する不動産の一部は民泊用施設として利用することもできるようになる。さらには、アセットマネージメント事業と同社のITテクノロジーを掛け合わせば、不動産テックといわれる利便性の高いサービスを行うこともでき、更なる成長への期待が高まる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

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