「にわか上値期待」にご用心…!?

著者:武市佳史
投稿:2018/05/10 11:06

◆巻き戻し優勢 - 109円後半へ

※ご注意:予想期間は5月11日と表示されていますが、本日(5月10日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


“原油高騰⇒インフレ懸念”を背景にして、米10年国債利回りは再び3%乗せを達成しました。
これに昨日は伊政局に絡んだ“ユーロ売り”も加わり、“ドル買い”を後押しした印象があります。

一方で「イラン核合意から離脱」後に“円買い”が進行する場面こそ見られたものの、リスク回避姿勢が台頭することはありませんでした。
巻き戻し優勢の展開から昨日は“円売り”も目立ち、ドル円は“109.80円”水準へと切り上げていきました。

◆「110円ラインを試す」と見るのが自然だが…?

ここまで来れば、やはり「110円ラインを試す」に意識が傾きやすいと見るのが自然です。
“原油高騰⇒インフレ懸念”は“リスク回避姿勢”へつながっておらず、“米金利先高観”が後押しされています。
一方で昨日の日中韓首脳会談を経て“北朝鮮情勢”まで緩和しており、「金利選好+リスク回避の巻き戻し」から“ドル買い・円売りが入りやすい”と考えられるからです。

◆ただし「にわか上値期待」にご用心…!?

ただし気を付けておきたいのは、「にわか上値期待」の存在です。
これが台頭すると“イメージは上方向”に向かいやすいものの、その分だけ“利益確定売り”が頭をもたげる可能性が増してくるからです。

テクニカル的には「“5/2高値(110.031円)”を経て、“200日移動平均線(本日は110.181円)”を目指す」と見ますが、「ここから先はもう一苦労(利益確定売りが入る可能性)」と考えて臨みたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:110.874(17/11/6~18/3/23の61.8%戻し、ピボットハイブレイクアウト)
上値4:110.346(50週移動平均線、ピボット2ndレジスタンス
上値3:110.181(200日移動平均線)
上値2:110.031(5/2高値、1/8~3/23の61.8%戻し、大台、ピボット1stレジスタンス)
上値1:109.876(5/3高値、5/9高値)
前営業日終値:109.723
下値1:109.512(100週移動平均線)
下値2:109.340(日足・一目均衡表転換線、週足・一目均衡表基準線)
下値3:109.202(ピボット1stサポート)
下値4:108.995(5/9安値、大台)
下値5:108.832(5/8安値)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー〕にて公開中。

11:18 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想