先週は、22500~23000円のボックスの上限から下限を試す動きへ
先週の予測では、海外投資家はクリスマス休暇に入っていき、アメリカのFOMCやエルサレム問題、税制改革法案の一本化などが注目となり、日経平均は23000円からは上値重く様子見ムードとなるとしました。
結果的には、週始めこそ△127円の22938円と高値引けとなったものの、その後は海外投資家のクリスマス休暇を前にした利益確定売りと円高を背景に主力のハイテク株中心に売られ、日経平均は12日(火)から15日(金)まで4日続落となり、一時22500円を割れましたが週の終値では▼141円の22553円と22500円を守って引けました。
11日(月)は、前週末のアメリカ株高と円安を受けて、後場に日銀のETF買い期待から大引けにかけて上昇幅を拡大し、△127円の22938円で引けました。但し、特別に材料もない上昇であり需給関係からの上昇とみられました。12日(火)は、前日のアメリカ株高にもかかわらず前日まで日経平均は3連騰で約761円上昇し、約1ヶ月ぶりの年初来高値となったことで、利益確定売りが出やすく、買い材料もないことから▼72円の22866円と4日ぶりの反落となりました。
13日(水)は、前日のアメリカ市場でナスダックやフィラデルフィア半導体指数が安く、ハイテク株中心に売られて▼108円の22758円と続落しました。 14日(木)は、FOMCの結果が予想通りの0.25%の利上げと2018年経済見通しの引き上げ、及び、利上げの見通しはこれまで通りだったこと(ハト派的内容)、さらに11月消費者物価指数(コア指数)が予想外に低下したことも加わり、米債利回り低下でドル売りとなって(113.58円→112.46円)円高進行となり、日経平均は▼63円の22694円と3日続落しました。週末の15日(金)は、前日のアメリカ市場で共和党の上院の一部議員が税制改革法案に反対という報道から年内の税制改革法案の成立が懸念され、ドル売り・株安となり日経平均は先物を交えて下げ幅を拡大し、一時▼216円の22478円と22500円を割り込みました。その後、円が伸び悩むと一転プラスの転じ△50円の22745円まで反発するものの、再び利益確定売りで軟化し、▼141円の22553円で引けました。
15日(金)のアメリカ市場は、税制改革法案反対の一部の上院議員が賛成となったことで法案の議会通過見通しが確実視され、税制改革法案が成立すれば法人税が35%→21%となり、結果として企業収益が今後3年間毎年10%以上の増益になるとの見方もあり、株価は全面高となり3指標そろって最高値更新となりました。為替は112.63円と円高水準のままでしたが、シカゴ日経先物は△165円の22685円でした。
今週は、アメリカの税制改革法案確実視を受け、23000円を試す動きへ
今週は、アメリカの税制改革法案の成立が確実視されており、これを受けてアメリカ株高が継続すれば、日経平均もサポートされて22500~23000円のボックスの上限を試すことになります。但し、税制改革法案の経済効果はかなりの部分が織り込まれている可能性高く、法案成立で目先材料出尽しとなることも考えられます。日本市場の場合はクリスマス休暇を前に外国偉人投資家の資金流入が減少してきているため、年末高を意識しても指数の上昇というより好業績の個別銘柄物色が活発化しやすいといえます。日経平均の指数が伸びる場合は、円安が進行することが必要ですが、アメリカ市場ではFOMCの発表を受けて、利上げのテンポが後退するという思惑もあり、ドルの上値が重たい状況ですので、今のところ大きな円安進行は期待できないかもしれません。
本日18日(月)は、先週末の税制改革法案の成立の確実視からアメリカ市場が3指標そろって最高値更新したのを受け△217円の22770円で寄り付き、その後も円の弱含みや先物の買いを交えて上げ幅を拡大し、後場になるとアメリカのグローベックス先物市場でアメリカの株価先物の上昇が後押しし、さらに上げ幅を拡大して△348円の22901円で引けました。目先目標の23000円が視野に入ってきましたが、指数がさらに上を目指すには、これまで相場を引っ張ってきた半導体関連の本格的な戻りが必要といえます。そのためには大きな円安進行が必要となるところですが果たしてというところです。
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(指標)日経平均
先週の予測では、SQも通過しクリスマス休暇に入ることで外国人投資家の参加は減少し、日経平均の上値は重くなるとしました。
先週は、週始めこそ前週末のアメリカ株高と円安を受けて△127円の22938円の高値引けとなりましたが、その後はアメリカ株式の好調な動きにもかかわらず日本市場は外国人投資家の利益確定売りと円高を背景に4日連続安となりました。
特に12月13日(水)のFOMCを受けて、アメリカ10年債利回りが低下し、ドルが売られたことで日経平均は利益確定売りが先行しました。週末は前日のアメリカ株安もあり▼141円の22553円で引けました。
先週は22500~23000円のボックスの中で、週始めの22938円を高値に。その後は4日連続安となって下値を切り下げ、週末の15日(金)は一時ザラ場では22478円と22500円を切りましたが終値では22553円とボックスの下限で止まりました。
今週は逆に22500~23000円のボックスの上限を目指す動きが想定されます。アメリカで税制改革法案の成立が確実視され、株高・ドル高が期待できるところ から日本株がサポートされることになります。但し、法案成立で材料出尽くしの可能性があります。クリスマス休暇を控え外国人の資金流入が少なくなることから個別株物色の動きとなりそうです。
(指標)NYダウ
先週の予測では、FOMCでの0.25%の利上げのあとの18年の利上げのペースと回数に影響され、税制改革法案は上院・下院の一本化ができなければ株価にとってマイナス要因、成立が確実となればプラス要因になるとしました。相場の動きとしては高値圏での上下動を想定しました。
結果的には、経済指標が予想を上回ったことで、アメリカ株式の3指標は史上最高値を更新する動きが続き、FOMCでは想定通りの0.25%のあとの2018年の経済見通しが引き上げられ、利上げの見通し(年3回)も変化はなかったことで株価の押し上げ要因となりました。ただし、12月14日(木)は共和党の上院議員の一部の税制改革法案反対報道が伝わり3指標そろって下落し、NYダウは▼76ドルの24508ドルと反落しました。しかし、週末の12月18日(金)は3指標そろって最高値更新となりNYダウは△143ドルの24651ドルで引けました。
今週は、税制改革法案が成立するのかどうか注目となります。税制改革法案は下院と上院でそれぞれ採決される見込みであり、可決されればトランプ大統領の署名を得て成立となります。成立すれば、経済効果は相当部分織り込まれており、材料出尽しの可能性があります。クリスマス休暇に入る関係者も多く閑散取引になることが予想されます。年末に向けて節税目的での含み損の確定が増える時期ですが、過去の統計では12月中旬から1月にかけては株価が上昇するというパターンが多いようです。
(指標)ドル/円
先週の予測では、FOMCの0.25%の利上げのあと、18年の利上げのペースや回数に対するコメントに影響を受けることになり、その他エルサレム問題など強弱対立する材料があるもののドルは底堅い動きになるとしました。
FOMCでは、2018年はこれまで予定されていた年3回の利上げにとどまるということでドル売りが活発化し、113.75円から112円台前半までドルが売られました。さらに共和党の一部議員が税制法案に反対という報道で112.03円までドルが売られました。その後、賛成を表明したことで112.74円まで戻し112.63円で引けました。
今週は、税制法案が成立する可能性があり、そうなるとドル買い材料になります。一方でFOMCでは2018年は年3回の利上げというこれまで通りのコメントとなりましたが、パウエル氏の議長就任を含めて人事刷新が予想されるため、利上げの継続については懐疑的な見方が広がりやすいといえます。そのため経済指標が低調であれば、利上げペースの鈍化の思惑が広がってドル売り材料となりやすいといえます。つまり強弱する材料が交じっていますので111.40~114円の間のもみあいとなりそうです。
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