相場展望と今週の注目銘柄はこれだ!

著者:出島 昇
投稿:2017/08/10 19:34

(6998)日本タングステン

 四季報によると、自動車ヘッドライト用ワイヤ需要なお縮小。電気自動車用リレー接点も在庫調整局面。ただ紙おむつ切断用の超硬合金製カッター復調。トヨタ生産方式浸透で原価低減も進捗。営業益上向く。税平常化が純益押し下げでも配当は据え置き余地。佐賀・基山工場の紙おむつ用カッター18年3月竣工で生産能力倍増。半導体製造装置向け治具の生産も視野。

 8月3日発表時点。2018年3月期本決算予想では、2017年3月期比で営業利益+20.5%の5.7億円、経常利益+16.5%の6.7億円の増収・増益の見通し。

 7月25日に半導体製造で使う部品(シリコンウエハーに回路を書き込む際に用いる部品)を開発したと発表し、急伸して309円まで上昇。その後、利益確定売りで反落。

 2012年10月16日の115円を安値に11月中旬からのアベノミクス相場にサポートされて2013年9月26日の209円まで大幅上昇後、10月8日の152円まで押し目を入れて再上昇となり、2014年1月20日の233円で当面のピークをつけ、150円水準を下値抵抗ラインとする上値を切り下げる直角三角形の保ち合い(A)となりました。この中で2016年6月24日の151円を安値に上向きの先細三角形(B)となって、直角三角形(A)を上放れし、今年の5月18日の180円まで押し目を入れたあと急騰となって7月25日の309円まで上昇しました。ここをピークに買われ過ぎからの大幅下落となっています。
 
<a href=(6998)日本タングステン" width="350" height="400" class="alignleft size-full wp-image-62403" />
 

(5609)日本鋳造

 四季報によると、期初受注残40億円(64%増)と復調始動。素形材は鉱山建機部品が鉄鉱石市況の反発受け中小型機の受注戻る。半導体装置向けも底打ち。償却軽減され部門黒字化。橋梁部品、柱脚も耐震需要強い。営業益浮上。PCB処理など特損消滅。復元配。好採算の超大型機用は不振続くが30~50t級の中小型機用回復。鋳込み工程の滞留解消し損益分岐点低下に努力。

 7月20日発表時点。2017年3月期本決算は、営業利益、経常利益ともに約3億円の赤字転落。

 2018年3月期本決算予想は、4月20日時点で2017年3月期比で営業利益2億円、経常利益2億円が7月20日時点では営業利益3.5億円、経常利益3.5億円の黒字転換に上方修正。

 材料…同社が開発した究極の熱膨張ゼロ合金材料(LEX-ZERO)が半導体、液晶製造装置、工作機械、精密機器、医療機器、光学機器向けに引き合い拡大中。

 2012年10月15日の76円を安値に11月中旬からのアベノミクス相場にサポートされて、短期の上昇トレンド(A)を形成。この中で2013年5月8日の161円の高値をつけたあと、いったん調整入りとなり2014年2月4日の99円まで下げて急騰し、3月13日の310円でピークとなりました。ここをピークに急落し、その後、下降トレンド(B)へ転換して、この中で2016年2月12日の78円で底打ちとなりました。ここからの反発で4月21日の123円まで上昇したあとは94~113円のボックス相場(C)へと移行していましたが、11月9日の96円を安値に上放れとなって、今年の7月31日には黒字転換の見通しで191円まで上昇しました。現在は8月1日の147円まで下げ押し目を入れているところですがリバウンド狙い有利といえます。
 
<a href=(5609)日本鋳造" width="350" height="400" class="alignleft size-full wp-image-62404" />
 

(6924)岩崎電気

 四季報によると、LEDはスポーツ施設向け投光器が堅調。工場向け高天井照明も省電力対応製品など伸長。光・環境は低採算案件が消え、在庫評価損も一巡。価格競争厳しいが歩留まり改善で粗利率向上。営業益底打ち。1677万色のLED投光器を発売、建物のライトアップなど光の演出用に拡販。オイルミストなど工場の特殊環境向け蛍光灯代替のLED照明も新規投入。

 8月7日発表時点。2018年3月期本決算予想は、2017年3月期比で営業利益+44.0%の14億円、経常利益+39.7%の14億円の増収・増益に回復の見通し。

 東京五輪に向けての電線地中化が進められる中で、同時並行的に設置されるであろう道路照明の新設への期待があります。

 2012年11月12日の109円を安値にアベノミクス相場にサポートされて上昇トレンド(A)を形成。この中で2014年3月7日の273円まで上昇後、いったん上昇トレンドを切って10月16日の216円、2015年3月31日の223円と2点底をつけて反発し、上昇トレンド(A)を回復して5月20日には315円の高値をつけました。しかし、ここをピークに下降トレンド(B)へ転換し、この中で業績の下方修正が相次ぎ2016年7月8日の125円まで下落しました。その後、この125円を底値に上昇トレンド(C)へ転換し、この中で今年の4月17日の151円を安値に業績回復から6月21日の182円で買転換となり、7月18日に237円まで急伸し押し目を形成しています。
 
<a href=(6924)岩崎電気" width="350" height="400" class="alignleft size-full wp-image-62405" />
 

(6104)東芝機械

 四季報によると、工作機械は受注増も長期案件多く、今期計上分少ない。が、押出成形機で2次電池関連向け大型案件寄与。射出成形機も北米等で新機種牽引。産業用ロボ増勢。営業益拡大。インド子会社の減損消滅。ブランド委員会設置し、3~5年メドに社名変更検討。東芝との共同開発等は継続。静岡・御殿場工場内に工作機械専用のテクニカルセンターを5月開設。

 8月4日発表時点。2018年3月期本決算予想は、2017年3月期比で営業利益+16.3%の52億円、経常利益+7.3%の58億円の増収・増益の見通し。

 2015年6月16日の627円をピークに、業績の下方修正もあって大きな調整入りとなりました。627円からの下降トレンド(A)の中で、2015年9月29日の362円でいったん底打ちとなって11月25日の460円まで反発するものの、ここからゆるやかな下降トレンド(B)に移行しました。この下降トレンド(B)の中で2016年7月8日の291円で底打ちとなり、もみあったあと8月8日の303円を2番底にして、9月29日に351円で買転換となって、下降トレンド(B)を上放れし、今年の3月3日に543円の高値をつけました。ここから4月17日の427円まで下落のあと、三角保ち合い(C)となって、その煮詰まったところの6月14日の499円を安値に上放れとなり、直角の高値3月3日の543円を更新して8月3日に559円をつけました。
 
<a href=(6104)東芝機械" width="350" height="400" class="alignleft size-full wp-image-62406" />
 

(6976)太陽誘電

 四季報によると、インダクター横ばいも、コンデンサーは北米や中国スマホ向け伸びる。高周波部品も中国の通信高度化受けてスマホ向け伸長。車載や産業機器向け堅調。増収効果で償却費増を吸収し営業増益。増配も。電動アシスト自転車向けを独立事業に。新事業創出へ研究開発費を積極投入。ソフトウエア企業と共同開発も視野。設備投資は3年間で1000億円計画。

 8月7日発表時点。2018年3月期本決算予想は、2017年3月期比で営業利益+21.1%の150億円、経常利益+33.9%の150億円と増収・増益に回復の見通し。

 7日発表した2017年4~6月期の連結決算は、純利益が31億円と前年同期比の14倍になった。自動車やパソコンに使うコンデンサーが好調だった。米アップルの新型スマフォ向けの部品については7~9月期から業績に寄与するとみられている。

 2015年12月1日の2074円をピークに下降トレンド(A)を形成。この中で2016年2月12日の1045円まで下落したあと、3月4日の1319円まで自律反発し、その後はゆるやかな下降トレンド(B)へ移行しました。この中で7月8日の776円で底打ちとなって上昇トレンド(C)に転換し、11月9日の937円の安値から角度の大きい上昇トレンド(D)へ移行しています。この上昇トレンド(D)の中で、7月26日の1918円まで上昇してもみあっているところです。8月7日の決算発表を受け目先材料出尽しとなって下落となっています。業績は好調であり大きな下げは買いチャンスといえます。
 
<a href=(6976)太陽誘電" width="350" height="400" class="alignleft size-full wp-image-62407" />
 

配信元: みんかぶ株式コラム