相場展望と今週の注目銘柄はこれだ!

著者:出島 昇
投稿:2014/05/30 17:26

(8078)阪和興業

 四季報2014年春号によると、独立系の鉄鋼商社。鋼材市場で存在感大。柱の鉄鋼卸は数量好転。単価改善も浸透し粗利が改善。為替差益膨らむ。15年3月期は小口需要や大型建造物向け需要増え鉄鋼卸が続伸。水産卸も堅調続く。金属原料の軟調こなし、連続営業増益。
5月12日の決算発表では、1~3月期は32%増の39億円。前期通期は66%増益に。2015年通期予想は増収・増益。
2012年8月7日の251円、11月13日の250円とダブル底の形となって、アベノミクス相場にサポートされて12月18日の285円で買転換が出現し、上昇トレンド(A)を形成。この上昇トレンド(A)の中で、今年の1月16日には576円と昨年来高値を更新し、ここで当面のピークとなって日経平均の急落につれ安する形で大きく下げました。安値圏のもみあいで3月25日の373円、4月11日の358円、5月20日の373円と3点底(逆三尊天井)を形成しつつあり、終値で421円を抜けると3点底の確定と同時に上放れの形となります。25日移動平均線(23日395円)を上回ってきており、目先は75日移動平均線(23日423円)水準でもみあうかもしれませんが、来期の業績からみると一段高が期待できます。

8078阪和興業

(4118)カネカ

 四季報2014年春号によると、モバイル向けに電子部品回復するが、化成品は原料高の販価転嫁遅れ痛い。営業増益幅は前号から縮小。15年3月期は化成品の値上げ効果が浸透。ライフはコエンザイムQ10が米国で増販、連続増益。
5月13日の決算発表では、2014年3月期は予想通りの増収・増益。2015年3月期は増収・増益予想。
5月2日「液晶パネルの光源となるバックライトの光を従来の2倍通し、スマホ画面の消費電力を従来の半分程度に抑えるフィルムを開発」と一部で報じられ買い材料に。
2011年2月10日の623円の高値から3月11日の東日本大震災を受けて3月15日の420円まで急落。ここから5月2日の601円まで反発するものの、再下落となって下降トレンド(A)を形成。この中で2012年10月1日の370円を安値にもみあい、アベノミクス相場のスタートを受けて11月15日の394円で買転換となり、急騰となって2013年5月22日の710円の高値をつけました。6月13日の584円まで押し目を入れて、7月17日の704円まで上昇し、その後は584~700円のボックス相場となっています。但し、終値ベースではこのボックスの中で上値を切り下げ、下値を切り上げる三角保ち合い(B)の形となっています。業績からみるといずれボックスの上限を抜く可能性が高いですが、当面は75日移動平均線(26日時点628円)を上回って上昇するところですが、上値はボックスの上限近辺で止まるところです。

4118カネカ

(9232)パスコ

 四季報2014年春号によると、セコム傘下の航空測量最大手。測量は主力の国内で増勢。営業増益だが、大雪による作業停滞が想定外。会社計画は未達懸念。15年3月期も震災復興や防災関連など国内の測量好調。海外も挽回。営業益好伸。配当性向30%メド。
5月7日の決算発表では、2014年3月期は予想通りの増収増益。2015年3月期も増収増益予想。
2012年の安値圏のボックス圏(A)の中で5月24日の202円、9月10日の204円と2点底をつけ、11月1日に252円で買転換となって押し目を入れたあと、11月中旬からのアベノミクス相場にサポートされて急騰、2013年5月8日の477円まで上昇しました。ここから6月7日の330円まで押し目を入れて再騰となって上昇トレンド(B)を形成し、11月18日には569円の高値をつけました。高値圏でもみあったあと今年の1月10日の531円を戻り天井にして日経平均の急落につれ安し、下降トレンド(C)となりました。この中で4月15日の369円でいったん底打ちとなり、5月21日の386円で2点底の形となり、5月27日に410円で買転換したところです。25日移動平均線(396円)を上回り、この線が下向きから上向きに変化しつつあります。

9232パスコ

(5007)コスモ石油

 四季報2014年春号によると、石油製品が後半も想定以上にマージン低調。営業益横ばいの会社計画は未達懸念。復配微妙。15年3月期は製油能力削減で稼働率上がり、採算改善。開発はアブダビ石油の生産量が回復。営業益反発。
5月21日付けで、三菱UFJ証券が「強気」に格上げし、目標株価を220円に増額。今期に千葉製油所の再稼動効果がフル寄与する点を評価。
2015年3月期は、1株配当を2円から4円へ増額予定。
2011年2月22日の317円を高値に3月11日に東日本大震災が起こり、3月15日の180円まで急落。いったん反発するものの、その後は下降トレンド(A)を形成。この中で2012年9月6日の138円、11月2日の136円と2点底をつけ、中旬からのアベノミクス相場にサポートされて11月21日に155円で買転換となって急騰し、2013年5月14日の248円まで上昇しました。ここをピークに6月7日の165円まで押し目を入れ、その後戻したあと三角保ち合いを形成し、この中で今年の2月4日の175円、3月24日の175円のダブル底をつけて煮詰まり、5月22日に196円で買転換出現となりました。25日移動平均線(28日191円)が上向きとなって、75日移動平均線(28日192円)を上抜けるゴールデンクロスとなっています。

5007コスモ石油

(4064)日本カーバイド工業

 四季報2014年春号によると、電子・光学はスマホ向け堅調。建築向け機能製品や建材関連も後半急伸。ただ材料高で前号より営業増益幅縮小。15年3月期も電子・光学はスマホ向けセラミック基板続伸。機能製品は東南ア向けステッカーや包装用フィルム増。価格転嫁寄与。
5月13日の決算発表では、2014年3月期は、10~12月期は下方修正となったものの1~3月期は計上液が41%増に。2015年3月期は増収・増益予想。
2012年9月12日の95円を安値に11月中旬のアベノミクス相場にサポートされ、11月19日に221円で買転換となって急騰となり、上昇トレンド(A)を形成しました。この中で、2013年7月8日の794円と安値の9月12日の95円からの上昇は、10ヶ月で8.3倍化の暴騰となりました。その後買われ過ぎからの急落となり、下げの過程の信用買い残が大きく膨らんだために、業績の好調さにかかわらず需給関係から戻り売りの形となって、下向きの先細三角形(B)を形成してきました。これが煮詰まったところで、5月12日の196円で当面の底打ちとなり、5月29日に252円で買転換となっています。目先は、25日移動平均線(29日218円)、75日移動平均線(29日226円)を大きく上回って過熱感があるところですので、押し目待ちが基本といえます。

4064日本カーバイド工業

配信元: みんかぶ株式コラム