<先週は、週後半NYダウの下落と円高を受けて14000円をかろうじて守る>
先週の予測としては、ウクライナ情勢の緊迫化やNYダウが高値圏にあることなど、海外要因から引き続き14000~14500円の中での不安定な値動きを想定しました。4月のSQ値の14104円を守ることができれば、14104円が目先下値抵抗ラインとして作用することになるとしていました。
NYダウに関しては、終値では史上最高値を更新しても、ザラ場での高値4月4日の16631ドルを突破できないところから、このまま突破できなければいったん短期の調整に入るとしました。しかし、逆に週明けの12日(月)に△112の16695ドルとザラ場での史上最高値を更新したことで、目先目標達成感が出て13日(火)に16735ドルまで上昇した後は一転、2日連続の大幅下落となり、14日(水)▼101の16613ドル、15日(木)▼167の16446ドルとなりました。NYダウの下落につれて10年債利回りが2ヶ月ぶりの2.5%割れとなってドル売りが加速し、一時101.32円まで円高が進行しました。
日経平均は、13日(火)は海外株高を受けて25日移動平均線(16日14296円)を上回る△275の14425円となったものの、その後は上述したNYダウと為替の動きを受けて主力銘柄中心に売られ、週末16日(金)は一時14016円と14000円割れ寸前まで下げ、終値は▼201の14096円となって4月のSQ値14104円を下回って引けました。テクニカル的には下値模索の形となりますが、早めにSQ値を回復すればまだSQ値が下値抵抗ラインとして作用できることになります。
<現時点で考えられる2つのシナリオ>
現時点では、為替からみると、アメリカの10年債利回りの金利の低水準からドル売りの流れとなっており、ウクライナ情勢は25日(日)に大統領選挙を控えて、結果によっては欧米対ロシアの対立が深刻さを増すことでリスク回避の円買いの流れとなっています。
目先は、今年の円の高値101.2円を突破すれば101円を試す動きとなり、この場合は日経平均は14000円を割ることになります。但し、為替の円高も6月からは年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による外貨建て資産への投資増額が期待されているため、下値は限定的といえます。そうなると、日経平均も世界的な割安感からみても、14000円を割って一時的に金融緩和や成長戦略に対する催促相場的な動きになっても、そこは買いチャンスとなります。以上の状況を考えると、2つのシナリオが考えられます。
・シナリオ1……直角三角形の保ち合いが続き、煮詰まって上放れ(日経平均のチャート参照)
柴田罫線をみると、昨年12月30日の16320円を高値に今年2月5日の13995円まで急落し、その後の戻りと下落の繰り返しの結果、14000円水準を下値とする直角三角形の保ち合い(A)となっています。完全に煮詰まるまでは、まだもみあい(B)が必要ですが、14000円を大きく切らずにもみあいが続いて煮詰まれば、東証1部のPER13倍台という世界的割安感からみると、上放れる確率が高いといえます。 日経平均をみても、14000円水準を下値に昨年の12月から右肩下がりの調整(日柄調整と値幅調整)が続いてきており、日足チャートからみると、煮詰まるのは6月上旬から中旬にかけてのどこかと思われます。6月には成長戦略の発表予定ですので、内容次第ではそれをきっかけに上放れというシナリオが考えられます。
・シナリオ2……直角三角形の保ち合いのいったんの下放れ
14000円を終値で切ってくることが、直角三角形の保ち合いの下放れとなります。この14000円割れは、為替の一段の円高を利用して先物主導による売り仕掛け的な動きで起こる可能性が高いといえます。ファンダメンタルズに問題はないものの、出来高・売買代金少なく、外国人の買いも少ない中では需給関係から売り仕掛けがやりやすくなります。外国人投資家は、これまで成長戦略や追加の金融緩和への期待があり、それは現状では期待はずれとなっていますので、催促相場的な下げになると13600円水準までの可能性が考えられます。しかし、下げたところは世界的割安感からみて絶好の買い場となってきます。
本日19日(月)は、為替が円の今年の高値101.20円を試す動きとなったことで、日経平均は一時取引時間中としては4月15日以来約1ヶ月ぶりの14000円割れとなり、終値では▼90の14006円でした。朝方は買い優勢だったものの買い一巡後は為替の円高に加え、上海市場が下げ幅を拡大したこともあり、日経平均の下落材料となりました。
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(指標)日経平均
先週の予測では、ウクライナ情勢と高値圏にあるNYダウなど海外要因で、14000~14500円の中で不安定な値動きが想定されるとしました。
週前半は、NYダウの史上最高値更新と102円台の円安を受けてしっかりした動きとなり、13日(火)は△275の14425円となりました。しかしその後はNYダウの下落と101円台の円高進行で3日続落となり、週末16日(金)は一時14016円まで下落し、▼201の14096円で引けました。
今週は、企業の決算発表が一巡し、25日(日)にウクライナの大統領選挙を控えて様子見ムードも出るため、引き続き14000~14500円の中で膠着感の強い展開が想定されます。現時点では、14000円が心理的フシですが、為替が今年の円の高値101.2円を上回る円高となると14000円割れも想定されますが、日本株の割安な水準を考えると下値は限定的と考えられます。円高が進行しなければ14000円水準を下値に直角三角形の保ち合い(A)の中で、煮詰まり(B)が進行し、その後上放れすることになります。
週明け19日(月)は、買い優勢で始まったものの一巡後は為替が円高に振れてきたことで一時14000円を割り込み、終値は▼90の14006円となりました。
(指標)NYダウ
先週の予測では、引き続き経済指標を睨みながら高値圏でのもみあいを想定。4月4日のザラ場での史上最高値16631ドルを更新すれば、一段高の期待ができるが、そうでなければ短期の調整も考えられるとしました。
週明けの12日(月)は、アジア・欧州株式の堅調さを受けて△112の16695ドルで買転換となって史上最高値を更新し、翌日の13日(火)に16735ドルまで上昇するものの、ここで企業決算も一巡し好材料に乏しく、14日(水)は▼101の16613ドル、15日(木)は▼167の16446ドルと2日連続の大幅安となりました。週末16日(金)は△44の16491ドルと反発して引けました。
今週は、住宅指標やFOMC議事録公開を材料にもみあう展開が想定されます。先週の5月の住宅市場指数が予想外の低下となり、住宅市場の回復の遅れに警戒感が出ています。寒波の影響が消えた春先以降、住宅市場が力強さを取り戻していると確認できるかが焦点となります。下落しても、柴田罫線では4月11日の16015ドルを切らなければ高値圏でのもみあいの範ちゅうといえます。
(指標)ドル/円
先週の予測では、ウクライナ情勢の緊迫化など円安に動きにくく、レンジを101~102.5円と円高方向の動きを想定しました。
結果的に、週前半は102円台前半の動きでしたが、週半ばからはNYダウの大幅下落でアメリカの長期金利が下がりドル売りが加速、ウクライナ情勢の緊迫化も加わって102円を切り、15日(木)には101.32円までドルが売られ、週末16日(金)は101.56円で引けました。
今週は、25日(日)にウクライナの大統領選挙を控えロシアとの地政学的リスクが高まり、リスク回避の円買い、更にアメリカの長期金利が低下傾向にあることでドル売り・円買いの流れがあり、円高方向に振れやすい状況です。しかし、6月からはGPIFによる外貨建て資産への投資増額期待から下値は限定的といえます。101~102.5円のレンジを想定。但し、今年の高値101.2円を上回る円高となれば一時100円台の円高の可能性も。
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