サンヨーハウジング名古屋、2Qは前期比・計画比で増収増益 ブランディング戦略を開始
平成30年8月期第2四半期決算説明会
小原昇氏(以下、小原):本日はお忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございます。小原でございます。本日は平成30年(2018年)8月期第2四半期の決算説明と、それから8月の本決算に向けてどのような動きをしてきたかということ。また、この先の施策についてご説明します。座ったままで、失礼いたします。
目次
まず、目次のところです。まずは第2四半期決算の概況をご説明して、それから8月の本決算に向けた業績予想についてお話しします。そして、今期の施策「未来を見据えたブランディング戦略」。実は、これ(のご説明)が初めてでして。以前はこのブランディング戦略というものはなかったのですが、今回は(新たに)ご説明させていただきます。
経営理念・経営方針
それでは(資料を)おめくりいただきまして、まずは経営理念・経営方針です。
経営理念は、私どもは今29期でございますが、創立25年のときに経営理念を刷新しました。「時代の変化に適応し、社会に愛され必要とされる企業を目指します」という経営理念を全グループで共有して進めております。
ここにある「時代の変化に適応し、社会に愛され必要とされる企業を目指す」というところが、後ほどご説明するブランディング(戦略)にも、つながっているということです。
それから、経営方針は「『住む人本位』の自由設計による快適な住まいを提供する」。これは創業来、この経営方針でやってきております。
平成30年8月期第2四半期の概況
次に、4ページです。平成30年8月期第2四半期……昨年(2017年)の9月から今年(2018年)の2月までの概況です。
まず、事業環境については、ここに書いた通りでございまして、なかなかはっきりとしない半年間だったかなということが、ざっくりとした感想です。その中で住宅市場に関しては、(住宅)着工戸数が伸び悩んでいたこともありましたが、とくに私たちの主戦場である愛知県で、市街地を中心とした住宅地では、地価の上昇が続いております。
全体的に上がっているというよりは、「これは売れる」「お客さまがつく」という土地に関して、我々業者の競争が非常に激しく、困難な状況が続いています。
そのような中で、私どもの概況です。(資料の)真ん中です。名古屋市内や周辺の人気地区での、激しい仕入競争は継続中でございます。私どもは買い上がるというようなことはせずに相場観をもって、他社がこれ以上上がるのであれば、当社も変えていこうということで、目標が狂うということが、この半年間はどうしても発生しました。「(適所の商品投入で)慎重かつ柔軟な土地仕入を展開」と書いてありますけれども、一言で言うと、土地の仕入れには非常に苦労したという半年間でございました。
それから、戸建住宅事業においては、引渡棟数を当初は330と計画しておりましたが、341ということで、計画を上回ったということです。また、グループ会社の一般請負工事事業でも、順調に施工できたものがあったということで、連結・単体ともにこの第2四半期の業績は、前年同期比で増収増益。また、計画比としても達成という、いい結果が残せました。
(資料の一番下の)施策です。主力の愛知県深耕をさらに加速させるということで、「サンヨーデザインギャラリー名古屋西支店」を6月1日に中川区に開設する予定で、今は準備万端で整っております。
中川区に新しい支店ができますと、現状の栄支店の地域を担当しますので、予定では栄支店のメンバーが「サンヨーデザインギャラリー名古屋西支店」に移籍することになります。ちょうど栄のど真ん中にある栄支店が空き家になりますので、そこについてはVR・3D-CAD体験支店としてリニューアルして、新たな顧客層獲得をしたいと(考えています)。今まで対象としてこなかったお客さまを獲得していこうということで、施策を進めています。
それから、後ほど詳しくご説明しますが、未来を見据えたブランディング戦略をスタートさせております。
連結 業績サマリー 損益計算書
5ページです。数字を申し上げます。
連結では、売上高は166億4,400万円、経常利益は6億6,800万円、四半期純利益は4億6,200万円ということです。売上高は前期比で12億円増収、計画に対して6億9,600万円上回りました。経常利益も前期比で1億4,700万円増益、計画に対して1億9,000万円上回ることができました。四半期純利益も同じように、前期比・計画比ともに上回っているということです。
(資料の)下の四角に書いてありますように、なぜそのようないい結果となったか(のご説明)です。まず、戸建引渡棟数が357棟ということで、前期に対して36棟増やすことができました。計画に対しても、連結で11棟増えました。マンションは、後ほどご説明しますが、上期の引渡は0戸となりました。通期でいけば、予定通りということです。
連結 業績サマリー セグメント売上高
資料をめくっていただきまして、6ページのセグメント売上高です。
戸建住宅事業は131億7,500万円。これは、サンヨーハウジング名古屋本体と、静岡にある五朋建設株式会社が担当しております。前年同期比で6億300万円の増収、計画に対しても3億1,200万円増収ということです。計画に対して3億1,200万円増えたのは、引渡棟数が11棟増加したことが、大きな要因です。
それから、マンション事業は、先ほども言いましたように、前上期も今上期も引渡がなかったのですが、通期では55戸の引渡を計画しております。マンション名で言いますと、名古屋市内にある車道(くるまみち)が21戸、金山が34戸です。
車道では3月から引渡が開始しておりまして、21戸のうち、今日現在で未契約のものは1戸です。20戸については、3月からすでに引渡が順次開始しておりますので、第3四半期から業績に入ってくるという状況です。
金山はまだ施工中で引渡は8月ですけれども、実はすでに完売しています。計画した販売促進費を最初の計画では、竣工・引渡をしてからおよそ半年ぐらいまでと、事業計画としては組んでおりますが、それをまったく使わずに済みますから。マンション事業については、多分利益については相当上振れするような、通期見込みになっております。
一般請負工事事業も、ここに書いてある通り、上期は順調にきておりますし、下期に向けても順調です。これをしっかりと引渡できれば通期に向けても、なんとか明るい兆しかなというところです。
このあとの7ページから9ページは、売上高・営業利益・経常利益・四半期純利益の推移を示しておりますので、お時間があるときにご覧ください。
連結 受注・引渡棟数
10ページに進みます。連結の受注・引渡棟数が書いてあります。
連結で、受注については、戸建が362棟・マンションが41戸ということですが、マンションの41戸に関しては、今は54戸まできています。
引渡棟数は(資料の)右側にございますように、計画の346棟に対して、戸建が357棟。前期(平成29年2月期)の321棟に対して好調だったのですが、左側の受注棟数を見ていただくと、計画・前期に対して、戸建の受注棟数に届いていないということで、ご懸念が生まれるかと思います。
要因はたった1つでございまして、先ほど申し上げた、土地の仕入を慎重にやっているということがございます。上期の6ヶ月の仕入棟数で見ると前期並みなのですが、契約をしてから販売までの造成に2ヶ月ぐらいかかります。実は、契約日ベースで見ると、前期並みの仕入ができていますが、販売するための造成が後ろ倒しになってしまって、3月や4月ごろから売るような受注になってしまっているというところが、少しへこんだ状況です。
連結貸借対照表
11ページをご覧ください。連結貸借対照表を載せています。
ここでご説明申し上げたいことは、昨年平成29年8月期との比較です。たな卸資産が、27億2,500万円増えて196億7,100万円になりました。ただ、そのうちマンション・戸建を含めて受注済みなのは、91億5,100万円です。あとは引き渡すだけということです。未受注在庫としては、105億2,000万円という状況です。
(資料の)右側の四角の中に書いてあるように、未受注の戸建住宅事業の在庫は、前期末比で10億500万円増えました。これは以前ご説明したように、私たちは土地を建築条件付きで買っていただいているものが、主力でございます。土地の引渡等を円滑に行うために、私たちが推奨する建物を建ててしまうという一般的な建売についても、少し増やしてきております。増やした結果、その在庫が増えているということです。これは、3月以降順次売っていき、8月までに売上・利益を計上しようという計画です。
それから、有利子負債が昨年(2017年)の8月に比べて、32億8,200万円増加しました。これも、ちょっと一時的な要因でございます。私たちは、自己資金プラス借入によって、土地を仕入れております。完成していき、順次返済していくことをぐるぐると回していたのですけれども。
ちょっとここにきて、中長期で金利の上昇の気配が感じられたということで、思い切って25億円、いろいろな銀行さんと交渉しました。長期の資金を固定で、現在の金利になる前の水準で借りましたので、その分が増えました。
その後、増えた分について、借りた分を返済しておりませんので、借りて手当をした土地・建物が売れるたびに返していきます。計画では8月になりますと、増えた25億円が消えているということで、またもとの水準に戻るという状況です。
単体 業績サマリー 損益計算書
それから、12ページへ進みます。単体です。単体も同じように、計画比・前期比ともに増収増益です。売上が計画に対して2億7,200万円増えました。これは、下に書いてございますように、計画に対して11棟増。330棟の計画でしたが、341棟の引き渡しができたということです。
ただし、売上高の2行目に書いてございます販売単価が、前年の上期に比べて186万6,000円減少した結果、3,573万円となりました。これは、「LAUGH HOUSE」の投入によるものです。建物を、私どもの規格で通常の自由設計よりも少し下げられないかということで、工務店さんなんかとも交渉して、建物でだいたい200から300万円くらい下げられる商品を開発しました。その下がった分を土地の仕入れに充てようということで、やってきております。
自由設計と違って追加が出ないということがあって、当初計画した販売価格で売るだけになります。その結果、「LAUGH HOUSE」が少し比率が増えたこともありまして、単価が下がったということで、もちろん単価が下がりますと、利益もその分下がります。
下期に向けては、通期で単体770棟の引渡目標ですけども、「もう少し積み増しをして引き渡さないと、棟数は達成したけれども、もしかしたら売上と利益が計画より達成しないということにならないか?」ということで、今全力をあげてやっているところです。
それから、下期に向けた受注残が358棟で、前年同期末比で32棟減ったのは、先ほど申しましたように土地の仕入れのためです。とくに、自由設計の土地の仕入れが後ろ倒しになって、3月・4月の売出しがあって、2月末で切りますとこのような状況になりました。
13ページから16ページは、単体の売上・利益です。左側が前年、右側が計画、それに対する差異です。これは、またお時間があるときにご覧いただければと思います。
平成30年8月期 連結 売上計画
先へ進めさせていただいて、19ページです。平成30年8月期の連結業績予想です。この数字は、昨年10月に公表させていただいた業績予想を変えてございません。
上期が計画に対しても達成、前期比増収増益という好調だったんですが、現段階では期末については変えずに、お示ししている連結・単体を必ずやり遂げて、もちろんやり遂げれば前年に対して増収増益で、計画に対しても達成です。
実は、通期でお示しした計画達成って、高い目標をお示ししてたので、増収増益を何回も繰り返してるんですけども、計画達成は平成18年8月期以来ということで、そこに向けて今、最後の8月31日まで、グループ全社で突っ走っていく状況です。388億4,500万円の売上について、なんとしても達成するということで、今走っております。
平成30年8月期 連結 営業利益計画
それから、20ページです。営業利益の計画では、「サンヨーデザインギャラリー名古屋西支店」(開設に伴う)費用の4,200万円については予定どおり使うということと、プロモーション強化費用も予定通り使うということで、計画してございます。
平成30年8月期 連結 受注・引渡棟数計画
22ページは、通期に向けた連結の受注・引渡の計画です。
マンションについては、先ほど申しましたように、もう55戸は完売目前ですので、今は来期の物件の準備を始めていたり、再来期の物件の土地の仕入に注力したりしている状況です。
それから、戸建については、いずれにしても静岡の五朋建設とともに、連結で804棟を引き渡そうということで、今は最後の追い込みにかかっている状況です。
サンヨーデザインギャラリー5号店の開設
それでは、先へ進めさせていただいて、今期の施策と未来を見据えたブランディング戦略でございます。
まず24ページです。以前もちょっとご説明しておりましたが、(「サンヨーデザインギャラリー5号店」のオープンを)本当は4月1日を予定しておりましたが、実は建確が下りるのに少し時間がかかりまして、少しずれ込みまして、6月1日にオープンします。
(資料の地図が)少し小さくて見にくいんですが、愛知県内について、この「サンヨーデザインギャラリー5号店」で、ほぼ自由設計をしていただくお客さまの施設としては網羅できたかなということでございます。この5ヶ店については、今後ますます自由設計・建築を買っていただいて、お客さまの家族構成やライフスタイルに合わせていく自由設計に、どんどん注力していこう。このようなことでございます。
栄支店リニューアル 《ハウジングラボSAKAE》
それからめくっていただいて、25ページです。「サンヨーデザインギャラリー名古屋西支店」が担当する地域は、今は栄支店が担当しておりまして、栄支店の人員がほぼそちらへ動きます。(それにより)空き家になりますので、そこに「ハウジングラボSAKAE」ということで、リニューアルオープンします。
これはおそらく、計画では6月に(栄支店の人員が)抜けた後ですので、7月に入るくらいにはオープンさせたいということで、淡々と準備をしております。立地がいいことがあって、3D-CADやVRで自由設計、建物を建てていくところの体験をしていきたいことと、それから新たな顧客層の獲得ということで、3つ書いてございます。
まず、地価の高いエリアでの3階建住宅の供給をしていこうということ。
次に、高額物件への取り組みということです。ここに書いてありますように、私どもは愛知県内で、例えば建築条件付きで土地を買っていただいて、自由設計で建てていただいて、平均するとだいたい土地が35坪から40坪くらいです。30坪ぐらいの建物をつけてお引渡しして、(その場合は)一次取得者さんがほとんどでございますから、平均販売が3,500万円とありましたけれども、場所によっても4,000万円を超えるものはなかなか、供給しようとしていません。
例えば、「この場所だったら3,800万円で売りたい」と言うと、私どものいただきたい利益があって、建物の原価があって、(それらを)さっ引くと、土地に充てられる金額が出てきます。ここに書いてございますように、名古屋市の昭和区とか、いわゆる坪80万円・90万円くらいするところですと、私どもは見送ってきました。
要するに、私どもの買値が坪80万円とすると、40坪をつけるとそれだけで3,200万円ですから、できあがりには5,000万円ぐらいになってしまうので、私どもはそういうものを見送ってきていました。今後は見送らずに、「40坪つけられないから、25坪で狭小3階建を建てて供給してみよう」とか、あるいは「逆に40坪つけて、自由設計で販売価格6,000万円」という顧客層にも対応していこう。
このようなことをやろうという考えで、新しくなる栄支店では、それにトライしようと(考えています)。既存の店舗でやりますと、いわゆる手頃・妥当な価格だと思われているのを、値引きもせずに自由設計で売っているところで、狭小3階建も売らなきゃいけないとか。あるいは、7,000万円〜8,000万円で買える顧客を見つけなきゃいけないと混乱しますので、栄支店で特化してやっていこうという状況です。
それから、大規模宅地開発への挑戦ということです。名古屋市近郊、例えば北名古屋とかの名古屋市の周辺部で、私ども平均しますと3.何区画というのが、仕入れている土地の平均ですけども。少し、町並みを作れるような大きな土地にもトライをしよう。このようなことで、今まで供給していないお客さまに対してもやっていこう。
とくに狭小3階建は、みなさんもよくご存じの、東京のオープンハウスさんが一昨年(2016年)11月から出てきまして、我々の感覚からするとびっくりするような狭い3階建をどんどん建てております。売れてるような売れてないようなと思っていますが、意外と売れていることもあって。だからやっぱり、名古屋でもそういうニーズが少し湧きあがってきたのかなということもありますので、我々もトライをしてみようということです。
未来を見据えたブランディング戦略①
実は私どもは29期目で、この11月で30年目を迎えるんですけども、大きな決断です。「未来を見据えたブランディング戦略」ということで、昨年の夏秋くらいから、「来年30年目になるよねと。ここまではなんとかやってこれたんだけども、この先の10年、20年、30年先って、どうなるんだろうか?」というところからスタートしました。ここに書きましたように、間違いなく購買する方々は減る。人口が減る、世帯数は減るということがございます。
それから、そういう中で立ち行かなくなっている同業者もいますが、まだまだがんばっているところはがんばっていますので、需給バランスが相当崩れて、供給過多になるだろうということです。
そのような中で私どもが、経営理念にありますように、「時代の変化に対応して社会に愛される会社になるためには、どうしたらいいんだろう?」ということで、未来を見据えたブランド構築をしていこうということです。
「『ブランド』って、いったいなんだ?」という初歩的な勉強から会話をすることでスタートしました。具体的には、今年(2018年)の1月の社員総会のときに、本当に(ブランド構築の)入口のコンセプト……「このようなことを我々は、先の20年・30年に向けて、何かやらなきゃいけない。ブランドを構築しなきゃいけないんじゃないか?」という、本当にコンセプトの触りみたいなものを発表して、その場でプロジェクトに入りたいと手を挙げた20名で、スタートしました。
20名でグループを作ってスタートをして、あらゆるステークホルダーが当社にはいますが、「お客さまがまず名古屋で家を建てようと思ったら、『サンヨーハウジングに行ってみようじゃないか』という存在になりたいね」とか「複数の中から選ばれるということではなくて、まずは(サンヨーハウジングに)聞いてみよう」とか。それから、勤めている社員にとって、「サンヨーハウジング名古屋に勤めていてよかったね」という存在になりたいというコンセプトから、20名のプロジェクトがスタートして。
未来を見据えたブランディング戦略②
4月の社員総会のときに、まだこれも完成していませんが発表されたのが、27ページです。「何をやっていこうか?」ということで、これからどんどん詰めていって、順次実行していくわけですけれども。
新たな「商品ブランド」を作ろうじゃないかということで、まずは「高いデザイン性を実現する新たな意匠設計方式」とあります。今まで、私も自由設計でいきますと「(どのような)家族構成で、間取りをどうしましょう?」というところから始まってきました。どちらかというと、外観とかデザイン性については、あまりこだわりがなかったのですが。
(そこから変えて)まず、見た目。外観のデザイン性を確定しておいて、その中で自由設計をしてもらおうということを、今模索しています。「かっこいい家」といいますか、「住みたい家」。このようなことを、自由設計ないしはデザイナーズハウスみたいなかたちで、やっていきたいということ。
それから、(資料上部の)四角の中の2つ目です。「同業他社を上回る充実したアフターメンテナンス体制」ということで、住宅供給会社各社で、それぞれアフターメンテをやっています。ほとんどが、法的に要求されている瑕疵担保履行法とかで、「それは満たしています」ということで。それ以外については「対応していない」とか、あるいは「対応するとしても有料だ」なんてことなんですが。
私どもは、買っていただいてから長いお付き合いをするということもありますので、今どのくらいの費用を負担しなきゃいけないかという試算もしていますけれども。私どもは買っていただいた折ではなくて、買っていただいてからどこかでアフターサービスをやっていこうということです。
これは私どもの社長が「ロールス・ロイスって、なんでみんなブランドだと思っていたり、憧れているんだ?」と。逸話かもしれないけど、アラブの石油王が砂漠の真ん中にロールス・ロイスがエン故して、携帯で連絡したら、ロンドンからヘリコプターが来たというような(笑)。
(会場笑)
小原:そういうこともあったりして(笑)。そこまでできるかどうかは別ですけれど、そんなことをイメージしながら、我々引渡をした後、きちんとやっていこうと。このようなことです。
それから、「インターネットを活用した営業手法・販売戦略」というところ。私どもは売建主体でございましたので、「これから買う可能性のある方は、どこにいるか? 賃貸住宅だよね」ということで、(従来は)伝統的な飛び込み営業1本に絞ってやってきたということですが、やっぱりここへ来てホームページあるいはSNSからの契約もどんどん増えていますので、そちらにもどんどんシフトしていくことも考えていたり。
それらを含めて、ロゴやキャッチコピー、それからプロモーション。このようなものも、順次スタートさせようということで、やってございます。
会社概要
それから、会社概要です。何回もお聞きいただいている方もいらっしゃいますけど、ちょっと初めての方もいらっしゃいますので、会社概要を簡単にご説明します。
平成元年11月16日に設立をしまして、今29期目です。来年30期に入ってくる節目のところです。平成14年7月に東証・名証2部に上場させていただいて、2年後の平成16年、東証・名証1部指定にさせていただいたということです。
現在、資本金は37億3,200万円。社員数は、単体で349名、連結で489名。こんな状況です。
ポジショニング
私どもが扱っている主力の商品・土地を買っていただいて点建築条件付きの土地を買っていただいて、オーダーメイド住宅を作るというところが、どこに位置するかを、買う方、お客さまから見たポジションです。
土地をお持ちの方は、注文住宅を発注します。ハウスメーカーや地元工務店です。安い商品だと、タマホームさん・積水ハウスさんとか、大和ハウスさんとか。そうそうたるハウスメーカーさんがいらっしゃる。名古屋で言うと、トヨタホームがいると。こんな状況です。
ほとんどの方が土地をお持ちではないので、どうするか? 分譲マンションを買うという方法があります。私どもでは、サンヨーベストホームという子会社が、名古屋市の中心部でマンションを供給しているというのもあります。戸建が希望の方は、建売を買うのがほとんどです。
とくに飯田グループさんのようなパワービルダーが、ここにきて台頭していますので、かなり昔に比べれば、安価で手に入るような状況になっているかと思いますが。私ども建売についても少し比率を上げてきて、デザイン性等にも気を配りながら、建っているものも売っていこうと。このようなことをやっています。
その下にございます、建築条件付き土地です。土地を建築条件付きで買っていただいて、オーダーメイド住宅を建てるのが、当社が設立来やっている主たるビジネスです。
事業拠点
それから、先へ進めさせていただいて、事業拠点。愛知県が主体でございますけれども、愛知・岐阜・三重・静岡に加えて、関西、大阪と兵庫。3年前に石川県、金沢にも出してございます。
事業展開
それから、事業展開でございますけれども、戸建住宅事業。これがだいたい、毎年半期で切ろうが通期で切ろうが、約8割くらいです。それから、マンション事業がだいたい5パーセント前後。残りが一般請負工事事業で、巨勢工務店・ジェイテクノ・宇戸平工務店というグループ会社が担当しています。いうことで、いずれにしてもお客さまの住まいに関するニーズに応える会社しかない。ジャンルとしては、建設・不動産でございます。
それから、33ページ・34ページについては、当社のビジネスモデルは、建築条件付きの土地を買っていただいて、自由設計でお客さまに供給するビジネスと、一般的な建売のビジネスの比較をしたものです。購入物件・購入予算・販売方法・経営的特徴等で比較していますので、お時間のあるときにご確認いただければと思います。
顧客層(販売ターゲット)
35ページは、この上半期の顧客層です。平均年齢35.5歳でした。(調査をした)1年目が35.7歳ということですが、もう毎年毎年、半期のデータ・通期のデータで35.何歳と、このような状況です。
それから、契約者の方の年収です。平均年収で550万円ということですが、主力としては400万円から600万円くらいの方々に対して、私どもは販売しているということです。
とくに、今は住宅ローンで各銀行さんに非常に競争していただいていて、極めて低金利でございます。だいたい3,000万円くらいの住宅ローンを借りても、ボーナスを併用しないで35年だと、月々の返済はだいたい2桁にはならないということなので。幸いなことに、賃貸住宅の家賃が下がっていないので、かなりそういう意味では、売りやすい状況にはあるかなと。
平均販売価格については、3,573万4,000円ということで、ちょっと前期に比べて下がってきています。
当社のビジネスフロー・体制
それから、36ページの当社のビジネスフロー・体制でございます。
①土地の仕入・商品企画、②潜在顧客の発掘、③販売・資金計画。いわゆる土地を仕入れるところと、お客さまを見つけるところは並行して進んでございます。④で建築条件付土地売買契約とかが入っていきます。
①仕入・商品企画 【用地仕入部・企画開発部】
ちょっとめくっていただくと、順番に書いてございます。
まず、37ページ。仕入のところです。何回もご説明しますように、私どもはノルマがあってどんどん仕入れるというようなことではなくて、企画開発部ですべて現地調査をして、地歴なども調べて、「お渡ししていい土地なのかどうか」は、かなり慎重に……値段だけではなく、過去に何か起こらなかったかというように、かなり「土地を売っている」という意識を強く持ってやっています。
物件情報収集件数は2,123件ありましたが、検討物件は433件。その下にいきまして、購入したのが106件。区画は378区画ですから、かなり絞り込んだ中で買っていることになります。
②潜在顧客発掘 【営業本部】
それから、38ページは営業本部で、潜在顧客の発掘です。買う可能性がある方がどこにいるかが、非常にわかりやすい商品を扱っていますので、賃貸住宅に伝統的な飛び込み営業をかけているということでございます。
ただ、過去に比べると、やっぱり飛び込みも件数も減ってきましたし、その中でこの上半期でいくと、月に8万4,000件飛び込んで、1,178枚は連絡先を教えていただけたということです。71件で1枚いただけたということで、過去に比べると少し効率が良くなっていますので。そういう意味では、とくにここへきてまた賃上げ等もあるようなので、こういう購入意欲が少し高まってきているのかなという気配を感じ取れるデータだと思います。
それから、飛び込みだけではなくて、サンヨーデザインギャラリーでは、イベントもやって集客をするようなことも、積極的に始めています。
③物件紹介・資金計画 【営業本部】
それから、39ページのところでは、お客さまに対して現地をご案内したり、資金計画をご提案したりということです。
④建築条件付土地売買契約 ⑦工事請負契約 【支店統括部】
それが済んで契約になりますと、40ページです。建築条件付きで土地の売買契約をして、2ヶ月間の設計・内外装を練っていただく。もちろん設計士がアドバイスをしますし、コーディネーターが付いています。それが終わりますと、工事請負契約を結んで、そこから着工していく。こんなビジネスです。
⑤プランニング(設計) 【建設部】
めくっていただいて、41ページが、建築条件付きの土地を契約したお客さまに対して、プランニングの打ち合わせ。
⑥インテリアコーディネート(内部仕様)/エクステリアコーディネート(外部仕様)【建設部】
インテリアや内外装を打ち合わせをしていって、それが終わりますと、工事請負契約をします。
⑧着工・施工 【建設部】
43ページで、着工・施工に移っていきます。
⑨融資・諸手続き 【支店統括部】
そして、竣工がほぼ見えてきた段階で、45ページです。お客さまに融資のお手伝いをしたり、お引き渡し後の登記のお手伝いをしたりというようなことをやります。
⑩引渡 【支店統括部】 ⑪メンテナンス【建設部】
その後、45ページがメンテナンスです。ここについても、今日の資料にはここまでしか書いていませんが、次回以降は、たぶんメンテナンスとかアフターサービスを徹底してやるという体制についても、またご説明できるかと思います。
すみません、ちょっと足早でございましたが、時間でございます。私どもの説明は、以上とさせていただきます。ありがとうございました。
質疑応答:「充実したアフターサービス」の精密さは?
質問者1:スライドの27ページの中で、「同業他社に真似できない充実したアフターサービス」とありますが、本当に同業他社はやっていないと思うので、会社にとって買った人にとって、両方にとっていい結果が出ないと、コストがかかるばかりじゃないですか。
このあたりは、もっと明確な目的、指標みたいなものがあってやっているのか、とりあえずブランディングなのでやってみようというのか、精密さはどうなっていますか?
小原:精密さでいきますと、今おっしゃられたようなところまでは、まだ詰め切れていません。ですが、実際に同業他社について、ほとんど調べ上げまして、やらなければいけないことは全社で行っていますが、そこから有料でオプション(をつける)。
それから、「ご対応できません」というものがありましたら、それはマトリクスにして、当社としてどこまでやるかということで、今、試算をしています。
現在の試算では、それほど大きな金額でもないということなので、むしろ(吟味しているのは)その体制です。今のところ、24時間受付体制にしようと(考えています)。もちろん外部に委託してです。
よくポスティングなどでありますが「水の110番」のようなところに流れているものを、私どもが企画した家については、私どもに連絡をいただく。
利益を圧迫するかもしれませんが、そこで私どもが目論む効果としては、「サンヨーで買ってよかったから、次の代が家を買うときもサンヨーに行ってみな」とか、あるいは友人、知人に、そのようなお話をしていただくというところです。「本当によかった」と思っていただくという目的で、行っていこうと考えております。
質問者1:もう1つ、建売をはじめられたじゃないですか。いくつかオプション付けたら建売もそこそこ儲かるのかなと思いますが、そのまま建売なのか、まだ何か(オプションを)残した建売なのか、そのあたりについてお願いします。
小原:LAUGH HOUSEというのは建売です。とくに他社さまにご協力いただいて、「年間これだけ発注するから」ということで単価を下げたという面があります。
資材も、もちろん交渉しましたが、残念ながら円安傾向で、なかなか資材屋さんは(単価を)下げてくれないということがあります。それでも建物で200~300万円に抑えられました。
もう実際に建ててしまっている物件もありますが、建確をおろしておいて、(まだ)建てていなくて、私どもの社内ではプラン売りと言っていますが、「このプランで建てます」というプラン売りがあります。本来はプラン売りであったり、建売商品なので、いわゆる企画ものなんですが、自社営業マンが、お客さまに自由設計ができるマージンがあるということで、一部お客さまの要望に応えるケースもあります。
質問者1:逆に手間がかかってしまう?
小原:手間がかかります。しかし一方で、名古屋東支店、長久手市や名東区などの土地も、そこそこの値段なのですが、それなりの収入があるサラリーマンさんが住んでいるあたりでは、土地を仕入れるときに他社に負けないように、今言ったLAUGH HOUSEでいこうと、あるいはLAUGH HOUSEのブランドでいこうと(考えています)。
それで土地の値段を出して、買えたと。その土地を販売しはじめてから、お客さまが「自由設計に変えられないか」ということで、いったんリセットして自由設計にするというケースが出ています。そのケースの場合は、見送らずに非常に土地がうまく買えて、自由設計をやった時と同じ利益がとれるということも発生します。そのあたりも、わりと柔軟性を持って行っています。
質問者1:ありがとうございます。
質疑応答:営業方針を変更する予定はある?
質問者2:今までずっと、賃貸住宅への飛び込み(営業)1本ということでしたが、これから、その営業方針は変える方向はないんですか? 何か違った方向があるんじゃないかと思うんですが。
小原:今までの飛び込み営業を捨てようという気はありませんし、自由設計でお客さまのライフスタイル・家族構成に合わせた建物を供給するということは、捨てる気はありません。ただ、端的に言うと、今まで販売方法は飛び込み1本、持っている商品は1つだけというところから、商品も複数にしてきましたし、販売方法も飛び込み1本から、集客をする(方法を採る)。
あるいは、もう今はネットの時代で、ほとんど新聞とらない方ばかりで、どちらかというとみなさんタブレットを使ったりしているので、新聞折込(広告)ではなく、そこへの露出をどんどん増やさなければいけない。そのようなこともやっていかなければいけないと思っています。
それからもう1つ、先ほど言いましたブランディングとして、外観・見た目の「今までにないデザイン性の家」。設計部で、いくつかパターンも、がんばって作ってますけれども、それを広告塔のようにして、自由設計をやるデザインギャラリー店舗でいくつか(物件を)建てて、(実際に)建てないとお客さんはなかなか来てくれません。
(営業で)飛び込んだお客さんも、以前に比べたら、なかなか捕まえきれてないという面がありますから、やはり(物件を)建てて見に来ていただいて、「実は我々は自由設計ができるんです」と。このような販売もしなければいけないかなと(思っています)。そのへんも、先ほどの販売戦略のところでは、営業部が中心になって練り込んでいるところで、飛び込み1本というのは少し変わってくるのではと思います。
質問者2:顧客数を見てますと、たぶん共稼ぎの方が多いと思うのですが、そうすると昼間に(営業に)行ったって(家に)居ない。ということは夜に行かざるを得ないとか、その辺りでは、働き方改革とまったく逆行してしまうことになりますよね(笑)。
小原:例えば、19時にお客さまのところに行って最後の商談があるのであれば、その日は12時から出社させるとか。ということを考えていかねばならないのかも知れません。働き方改革にも合わせながらということで、それもブランディングの1つだなと思っています。
質疑応答:土地仕入の時期について
質問者3:土地仕入のところで、ちょっと確認をさせていただきたいんですけれども、上期は、少し後ろ倒しになっているということですが、全体としてはLAUGH HOUSE用の土地仕入を強化することで、棟数は下期に挽回するということでしょうか?
小原:LAUGH HOUSE用は、ほぼ計画どおりに来ています。一方で、土地を買っていただいて自由設計で建てるための土地が、6ヶ月の前期比較で見ると、ほぼ同じくらいの区画は確保できたんですけれども、1年前(2017年8月期)は9月・10月・11月くらいに契約ができて、年明け1月・2月から造成が終わって販売できていました。とくに、1年前の2月が、同月で過去最高の80契約を超えました。
契約ベースで見るとほぼ(前期と)同じように見えるので、「あれ、仕入もそれほど落ち込んでいないのに、どうして受注が落ち込んだのかな」と、よく分析してみたら、今期は9月・10月・11月に契約ががなかなか入っていなくて、2月までに契約するところまで持ち込めなかったという状況です。
LAUGH HOUSE用の土地はもう完成済、もしくは今月・来月に完成してくるものも計画どおりに進んでいますので、あとはお客さまと契約すれば、この(2018年)8月までの供給、今期中の業績に反映できる予定です。
来期(2019年8月期)以降に向けた自由設計の土地の契約をして、いわゆる受注残として今期末に持ち越すべく注力して、3月・4月くらいから各支店、とくに有力店舗に土地の供給がいきはじめましたので、そこを今がんばっているどいう状況です。
質問者3:ということは、今期の受注棟数のご計画は、ほぼ順調だと、もう見えてきている状況なんでしょうか?
小原:見えてはいないのですが、自由設計は施工がぶれない限り、数は決まっています。770という公表した数字、社内的にはもう少し上の目標ですけれども、足りていない部分については、完成したデザイナーズハウス、もう建っているもの。加えて、4月・5月・6月くらいに完成してくるものを各支店ごとに、もう一度計画を伝えてあって、その分、契約をして、お引渡しして、今期の業績を作ろうと。
一方で、それに注力し過ぎずに、売建も計画どおり受注をして、プランニングして、内外装を決めて、施工に入って。例えば、8月末のものであれば受注残、11月に引き渡しなど、そのような数字もしっかりと作ろうということで動いています。
質問者3:その後者で挽回するというか、補うところは、ちょっと当初の想定よりも(価格が)高めのところでも土地を購入されて、そのかわり建築コストを200万円、300万円下げられるので、トータルの価格では売れる価格になるということでしょうか?
小原:そうですね。はい。
質問者3:ありがとうございます。
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