一段の上昇には米国株市場の落ち着きが不可欠ときのう書きましたが

著者:斉藤紀彦
投稿:2018/03/23 17:04

まさにきょうは足を引っ張られてしまいました

けさは米国株の大幅下落とドル円が104円台半ばまで円高進行したことを受けて全面安で始まりましたが、その後も米国株時間外取引の下落を横目で見ながらさらに下げ幅を広げる展開となりました。

日経平均の終値は17年10月3日の20614円以来の安値水準となっています。 

トランプ米政権が、中国が知的財産権を侵害しているとの理由で高関税を課す制裁措置を発表し、日本時間23日午後1時すぎには鉄鋼とアルミニウムの輸入制限も発動しました。

中国はこれに対抗措置を打ち出しましたので、世界的な経済活動の停滞につながるとして、運用リスクを回避する動きから幅広い銘柄が売られました。 

東証1部の売買代金は3兆6039億円と膨らむなか、騰落銘柄数は値上がり29銘柄、値下がりは2042銘柄と、2月6日の2027銘柄を超えて過去最多になりました。

日経225採用銘柄では値上がり2銘柄、値下がり223銘柄となり、上昇したのはJTと関西電力だけで、東証業種別株価指数は全33業種が値下がりました。

新興市場も軟調となり、日経ジャスダック平均、東証マザーズ指数とも大幅反落しました。

日経平均の株価チャートは、下値サポートとなっていた200日線(今日現在:21301円)を寄り付きから大きく割り込んで始まり、2月14日の安値20950円と3月5日の安値20937円で形成していたダブルボトムの底値をも一気に割り込んでしまいました。

2つの下値メドが機能しなくなったことでさらに投げ売りが出ましたが、週足では13週線と26週線のデッドクロスが近づいてきており、日足でも週足でも株価チャートの悪化は否めません。

日本株市場の一段の上昇には米国株市場の落ち着きが不可欠ときのう書きましたが、まさに足を引っ張られる格好となってしまいました。

日経平均のテクニカル指標はきょうの下落でおおかたが底値圏を示唆する水準に入ってきており、予想PERも12倍台半ばと割安感が顕著になっています。

押し目買いの水準だとは思いますが、まだ米国株市場に振り回される可能性があるだけに明確な下値メドが見当たりません。

長めに保有することを前提にするならば段階的な買い下がりの継続でいいと思いますが、短期的な売買を考えるのであれば、相場が落ち着きを取り戻してからの参戦でもいいのかもしれません。

株価水準は違いますが、2月6日に急落した際には、底をつけたのはその一週間後でした。
斉藤紀彦
ザイナスパートナー株式会社 代表取締役社長
配信元: 達人の予想