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日経平均25日線割れ

大きな方針のポイント

究極、マクロ環境のさまざまなファクターがよくわからなくても、結局株価に現れますから、これを見過ごしてはいきません。とくに危険が接近しているときには、できるだけ単純にチャートで判断するようにクセをつけましょう。

(鉄則)
先行指標のダウ輸送株指数と、日経平均です。この二つの増田足において、3日足>25日足、両足ともピンク、という要件が崩れてきたら、ポジションを大きく変更する必要がある、と判断しましょう。それが、杞憂であったらそれはそれで良いのです。また投資再開すればよいだけです。

(日経とダウ輸送株の位置)
本日は後述しますように、日経平均の四次元の窓が、3日足<25日足になっていくトレンド崩れが想定されています。決定的ではなく、まだいつでも戻せる距離にはあります。
この死命を制するのは、先行指標のダウ輸送株指数です。これはまだ3日足が75日足と同軌で、25日足より上に位置していますが、微妙です。5日後には、場合によっては25日を下回る可能性が示唆されています。仮に、今晩から日本が休場となる21日にかけて、これが崩れたらどうしましょうか、ということです。

(ポジションの管理)
結論からするとこうなります。
両方を勘案すると、上か下か、非常に微妙な分岐にさしかかっているので(日本の休場が迫っていることもあるので)、東京でプレイしているわたしたちとしては、ポジションを半分まで落として、防衛策を取る必要があるということです。
そして、ダウ輸送株指数が安泰ならまだ大丈夫です。が、仮にも3日足<25日足になってきてしまいますと、これは由々しい事態になりかねないので、その場合には東京市場におけるポジションから、そもそも株式投資の撤退をしなければならないでしょう。
もちろん、アメリカが一気に騰勢になるということもありえます。
どちらに転んでも良いように、ポジションを落としてキャッシュを潤沢にしておけばどうにでもなります。
それには、保有銘柄のうち、含み損の大きいものから、とりあえず処分するという判断に帰着することになります。(ここが肝心です。悪いチャートのものから切るということです。具体的には3日足<25日足の銘柄から切るということです。)

(当たり外れではない)
結果、今週の相場で、日経・輸送株とも大きく上昇してくれれば、杞憂だったということで、改めて投資再開に踏み切れば良いでしょう。
問題は、下に振られた場合の対処です。そのときに、ただ漫然と指をくわえて見ていると、思わぬ甚大なダメージを被りかねないので、重要なこの分岐点になりそうな局面では、果断なポジション管理が必要です。
以上のように、まず日足ベースで、日経平均とダウ輸送株指数の3日足>25日足が維持されているかどうかで、ポジションの資産防衛を図るようにしましょう。

理由が特定できない下落

最小といってもいい売買代金の中で、日経平均は朝から、25日線割れで、トレンドを崩しました。
一時的であり、下に控えた200日線で支えられるという期待はもちろんあります。市場でのコメントには、PERが13倍を切ってきたことから、むしろここは逆張りで焦らずじっくり株を買い拾うべきだという意見もあるようです。
が、それだけ割安だということがわかっているのに、なぜ下がっているかのほうが問題です。
しかも、ドル円は3月2日のドル円安値105.24円を割っているわけではないのです。株はそれにもかかわらず、25日線を割ってきたということが重要です。

日銀のETF買いも効果無し

小型株の下落や、大型でも個人にも人気のソニー(6758)の滑落などが目立っています。同じく任天堂(7974)も下げてしまいました。
確定申告による税支払いの換金売りがかさんでいるという可能性は、もともと予想されていたことですが、これが出ているかもしれません。
大型に関して言えば、恐らくは本日、国会で森友問題の集中審議ですから、(先週末、安倍政権の支持率が大きく下げたこともあって)外人売りの揺さぶりが効いているかもしれません。
200日移動平均線ぎりぎりまで、一時は接近する局面がありましたが、これを割ることはありませんでした。大型のうちには、これまで売られていたコマツ(6301)、ファナック(6954)などは、一応逆行高ですから、大型株始動の前兆とみたいような動きは、決して無いわけではありません。後場寄りに、日銀のETF買いがあったようですから、この効果で大型株にプラスのものが出たというだけかもしれません。従って、その割には、日経平均が戻せないということのほうが、むしろ問題です。

政治懸念

こじつければ、政治懸念ということになります。カレンダー・スケジュールを確認しておきましょう。

3月19-20日 G20
3月20-21日 FOMC
3月21日 日本は休場(FOMC結果は、22日朝、東京市場に反映される)
3月23日 鉄鋼・アルミ関税発動

(G20)
とくにG20では、アメリカが、対中国を標的にしていることは明らかで、この協調を
EUや日本に求める動きが活発化しそうです。そのバータとして、EUを関税対象から外すといったような交渉に、実際にはなるかもしれません。
協調主義などという綺麗事で、これまで割り食ってきた西側としては、足並みをそろえることができる部分ではそろえて、中国を抑え込もうというのがアメリカの主張でしょう。
ドイツなど原則重視主義の国、フランスの理念先行型の国は、このアメリカの主張と相いれない文化性がありますから、話は簡単ではありません。

(FOMC)
ここが株式相場にとっては、一番大きな材料です。
米10年利回りは25日線割れとなっているので、一応落ち着いているわけで、問題は残る2年国債利回りの年初来最高水準を突破している上昇トレンドが、追随して落ち着いてくるかどうか。
FOMCのパウエル新連銀議長の言動で、この2年利回りが一段上昇した場合に、株式相場がショック死するリスク。あるいはそれで織り込み済み、出尽くしになる期待。このいずれになるかが、ポイントです。
これは読めない話なので、ここはポジションをニュートラルにしておいた方が良い、という無難な戦術論が市場では優勢なのではないでしょうか。

(政治の年)
もっと長めで見ますと、アメリカが5月に北朝鮮との首脳会談、5-6月といいますと、一方ではトランプ大統領のイスラエル行がまた取沙汰されており、例の大使館のエルサレムへの変更措置ということを実行するようです。
中東不穏と、極東不穏の両方がちょうと天秤にかかっています。アメリカが二正面作戦をすることがないとすれば、どちらかが落ち着き、片方が急速に戦争リスクの高まりを見せてくる可能性があるわけです。

戦略方針

日経平均が、ダウ輸送株に先んじて25日線を割ったということは、それだけ東京市場が弱いということを意味します。
従って、戦略方針は、「警戒モード、キャッシュ比率2割目安」を変更して、「資産均衡化。現物半分。日経ダブルインバースETF (1357)でヘッジ。」とします。ダブルインバースのヘッジ買いをしなくても、キャッシュ半分だけでも十分有効です。
これで、まず籠城戦としましょう。
具体的には、総資産の半分前後に現物株保有金額を押さえた場合、日経ダブルインバースETFのは、株の評価額の35%、あるいは、資産全体の17-8%くらいになるはずです。
これで現物株のヘッジをしましょう。
キャッシュは34%前後になるはずですから、これだけあれば、相場がどう転んでも、いくらでもその後の対処が可能です。選択肢の自由度を確保するには、日経平均・ダウ輸送株指数が非常に微妙な位置になってきていることから、まず、資産防衛策を優先させましょう。

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松川行雄 (まつかわゆきお)

有限会社増田経済研究所 日刊チャート新聞編集長 
配信元:達人の予想