神経質な揺れ動きも、大きくは下落しない…!?

著者:武市佳史
投稿:2018/01/22 11:08

◆米暫定予算“否決”で下押しも、動きそのものは“限定的”

※ご注意:予想期間は1月23日と表示されていますが、本日(1月22日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


期待に反し、米上院における米暫定予算(つなぎ予算)採決は“否決”されました。
“米政府機関の一部閉鎖(20日~)”は現実のものとなり、リスク回避を背景にドル円は下押しました。

もっとも“パニック的な動き”には発展しておらず、動きそのものは“限定的”な印象があります。
NYダウはプラス圏を回復、米10年国債利回りは2014年7月来の2.66%へ上昇したこともあり、110.80円水準へと下げ幅を削って、先週末の取引を終えています。

◆そろそろマーケットの目は“日欧金融政策”へと移行…?

流動性の乏しい週明けオープニングには“再び下値を窺う”場面も見られたものの、すぐさま値を戻しています。
これはマーケットが“米経済への影響は軽微”と見ている証左であり、“ドル売り優勢も、下値は限定的”を地で往く動きを見せています。
今秋に米中間選を控えた“政治的なパフォーマンス”との見方が大勢を占める中、米国民に迷惑をかける状況には「両党とも細心の注意を払う」と考えるのが自然だからです(悪者になりたくないでしょうから…)。

そろそろマーケットの目が“日欧金融政策”へ移行する日柄であり、本邦実需筋のドル界ニーズも控えています。
「長期化すればまた話は変わる」という点を考慮すれば“底堅い⇒急反発”とはいいづらい面もありますが、少なくとも「神経質な揺れ動きも、大きくは下落しない」を基本にして臨みたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:111.690(1/12高値、200日移動平均線、週足・一目均衡表先行スパン上限、50週移動平均線)
上値4:111.481(1/18高値、ピボット2ndレジスタンス)
上値3:111.247(1/18~1/19の76.4%戻し)
上値2:111.125(1/19高値、1/18~1/19の61.8%戻し、ピボット1stレジスタンス)
上値1:110.985(1/18~1/19の50%戻し、大台)
前営業日終値:110.779
下値1:110.488(1/19安値、ピボット1stサポート)
下値2:110.151(9/8~11/6の61.8%押し、1/17高値、ピボット2ndサポート)
下値3:110.000(大台)
下値4:109.906(100週移動平均線)
下値5:109.833(ピボットローブレイクアウト)


※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー〕にて公開中。

11:26 ドル円 抵抗・支持ライン追加
13:56 誤字修正
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想