本日の“流動性回帰は微妙”…!? - 一旦様子見

著者:武市佳史
投稿:2017/11/24 11:04

◆急所を割り込み、大きく下落

※ご注意:予想期間は11月25日と表示されていますが、本日(11月24日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


米感謝祭を控え22日、ドル円は大きく下落しました。

東京タイムから“上値が重かった”のは事実ですが、予想外のマイナスとなった米耐久財受注で加速し、“低インフレの長期化”を懸念するFOMC議事録でダメを押された格好といえます。
“テクニカル的な急所(111.75-65円)”を割り込んだことに伴うストップロスを絡めつつ、流動性低下を追い風にして111円前半へと駆け降りました。

◆感謝祭明けではあるが、本日の“流動性回帰は微妙”

もっとも流動性がさらに低下した昨日は“安値圏の揉みあい”こそ続いたものの、“さらに突っ込む”ことはありませんでした。
休場明けとなる本日は“ジワリジワリと値を戻す”動きが、やや優勢となっているように見えます。

まさかの“急所(111.75-65円)割れ”だっただけに、見方を変えざるを得ないところがあるのは事実です。
感謝祭明けとはいいつつも、本日の米国市場は“株式/債券/商品共に短縮取引”であり、“流動性回帰は微妙”といわざるを得ません。
逆に米利上げペース/税制改革法案の行方/ロシアゲートへの懸念等は燻り続けており、これを背景にした“ドル売り安心感“が台頭しないかを確認する必要がありそうです。
このため“戻りは鈍い”と考えざるを得ず、流動性低下で“値飛びを起こしやすく”なっているだけに、同ラインを割り込むと“さらなるストップロスを誘発”する可能性も残ります。

◆“実質的な5・10日の週末+α”の期待はあるが…?

それでも本日は“実質的な5・10日の週末”に当たり、“往き過ぎたドル売り”には調整が入る可能性が残ります。
また“次のテクニカル的な急所(9/8~11/6の50%押し:111.026円)”にもすでに差しかかかっており、“ブレーキがかかりやすい”と考えることも可能です。

見方を外した直後ですので“様子見”とせざるを得ませんが、“悲観論への傾倒”は如何なものかと考えます。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:112.086(日足・一目均衡表先行スパン上限、11/20~11/23の61.8%戻し、200週移動平均線、大台)
上値4:111.892(11/20~11/23の50%戻し)
上値3:111.711(200/100日移動平均線、11/20~11/23の38.2%戻し、ピボットハイブレイクアウト)
上値2:111.474(20週移動平均線、ピボット2ndレジスタンス)
上値1:111.377(11/23高値、ピボット1stレジスタンス)
前営業日終値:111.203
下値1:111.000(大台、9/18安値、11/23安値、9/8~11/6の50%押し、週足・一目均衡表基準線、ピボット1stサポート)
下値2:110.906(ピボット2ndサポート)
下値3:110.744(ピボットローブレイクアウト)
下値4:110.446(日足・一目均衡表先行スパン下限)
下値5:110.316(100週移動平均線)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:17 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想