とりあえず“喫緊リスクはピークアウト”…?

著者:武市佳史
投稿:2017/10/18 11:27

◆“分厚いドル売りオーダー”に食い込むも、突破には至らず…

※ご注意:予想期間は10月19日と表示されていますが、本日(10月18日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


“下値を探る動き”は見られましたが、昨日は“112円を割り込む”ことはありませんでした。
一方で“上値の重さ”も相変わらずだったものの、NYタイムには“分厚い112.30-50円のドル売りオーダー”に食い込む場面が見られました。

2016年6月以来の高い伸びを見せた米輸入物価指数(+0.7%)を機に、2.30%付近で揉みあっていた米10年国債利回りが上放れたからです。
2.32%台半ばへ上昇するにつれて、ドル円は112.476円まで上値を伸ばしています。
もっとも前記分厚いドル売りオーダーを突破するには至らず、その後は再び112.20円水準へと押し戻されて昨日の取引を終えています。

◆中国共産党大会が開幕 - とりあえず“喫緊リスクはピークアウト”…?

こうした中、いよいよ本日は「中国共産党大会」が開幕します。
“北朝鮮リスク(ミサイル発射?)”への懸念は根強いものがありますが、最も警戒すべき早朝タイムはとりあえず“無風で通過”しました。
もちろんこの後も“警戒は必要”であり、米韓軍事演習(~20日)を考えれば“早期の懸念収束も期待薄 ”ということになりますが、それでも“喫緊リスクはピークアウト”と考えるのが自然です。
そうなると“世界的な株高(NYダウは史上最高値を更新、日経平均は11連騰中)”が囃されてもおかしくなく、しっかりとした展開が期待できるところです。

◆ドル買いオーダーは“厚み”を増している…!?

オーダー状況を見ると、昨日と同じく“112.30-50円にドル売りオーダー”が展開していますが、その内“11億ドル超分”は本日NYタイムに行使期限を迎えるとの話です。
一方で“112.00-111.70円”に新たにドル買いオーダーが展開しており、昨日以上に“厚み”を増しています。

「112円前半への収斂圧力(いわゆる居心地の良さ)」が意識されている可能性は否めませんが、引き続き「丁寧に押し目を拾っていく」を基本としたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:112.823(10/10高値、10/6~10/16の61.8%戻し、ピボットハイブレイクアウト)
上値4:112.680(ピボット2ndレジスタンス)
上値3:112.582(10/11高値、10/6~10/16の50%戻し、日足・一目均衡表転換線)
上値2:112.476(10/17高値、ピボット1stレジスタンス)
上値1:112.405(20日移動平均線)
前営業日終値:112.202
下値1:112.033(10/17安値、大台、ピボット1stサポート)
下値2:111.875(200週移動平均線)
下値3:111.753(200日移動平均線、ピボット2ndサポート)
下値4:111.649(10/13-16安値)
下値5:111.474(9/25-26安値、日足・一目均衡表基準線、ピボットローブレイクアウト)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:45 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想