2017年のイベント
2016年の金融市場が読み辛かったことは、多くのヘッジファンドなどのパフォーマンスが悪かったことでも明らかだ。2017年は、2016年に起きた一連の想定外だったことが、ニュー・ノーマルになる可能性を秘めている。読み辛さもまた、当たり前になってしまうのだ。
数多くの材料のなかで、2017年、あるいはそれ以降の金融市場の動向に最も大きな影響を与えるイベントを3つ挙げるとすれば、主要国の金融政策、原油生産量、欧州主要国の選挙ではないかと見ている。
金融政策は日欧と米国との方向性の違い。原油生産量では、減産合意がいつまで可能なのか? また、ブレグジットは2016年6月だったが、当時にはほとんど想定されていなかった欧州連合やユーロの崩壊の可能性が、可能性としては一般的に語られるようになってきた。たった半年ほどで、世界は変わったのだ。
金融政策のすれ違いでは、米国の遅すぎる利上げの影響が、今後の米経済に与える影響が懸念される。欧州中銀は政治リスクや銀行の不良資産の大きさから、少なくとも2017年中の緩和政策継続を決めているが、年末にかけて更なる継続を決めるのか、終了に向かうのかが焦点となる。日銀には緩和政策終了の選択肢は事実上ないのだが、マイナス金利政策とイールドカーブ・コントロールで国債市場が機能を失っており、その悪影響がどこに、どのような形で噴出してくるかが読み切れない状態だ。
利上げ局面に入った米国の金融政策では、バランスシートの縮小に入るのかが焦点だ。米連銀のバランスシートは、サブプライムショック時の2007年8月時点では8703億ドルだったが、リーマンショック後に急拡大させ、拡大を終えた今も、4兆4500億ドルの規模を維持している。その意味では、量的緩和を終えたとは、厳密には言えない。
量的緩和とは、中央銀行が国債や住宅ローン関連証券、社債、ETF、REITなどの購入を通じて、市場に資金を供給することだ。米連銀の場合は、国債や住宅ローン関連証券を購入した。しかし、国債や住宅ローン関連証券には償還があるので、保有証券の残高は時間と共に減少し、現金が増えていく。つまり、4兆4500億ドルの規模を維持できているということは、市場からの買い入れを続けており、量的緩和を継続していることを意味する。
買い入れを止めれば、バランスシートは縮小に向かう。積極的な引き締めに転じれば、保有証券を売却することで、市場から資金を吸い上げることになる。
数多くの材料のなかで、2017年、あるいはそれ以降の金融市場の動向に最も大きな影響を与えるイベントを3つ挙げるとすれば、主要国の金融政策、原油生産量、欧州主要国の選挙ではないかと見ている。
金融政策は日欧と米国との方向性の違い。原油生産量では、減産合意がいつまで可能なのか? また、ブレグジットは2016年6月だったが、当時にはほとんど想定されていなかった欧州連合やユーロの崩壊の可能性が、可能性としては一般的に語られるようになってきた。たった半年ほどで、世界は変わったのだ。
金融政策のすれ違いでは、米国の遅すぎる利上げの影響が、今後の米経済に与える影響が懸念される。欧州中銀は政治リスクや銀行の不良資産の大きさから、少なくとも2017年中の緩和政策継続を決めているが、年末にかけて更なる継続を決めるのか、終了に向かうのかが焦点となる。日銀には緩和政策終了の選択肢は事実上ないのだが、マイナス金利政策とイールドカーブ・コントロールで国債市場が機能を失っており、その悪影響がどこに、どのような形で噴出してくるかが読み切れない状態だ。
利上げ局面に入った米国の金融政策では、バランスシートの縮小に入るのかが焦点だ。米連銀のバランスシートは、サブプライムショック時の2007年8月時点では8703億ドルだったが、リーマンショック後に急拡大させ、拡大を終えた今も、4兆4500億ドルの規模を維持している。その意味では、量的緩和を終えたとは、厳密には言えない。
量的緩和とは、中央銀行が国債や住宅ローン関連証券、社債、ETF、REITなどの購入を通じて、市場に資金を供給することだ。米連銀の場合は、国債や住宅ローン関連証券を購入した。しかし、国債や住宅ローン関連証券には償還があるので、保有証券の残高は時間と共に減少し、現金が増えていく。つまり、4兆4500億ドルの規模を維持できているということは、市場からの買い入れを続けており、量的緩和を継続していることを意味する。
買い入れを止めれば、バランスシートは縮小に向かう。積極的な引き締めに転じれば、保有証券を売却することで、市場から資金を吸い上げることになる。