支持率逆転!トランプリスク到来で大幅株安

著者:川島寛貴
投稿:2016/11/02 17:10

VIXの急騰は何を意味する

ワシントンポストの調査によると、トランプ候補の支持率が46%となり、クリントン氏の45%を上回りました。これを受け、昨日まで高値圏で推移していた日経平均は一転下落。仲値後のドル円の下落とともに下げ幅を拡大し、一時17100円割れとなりました。
背景にあるのは、金曜日のヒラリー候補のメール問題調査であることは間違いないでしょう。

ここからのマーケットは、日本時間9日のお昼頃に確定となるであろう投票結果に向けて市場参加者の思惑とポジションを読んでいくことが重要となります。

その1つの指標として、注目したいのがVIX指数。
別名、恐怖指数とも呼ばれるこの指標ですが、先週からじわじわと上昇してきており、金曜日のメール問題で完全に上昇に転じました。月、火曜日も株価はそこまで下げていないにもかかわらず買われ続け、昨晩1ヶ月ぶりの高値となる20台まで上昇しました。

通常、VIXは株価とは逆相関の動きを見せるのですが、株価が上昇している時に買われた理由は恐らくトランプリスクに対するヘッジでしょう。
オプションによるリスク対策を取る動きも加速しており、最近のVIXとオプションの取引高が増加しているようです。

昨晩VIX指数は17から20オーバーまで大きく上昇し、一旦ピークを付けたような値動きとなりました。
そして、ようやく欧州・米国・日本株にポジションを閉じる動きが出てきたのです。

実際にトランプ氏が逆転するという事実が出てきており、特に重要とされているテキサス州でトランプ氏がリードしてきており、トランプ氏リードの事実を織り込むにはまだ数日かかるのではないかと見ています。

戻りの鈍いドル円

ドル円のチャートを見てみると、昨晩下落を始めてから戻り幅は僅か40銭(下落幅は150銭)と買い意欲の弱い展開となっています。リスクオフ相場なのでクロス円の売りが有効かと思えば、豪ドル以外下落しておらず、NZドルなどはドル売りで上昇しており、キウイ円はむしろ上昇。
ユーロドルは上昇していますが、勢いは弱い状態。

本格的なリスクオフではないとみて、通貨ペアの選択は素直にドル円がベスト。
本日の高値である104.16円を越えてくるまでは、戻り売り戦略で良いのではないでしょうか。
川島寛貴
株式会社IEYASU 代表取締役
配信元: 達人の予想