kabukabumanさんのブログ
勝てない投資家の心理特性(5つのステージ)
株式投資でなかなか成果を挙げられない人にはそれなりの理由があります。
例えば、チャートが25日線を下回れば、直近で買った人の多くが含み損を抱えた状態だと言えます。
つまり、チャートは多くの投資家心理を表しており、25日線から下方へ乖離するに連れ
投資家心理は「余裕」➡「不安」➡「怒り」➡「失望」➡「恐怖」と変化して行きます。
①「余裕」 (含み損2~3%)←含み損のパーセンテージは個人的なイメージです
買値から2~3%下落しても、多くの投資家は精神的にまだ余裕を持っています。
何故なら、自分が上がると信じて買った銘柄ですから、一時的な下落は無視してしまうのです。
但しこの段階で投資家適性を判断することは出来ません。
②「不安」 (含み損5%)
株価が買値より5%以上下がると、流石に「気付いていない理由があるのか?」
あるいは、「何か見落としがあったのか?」という不安が生まれます。
この段階は無条件に損切りする人と、我慢したまま再調査する人に分かれ易い局面ですが
何度調べても下落する理由が見つからなければ、もう少し辛抱しようと考えるのが人情です。
しかしここで勝てる投資家と負ける投資家に最初の差が生まれます。
つまり売買に感情が入るか入らないかの差です。
投資家にとって最大の敵は自分自身であり、言い換えると感情を制御出来るかどうかが
投資家適性の大きな要件になるからです。
ですからこの局面は、一旦損切りして出直す方が賢明である場合が多く
それがきちんとマイルールを決めて置くべきだと言われる所以です。
③「怒り」 (含み損7~8%)
損切りをせず我慢してさらに株価が下がると、今度は自分自身に対する怒りが生まれます。
しかしここで熱くならずに損切り出来る人はまだ救われますが
そんな筈は無いと考えて不用意にナンピンする人は、何時の間にか冷静さを失っているのです。
従ってこの段階は、塩漬けを作るか否かの分岐点とも言えそうで
次のステップへ進んでしまうと殆ど取り返しがつきません。
④「失望」 (含み損10%以上)
次にやって来るのは失望(=諦め)ですが
失望すると塩漬けを決め込むことが多く、ここから悲惨な投資生活が始まります。
毎日気が重く、一円でも下げると益々気が滅入り
一円でも上がると明日に賭けようと自分を慰めるのです。
しかし買った直後から10%も下げる銘柄は、明らかに下降トレンド(=需給が悪い)なので
気が滅入る日が圧倒的に多いのは仕方がないと思います。
因みにこの段階で漸く「怒り」を覚える人は、投資家としての適性に欠けており
自分自身で売買するより投資信託をお勧めします。
⑤「恐怖」 (含み損20%~∞)
一般的に人は恐怖を感じると耐えられなくなり、ここで漸く投げが始まります。
但し、普通の人は株価が20%も下がると充分恐怖を感じますが
恐怖を感じ始める閾値にはかなり個人差があるのではないでしょうか。
私の想像ですが、20%の含み損で投げ出す人は、半数が救われ半数が後悔することになり
30%の含み損で投げ出す人は、90%以上の人が後悔だけで終わると思います。
何故なら株とは面白いもので、恐怖を感じた時が底値ということが多い上に
三分の一押し付近で反発するケースは良くあるからです。
株価は余程の理由が無い限り、上がれば下がり、下がれば上がります。
しかし「失望」や「恐怖」の段階まで辛抱すると、投げた途端に株価が反転し
二重の後悔を味わうことが多いのも事実です。
ならばいっそ三分の一押しまで辛抱した方が得だと考える人が居るかも知れませんが
それは間違いで、この様な株が反発しても買値に戻ることは滅多にありませんし
機会損失も立派な損失なので、塩漬け期間は短いほど損失が小さくて済むと考えるべきです。
<簡単に損切り出来る方法>
このテーマは過去に何度か取り上げましたので、多くの方がご存じだと思いますが
この日記の締めくくりとして敢えて書き加えます。
◇損切り出来ないのは勝率に拘るから
買った株を損切りするのは誰でも決断し難いものですが
全ての売買で常に利益を上げるのも不可能です。
しかも株式相場は資金力と情報収集力が物を言いますから
機関投資家が有利で、個人投資家は最初からハンディを背負っています。
ですから個人投資家の勝率は、平均すると明らかに50%以下だと考えるべきで
勝率80%や90%などは、まず有り得ない数字だと割り切って置く必要があります。
そこで登場するのが「1勝9敗でも収支がプラスなら勝ち」という発想です。
但し資金を均等に分散させるとこの理論は成り立ちません。
つまり1勝で100万円儲けた時、9敗分の損失はそれ以下に抑えなくてはなりません。
だからといって一点買いは限りなくギャンブルに近いので
株価上昇に80%くらいの自信が持てる銘柄を軸に集中型分散投資を行うことが必要です。
いわゆる「お宝銘柄」の発掘ですが、これが株式投資の醍醐味で、頑張って探せば結構見付かります。
因みに私の投資歴は10年余りですが、過去の売買記録を集計すると
アベノミクス以前の勝率は約30%ですが、アベノミクス以降は80%に跳ね上がっています。
しかしリターン率が最高だった年は2009年で、アベノミクス初年度は2番目の成績でした。
それも東証と大証の合併前年に大証単独上場の割安銘柄を買いあさったことが大きく貢献した為で
少なくとも大証銘柄の2~3割はお宝銘柄だったと言えそうです。
逆に勝率が最低だった年は2008年の20%弱でしたが、年間収支は何とかプラスを確保出来ました。
そしてこの年に強く感じたことは、2勝8敗でも年間収支がプラスになるのなら
勝率3割でリターンをプラスにすることは比較的容易だということです。
言い換えると、年間延べ100銘柄買った場合70回も損切り出来る訳ですから
損切りに対する抵抗感は全く無くなる筈です。
◇損切り出来ないのは、株価の上昇率と下落率が同じだと考えているから
例えば株価1000円の銘柄を買った場合
株価が100円下がって900円になれば下落率は【100÷1000=0.1】10%ですが
900円になった株価が10%上がっても990円にしかなりません。
つまり100円上げるためには【100÷900=0.11111】11.1%以上の上昇率が必要となる為
同じ値幅でも、下落率より上昇率の方が高くなることを認識して置かなくてはなりません。
もう一つの事例は100万円での資金で株式投資を始めた時
資金が50万円に減ってしまえば損益率(下落率)は-50%ですが
50万円を100万円に戻そうとすれば倍増させなくてはなりませんから
損益率(上昇率)+100%を必要とします。
資金を半分に減らすのは数日あれば充分ですが、資金を倍にするのは至難の業です。
以上で損失を放置することの怖さがお解かり頂けたと思います。
ところが理屈は理解出来ても、いざ実践するとなればそう簡単ではありません。
そこで「お宝銘柄」をどうやって探し出すかという点について少し触れて置きます。
○年間収支をプラスにするという発想が前提なので、短期~中長期銘柄のそれぞれで候補を探す
○短期~中長期のテーマを確定する
○テーマ株の中から伸びしろが大きそうな銘柄や出遅れ銘柄を探す(同業他社比較)
○テーマ株の押し目を狙う(材料株に流れる資金は循環しているので早めに先回りするのも有効)
さらに押し目を狙う場合は日常的に需給の良い銘柄が望ましい(傾向として戻りが早い)
○事業が複数のテーマに跨る銘柄は有望
○当面の重要なテーマは「インバウンド」と「サイバーセキュリティ」
また長期テーマのNO.1は「IoT」だと個人的には考えています
○次のテーマを求め常にアンテナを高くして置く(身の回りや日々のニュースにヒントがある)
会社四季報より四季報プロ500の方が実用的(テーマごとの有望銘柄や割安銘柄が解かり易い)
○オンリーワン企業や高シェア企業の中で割安感がある銘柄にはチャンスがある
○新発明や新発見に関して特許を有する企業(小型株ほど株価が化ける可能性を秘めている)
○HPを隅々まで見る(経営理念・事業の方向性・強み・決算書・ステークホルダー・過去のIR等)
○株主対策に積極的な銘柄を選ぶ(IRが多い、配当性向が高い、自社株買い、株主優待等)
○突然暴騰した銘柄の三分の一押しは短期リバ狙いのチャンス(それで駄目なら二分の一押しを狙う)
○増担保規制後も上昇を続ける銘柄はしばしば大化けする
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この他にもお宝銘柄を探すポイントはいろいろあると思いますが
株価を構成する最も重要な要素は需給なので、条件が似通っている場合は
浮動株数に対する出来高が日常的に多い銘柄や
信用取り組みの良い銘柄を優先する方が有利だと思います。
また「トレードに感情は百害あって一利無し」ですから
「損切り」に関しては、下落した要因が特別な理由(地合の悪化等)で無い限り
マイルールに則り機械的に行うか、あるいは常に逆指値を利用することで
極力感情を排除することが重要です。
(まとめ)
◇勝率に拘らず勝敗に拘る(一年を一区切りとしたトータル管理に徹する)
◇投資に感情を持ち込まない(「たら・れば」が無くなれば本物)
◇お宝銘柄の発掘に時間をかける(テーマ株は常に本命)
◇株式投資で成功する為に必要な条件は《テクニック+努力+強いメンタル》
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モ~さん こんにちは。
早速ですが、過分なお言葉を頂き恐縮です。
しかしそういう私自身も全て克服出来ている訳ではないので
穴があったら入りたい心境です (^_^;)