yuhsanさんのブログ

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2014年を振り返って< 株価は需給で決まる >


昨年の大発会(6日)は、いきなり382円の急落で始まり、新値を切りながら上昇すると考えていた大方の肝を冷やしたものです。その後1ヶ月の間に2,000円ほど下げ、14,000円の手前で下げ止まりました。


前年に、15兆円もの買いで日経平均を57%も上げた外国人が、売りに転じたことが原因とされています。それでは、14,000円で下げ止まったのは、だれが支えたのでしょうか。


日銀、年金基金、郵貯、国内金融機関……。いわゆる金融庁傘下の国内法人です。彼らにとっては、これ以上の株価下落は、国内景気を下押しし、デフレからの脱却、円安誘導に問題が生じる上に、アベノミクスにも注意信号がともり、政策運営にも支障が生ずると判断したのです。


株価は下げ止まりましたが、売り買いが均衡した状態から上値を追う力はなく、4月13日には、再度14,000円割れを試す動きとなります。ただ、14,000円割れ付近にあったのは3日間だけで、その後は大きく戻す展開になりました。二番底を形成したのです。


もちろん買い支えたのは、政府系金融機関だったのですが、援軍は発表時期を迎えた企業決算でした。


アベノミクス効果で、14年度決算が好調なのは以前から分かっていましたが、決算で次の年度(15年)を企業がどうみているかが、最大の焦点になっていました。発表には明暗がありましたが、海外移転を進めた企業の業績には、想像以上のものがあり、結果として15年度の業績は10%以上もプラスになることが分かったのです。


いうまでもなく、株価は、予想一株利益(EPS)×PER で算出されます。これがファンダメンタルの国際標準です。FRBの議長も黒田さんも、株価水準を見るのにこの指標を使っています。


予想一株利益は、予想利益/発行済み株数 で計算されるため、景気が回復すると、企業は、増資あるいは株式分割などで株式を増やすため、日経225全体のEPSは、長い間1,000円が壁になっていました。


ところがどうでしょう。14年度はこの壁があっさり超え、15年度のEPSは1,200円になるとの予想さえ出ています。まさに革命といってもいいくらいの驚きです。


原因は、企業の金余りにありますが、企業経営者が株価を意識するようになったことも、EPSを引き上げています。この傾向が定着するならば、株価暴落の可能性はないと考えてもいいようです。市場に出回る株数が一定で、買い手が増えれば、株価は市場原理に従い上がるだけです。


日銀は、昨年末までに3兆8千億円ものETFを購入し、今年度も3兆円の購入枠を設定しています。年金基金も運用比率の見直しで10兆円程度の資金が日本株の購入に回されると見込まれています。


資金量の多い外国人の売りをこの程度の資金では、支えられないという人もいます。でもこれは間違いです。15兆円で株価を倍にできるのですから、15兆円がそっくり逃げ出しても、日銀とGPIFで十分に支えることは可能です。


ただ、日銀もGPIFも買い支えとみられるのは嫌っていますから、株価がフェアバリューであることの証明が求められます。それがEPS革命なのです。


私は、日本の個人金融資産が現預金に偏って、株式には投資信託を含めても10%に満たない状況下では、政府系金融機関がこれを補って、欧米の先進国の水準に近づけようとするのは、やむをえない措置だと思っています。いずれは、インフレであぶりだされた富裕層の現預金が、株式市場に目を向けるようになってきます。それまでの間、自己の利益だけを追求するヘッジファンドの売り崩しに対抗するのは、政府系金融機関の買いに頼るのは当然です。


アベノミクスの2年間の勝者に日銀をあげましたが、日銀のETF購入は継続的に安値を拾っていますから、おそらくその時価総額は、購入額の倍に達していると推定しています。FBRもリーマンショックのとき、紙くず同然だった住宅担保債権を購入し、莫大な利益をあげ国の財政に貢献しました。日銀もいずれは、評価されるときがくると思いますが。


昨年の選挙で、自公連合が大勝し、アベノミクスの継続が保証されました。株価の上昇には、第3の矢が必要との声も聞かれますが、TPPも雇用の改善もそう簡単ではない上に、効果も明確ではありません。私は、むしろ賃金をあげて、インフレを定着させるほうが重要だと思っています。


政府日銀は、円安でインフレを誘導しましたが、原油価格の下落もあり、円安だけで物価を上げるのには限界があります。株価も円安と連動して上がってきましたが、円安が一服したとき、企業業績がどのように変わってゆくのか……。これからの株価は、従来のような一方方向の上昇は期待できません。


外国人の買いは今年も期待できませんが、需給で見る限り今年の相場は悪くありません。インフレが定着すれば、富裕層のタンス預金が株式に流入してきます。


ただ、相場は天井付近に差し掛かり、銘柄の乗り換えのため、激しい動きが予想されます。17,000円台で出発した株価は、5月までに19,000円をつけますが、発表されるEPSは、今年ほど伸びないでしょうからジリ貧となり、終値は18,000円台というのが私の予想です。


さて、来週の月曜日は大発会です。休場の間の海外市場が気になりますが、昨年のような売りはないとみています。日銀は、昨年末ETF買いを見送っていましたが、大幅に安くなったときは買い支えるでしょう。


明日は、長期投資における銘柄選択と買いの時期です。どうぞよろしく。



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2件のコメントがあります
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    yuhsanさん
    2015/1/3 08:33

    aholaさん

    おはようございます


    コメントありがとうございます。

    おっしゃるとおりですね。

    ただ私の相場観からすると、アベノミクスのような大相場は、1年で終わるとはどうしても思えませんでした。

    あのままヘッジファンドの売り崩しに負けて、14,000円を切って下に行けば、相場は終わっていたでしょう。

    まさに運命の分かれ道だったのかもしれませんね。

    そういう意味からも、GPIFの買い方針は、ありがたかったと思っています。

    日銀も、GPIFも、案外株のことはよく知っているのではと推測しています。

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    aholaさん
    2015/1/3 05:41
     昨年の年初は増税実施に対し、追加緩和があるか否かが焦点だったから、右肩上がりと思ってたヒトは国内的にも年初から少なかったのでは?

     GPIFの比率アップは普通にポートフォリオ最適化を考えれば当たり前の措置で株価下支えのためではないですね。