元祖SHINSHINさんのブログ
「熟年夫婦 その三」と、まほろ駅前・第2話
(略)それはともかく、最近は熟年のご夫婦と思われるカップルを、全国各地でよく見かける。
先日も仕事で京都へ行った翌朝、ホテルのダイニングルームに行くと、
熟年の男女が、向かい合って朝食をとっていた。
ここで夫婦とすぐわかった理由は、二人が黙々とただひたすら食べていたからである。
この例にかぎらず、総じて熟年夫婦は会話をしない。
せっかく京都まで来たのに、食べるだけではもったいない。
せめて「ワン」とでもいったらどうかと思うが、それさえいわない。
これからみたら、若い新婚と思われるカップルは、食事をしながら、
互いに顔を見合わせて楽しそうに話している。
他に、やや年をとっていても楽しそうに会話を交わしている二人連れがいるが、
あきらかに不倫の気配濃厚なカップル。
彼等に比べて、熟年夫婦は話したら損するみたいに喋らない。
(略)
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★「あとの祭り 知より情だよ」
渡辺淳一著 新潮文庫 H24.4.15.二刷 430円+税 P.61~62より抜粋
末期的な熟年夫婦の姿と対照的なのが、
10/17、TV東京で放映された再放送「まほろ駅前番外地・第2話」なのであった。
初めて見た時ほどの感動はなかったが、
やはりこの第2話の出来は、シリーズの中でも最高だと思う。
しかし、出会った時にはときめいていたはずの感情は、いったいどこへ消え去るのだろう。
この感情のタキフィラキシー(薬剤の反復投与 により薬剤が急速に効果を失うこと。脱感作)は、
まほろ駅前番外地・第2話にみるように、ドラマや映画・小説にも当てはまる。
人の心は、恐ろしい。
慣れというものは、誠に恐ろしい。
色川武大の書いた直木賞作品「離婚」にも、
同様な現象が描かれている。
けれど、同時にヒントになることも書いてある。
事情があって、かみさんと距離を置いた主人公は、
久しぶりにかみさんと会って、忘れていた感情(それは色気なのだけど)
を想い出すという場面だ。
実にほほえましい場面。
渡部淳一は、平素からのスキンシップを謳うのだが、
初心を想い出して、敢えて冷たくしたりして、その後サプライズを仕掛けるなど
駆け引きをしてみるのも手なのだろう。
まぁ、若い頃、死ぬほど痛い目に遭って、
未だに異性を恐れているオイラには関係ない話なのだが。
人の心は、恐ろしい。
刃傷沙汰というものは、誠に恐ろしい。
そんなとき、精神安定剤は救いになるのだった(ホント)。
PS:星新一賞の締め切りは、あと2週間を切った。
もうひと味加えたいのだが、それがなんなのかわからない。
塩?こしょう?しょうゆ?またたび?
その前に、第一次審査に通ることを願うしかない。
それに通らないのは、小説という前に重大な欠陥があるからなのだという。
欠陥になりそうな場面は、十分にふやかしてボカしてはいるのだが。
これは、ちょっとしたギャンブルだ。
エポワスさん、コメントありがとうございます。
本当はそんな大それたことを思える状況ではなかったのですが。
なので、小説千本ノック(読む方)の途中だったのですけど。
ちょいと縁のある関係の方々の企画だったので、
時期尚早ながら、エントリしてみました。
これに落ちても、他の懸賞小説へ
これからもヤバイ材料で挑戦し続けます。
はじめまして.
星新一賞に応募なさるのですか?
ご成功をお祈りします