yuhsanさんのブログ
二つの市場
証券取引所に上場されている銘柄は、同じ市場の同じ時刻では、同じ価格で取引されています。ところが、同じ市場でも、異なった目的と考え方の投資家が混在していると、同じ銘柄でも価値観が異なり、同一銘柄でも参加者によって価値が異なります。
これを避けるには、東証一部短期市場と、東証一部長期市場とに分け、それぞれに値決めをすればいいのですが・・・。
東証一部短期市場では、ヘッジファンドと機関投資家、それにゲームを楽しむ個人が主な参加者で、短期の売り買いが中心の市場です。この市場では、誰かが勝てば誰かが負けるのです。誰かが利益をあげればその利益は、それ以外の人の損失から生まれるのです。つまり共栄共存はありえません。
問題は、この市場で6~7割を占めているヘッジファンドを中心とした機関投資家と個人投資家との技術格差です。彼らの武器はアルゴリズム取引と市場の超高速処理です。これにより彼らはこの市場の利益を一方的に吸い上げています。
機関投資家と個人投資家との取引上での格差問題は、1990年のバブル崩壊以後に問題になったことがあります。このときは、投資金額と情報格差それに手数料の違いから、個人は機関投資家に勝てないとされました。事実このときを境にして個人の投資額は大幅に減少しています。その後は、ネットの普及でこの格差は縮小し、やっと個人が機関投資家と対等に争える状況になってきたのですが・・・。
残念ながら金融工学の進化と証券取引所の高速処理は、新しい格差を生むようになってきました。ということは、この市場に参加する個人は、ハンディの付いた市場で勝負するようなもの。素人がプロのギャンブラーを相手にポーカーをやるようなものです。
この制度を理解していない人があまりに多すぎます。見かけは同一市場で同一銘柄を同じ価格で取引しているものですから、チャンスは五分五分と考えて、プレーを長く続けていくうちにいつしかスッテンテンになります。
ところでもう一つの市場、東証一部長期市場はどうでしょうか。ここでの参加者は、長期保有を目的とした金融機関、年金資金、法人の資金それに個人といったところが中心で、ファンダメンタルが投資の尺度となります。
この市場では、誰かが利益をあげたとしても、それは必ずしも誰かの損によるものではありません。利益が経済の上昇とか会社の利益向上によるものであれば、すべての株主に利益が与えられます。つまり共栄共存ということもありうるのです。
従来は、ここの参加者が市場価格を形成していたのですが、売買の主体が短期市場に移るにつれ価格形成力が弱まり、最近では年金、保険といった長期資金でさえ、その運用をヘッジファンドに任せるようになってしまいました。
その結果、経済状況には無関係に株価が上下し、PER10倍以下、PBR1倍以下の銘柄がザラといった状況になってしまいました。株価形成は完全に短期市場に移ってしまったのです。
この状況はいつまで続くのでしょうか。
ヘッジファンドにも逆風が吹くようになってきました。一つはヘッジファンド同士の競争、もう一つは金融規制強化の動きです。日本市場の長期持合状況は、鴨としていた個人投資家の市場離れから、ヘッジファンドといえども利益が出なくなってきました。その上、最近の金融取引への規制強化は、ヘッジファンドが大きなレバレッジを掛けることに逆風となっています。これがなかったら、おそらく3月14日以降の先物は、7,000円台にまで落込んでいたに違いありません。
とはいっても短期市場での機関投資家と個人投資家とのハンディは、容易に縮むものではありません。それでも参加したい個人投資家は、カジノでプレーヤーになったつもりで、ゲームを楽しめばいいのです。運がよければ大儲けして南の島で美人の奥さんと二人だけで、仲良く暮らせるかもしれません。損をしても夢の代金だと思えば諦めもつきます。
だからといって私は、個人が東証一部短期市場に参加しないほうがいいとは言いません。短期市場で大きく儲かったときに、ハンディの少ない東証一部長期市場に移ればいいのです。
その時期としては決算が発表される1、4、7、10月が好機です。短期市場から長期市場に移ることのできるワープドライブのようなものです。ここで市場の予想よりよい決算を発表しそうな会社に賭けてみるのです。賭けが当たれば大きな利益を短期間でえることができます。決算が市場予想より悪いか予想通りだったら、残念ながら失敗のツケを負わなければなりません。
この時期が、すべてのファンでメンタル(PER,PBR,配当利回り)が変化し、株価の変動が最も激しくなるときなのです。この機会を捕まえて、あなたも、その日その日の株価の動きに一喜一憂しない長期投資家に、ワープしてみてはいかかでしょうか。
同じ土俵に上がると考えるのは違ってるように思います。
いくら獰猛なピラニアが勝とうと思ってもクジラには勝てません。
ですからそこには勝負の方法を勘考する余地がある。そしてしなければならないだろうなと。
高速処理化なんですが、個人がデイトレができるようになってまだ日が浅いように、大口さんもまだ手慣れてないだろうと思ってます。過渡期なんでしょう。
プログラム売買とAIによる取引。この戦いに分け入って真っ向勝負はちょっとね。(笑)勝ち馬に乗ることを考えるとおもしろいかも。
まだいろいろ決めつけるのは早いように思います。
上記の意図した所は、一つの物には状況によっていろいろな値段がつくということが言いたかったわけです。つい先だってのミネラルウォーターとかね。場所により人により全く違ってたように。
思い込むと縛られてしまいます。
短期でも掠め取れるいい方法があるかもしれません。
トータルで勝ててないので大きなことは言えませんが。悪しからず。
ハクゼンさん
「一物一価の法則」を、一市場で異なった投資家の価値判断に結びつけたのは、ちょっと無理がありそうです。
そこで、15時から上記内容に訂正いたしました。
ご意見を伺えれば幸いです。
ハクゼンさん、コメントありがとうごじました。
でも正直言って何を言おうとしているのかよく分かりません。
もう一度経済学を勉強しようではありませんか。
A地点からB地点に移動したい場合の単価。
電車とタクシーで単価が違ってます。比べるものが違う?
では、タクシーとハイヤー。大型と小型。個人タクシーと大手のタクシー会社。拾った場合と呼んだ場合。
付加価値がと言えるなら、資金量の違いとかひも付きの資金とかレポート提出の義務とかいろいろ付加価値を付けれちゃうということになります。