[独り言]よくPER10倍割れやPBR1.0倍割れの銘柄を狙えという記事を見掛けます。
しかし推奨銘柄に関しては著者によってかなりのレベル差を感じます。
彼等は記事を書くことが仕事なので、とにかく書かなければならないし
だからといって、結果に責任を負えるわけではないので無責任な推奨は出来ません。
なので当り障りのない「指標が割り安な銘柄」がしばしば推奨されます。
しかしこういう記事はあまり親切とは言えません。
何故なら、投資家が買わない(人気がない)から割安に放置されている訳で
知りたいのは何故指標が割り安なのかという理由です。
なのでそこまで踏み込んだ記事を書かれる評論家さんは信頼出来ます。
私は天邪鬼なので PBRほど当てにならない指標はないと考えています。
PBR(株価純資産倍率)=株価÷BPS(一株当たりの純資産)
曲者はこの「純資産」です。
企業の資産には「現預金・売掛金・設備・固定資産・投資有価証券」など様々ありますが
この中で客観的に価値が判断出来るのは「現預金」だけで
その他の資産価値を正確に把握することは出来ません。
例えば「売掛金」の中には回収不能の不良債権が含まれているかも知れませんし
「設備」や「固定資産(土地や建物)」は簿価と実際の評価額が一緒とは限りません。
また「投資有価証券」や「自己株式」に含み損がある場合もあります。
つまり我々個人投資家が、企業の資産価値を正確に把握することは困難で
割り安だと思って保有していたら、ある日突然大量の評価損が計上され
最悪の決算に遭遇する可能性も充分有り得ます。
勿論本物の割安株もある筈なので、全て疑ってかかる必要はありませんが
株価は人気投票ですから、私は割安株より割高株の方を選びます。
但し事件以外(想定外の不良決算等)で一時的に株価が暴落し割安になった場合は例外です。