【買い】トレックス・セミコンダクター(6616)：海外売上比率の高い企業に注目。ニッチ分野での技術競争力も魅力。◆あすなろ投資顧問 加藤あきら◆

【独自の事業効率化で需要に応える技術企業】

半導体デバイス事業を展開、主戦場をアジアに置き海外売上高比率の引き上げに注力。アナログ電源ICに強みを持つファブレスメーカー（自社工場を持たず開発・設計のみ行う）ながら、昨年4月には筆頭株主でもあったフェニテックセミコンダクター（株）を子会社化してファブライト型事業形態（自社で最小限の製造規模を維持しながら、製造は外部へ委託）へ転身。

　あらゆる製品の電子制御化やネットワーク化が進展していくことに伴い、同社の事業分野である電源用半導体の市場は、今後も拡大を続けていくことが期待されます。

　特に同社が得意とする小型電子機器向け製品から産業機器・車載機器向け製品へラインナップの拡充に取り組んでいる他、フェニテック社の独自設計によるトランジスタ製品及びダイオード製品なども活かしながら、設計技術と製造技術の緊密な融合を進めていく見通しです。

【米シリコンバレーの新興企業との協業を推進】
　同社はシリコンバレーで成長している企業との協業や新技術の取り込みを強化する狙いから彼の地に研究開発センターを新設、リーマンショック以降に舵を切った〝脱・民生機器″の流れを加速させていく見込みです。

　注力するのは産業機器、車載機器の分野で、同社が得意としている小型・低消費電力・低雑音の価値も生かしやすいと考えられます。民生機器のように需給バランスの悪化で価格が価値を下回る恐れがなく、経営の安定化につながると思われます。

【IoT分野の普及拡大は半導体製品の爆発的需要をもたらす】
　政府が成長戦略にも盛り込む「第4次産業革命」がもたらす産業構造の変革は「モノづくり」の分野だけでなく、「流通」や「小売」、「医療」などのヘルスケア分野、「公共サービス」など幅広い分野において“ビッグ・チェンジ”が起こる可能性を秘めています。

　その中心的位置づけとも言えるIoTの普及・拡大は自然発生的に半導体製品の需要が伸びが期待され、ニッチ分野でも市場シェアを勝ち取れる企業は必ず評価されるものです。


トレックス・セミコンダクター(6616)　[東証2部]
業種：電気機器
単元株数：100株
PER：6.26倍
PBR：1.68倍